6月11日付けの中日新聞によれば、喫茶チェーン店のコメダ珈琲店が「とろみ」のついたコーヒーの販売を始めたとのこと。
加齢や病気などが原因で、飲み込むこと(嚥下反射)がうまくできない、またはむせやすくなった人向けに、コーヒーにも「とろみ」がつくようになり評判が高いようです。
12日放送のCBCラジオ『つボイノリオの聞けば聞くほど』では、このニュースを基につボイノリオと小高直子アナウンサーが「とろみ」について話題にします。
コーヒーにもとろみがつく時代に
さらさらした飲み物は流れるスピードも速く、飲み込む力が弱い人にとっては器官に入ってむせる「誤嚥(ごえん)」を起こすことがあります。
とろみがつくことで、液体がゆっくりと流れるようになり、誤嚥しにくくなるそうです。
中日新聞の記事によれば、コメダ珈琲店は、こうした嚥下障害を持つ方に安心して楽しんでもらえるようにと、とろみ珈琲を開発したそうです。
つボイ「高齢になるとね、飲み込む力が衰えると言いますから、こういう商品があると安心ですけどね。コーヒーをいつまでも楽しめるというのは、いいことですよ」
小高「嗜好品、楽しむために食べたり飲んだりするものはつい我慢しがちですが、こういった工夫で楽しめるとうれしいですよね」
とろみ食の需要も嗜好品に使われる
自宅での飲食も、とろみをつけることで安心度が上がります。
みそ汁やスープなどは、暑い時期に塩分と水分を効率よく摂れるため重宝しますが、液体のままだと誤嚥のおそれがあるため、とろみをつけたほうが喉に負担がかからなくなります。
家庭でとろみをつける場合、水溶き片栗粉の他、水で溶かなくてもすぐに使えるとろみ剤もドラッグストアなどで販売されています。
毎日のことなので、こうしたとろみ剤もうまく使っていきたいもの。
嗜好品と言えば、炭酸飲料も該当します。さらさらしている上に、発泡しているので誤嚥しやすくむせるおそれも高くなります。
小高「炭酸飲料に特化したしゅわしゅわ感を失わずに、とろみをつけられる商品もあるんですって」
ただし、とろみ剤は多く使い過ぎると塊になってしまい飲み込むのが大変になる欠点もあります。使用する用量はくれぐれも守ってください。
とろみ剤で食の楽しさを
嗜好品については「無理してまで摂取するのは諦めろ」との声もあるかもしれませんが、いつまでも食べたいもの、飲みたいものを摂取することは生きるために大切です。
嚥下機能が弱ったからと簡単に食べ物を細かく切った「きざみ食」や、飲み込みやすい「とろみ食」ばかりでは、食事の楽しみを失い、単なる栄養補給になってしまう恐れもあります。
とろみ剤を必要とするのは、必ずしも高齢者だけとは限りません。こどもや成人だって病気や様々な理由でとろみをつけた食事を摂取している人も多数います。
誰もが食事を心から楽しめるように作られたとろみ剤は、いつ誰がお世話になるかわかりません。
「必要がない」とスルーするのではなく、食事をそのまま食べられない苦労をしている人がいるという事実にも目を向けながら、一口を楽しむ心も必要なのではないでしょうか。
(葉月智世)
つボイノリオの聞けば聞くほど
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2024年06月12日11時33分~抜粋