4月8日、厚生労働省が発表した2月の毎月勤労統計調査によると、実質賃金は前年同月比で1.3%減、23か月連続のマイナスになりました。
これはリーマンショック前後の2007年9月から2009年7月までと並び、最長記録となってしまいました。
最近は賃金が上がってきたという話を聞いているにもかかわらず、なぜこれほどまでに賃金が下がっているのでしょうか?
9日放送のCBCラジオ『つボイノリオの聞けば聞くほど』では、このニュースをもとに、パーソナリティのつボイノリオと小高直子アナウンサーがトークを展開しました。
実質賃金って何?
賃金には「名目賃金」と「実質賃金」のふたつがあります。
受け取る金額だけを見るのが「名目賃金」なのに対し、物価の上がり下がりも考慮して見るのが「実質賃金」です。
つまり給料が上がったとしても、それ以上に物価が上がってしまうと「実質賃金が下がった」と見なされるのです。
実は名目賃金は26か月連続プラスになっているのですが、実質賃金が23か月連続で下がっている状況なのです。
生活に身近なニュースであるだけに関心が高く、番組宛てに意見が届いています。
「物価は高くなるばかり。政治は何のためにあるのでしょうか?」(Aさん)
「春闘では賃上げが相次いでいますが、中小企業への波及は道半ばです。来年の今頃はどうなっているのでしょうか?」(Bさん)
名目賃金も十分に上がらず、物価は上がっていくとなってしまうと、さらに生活は苦しくなります。
給料アップを上回る物価高
ニュースでは、日経平均株価が4万円を超えてバブル後最高値更新、また初任給がどんどん上昇していることが報道されています。これらの状況はリーマンショックの時とは違いますが、実際に生活が苦しい状況は変わらないようです。
小高「お給料が20万円から21万円にアップしたとしても、生活する支出が20万円から物価が高騰して22万円になりましたってなると、お給料が1万円上がっても1万円切り詰めなきゃいけない状況になっちゃうっていう。結局、苦しいことには変わりがない」
つボイ「複雑なのは物価が高いって言っても、外国人が日本に来たら『日本は物価が安いですね』って言ってるし、日本人が海外旅行に行ったら『えっ!めっちゃ高い、外国は』って。
日本は安いのかとか、昔はアジアの人とか日本に出稼ぎに来ましたけど、今は若い人たちが短期で(外国に行って)どっと儲けて帰ってくるとか、頭の中が混乱するんですよね」
小高「昔の感覚からするとね」
円安の影響により、外国から見ると日本の物価はかなり安いと感じるようです。
どこの業種の給料が高い?
給料が上がっているという話があるものの、業種によって異なるようです。
情報通信業の給与は3.9%と伸び率が高く、次いで教育学習支援業が3.5%、運輸・郵便業が3.3%と続きます。
逆に電気・ガス業や鉱業採石業はマイナスとなっています。
日本では会社勤めの場合、6月の昇給が多いため、実際に給与が上がるのはもう少し先ではないかという見方もあるようです。
つボイは「自分たち放送業界は情報通信業なのか?」と思いつつ、「自分は20年間、全然給料は上がってない」とボヤいていました。
(岡本)
つボイノリオの聞けば聞くほど
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2024年04月09日09時16分~抜粋