つボイノリオの聞けば聞くほど

60年以上前に地球環境へ警鐘!R・カーソン再評価

今から60年以上前、1962年に地球環境に対していち早く警鐘を鳴らしたアメリカの海洋学者・作家のレイチェル・ルイーズ・カーソンに、最近注目が集まっているそうです。

1907年にアメリカ・ペンシルベニア州で生まれたカーソンは、文学少女として作家を夢見て大学で勉強している中、授業で触れた生物学の魅力に取りつかれ、生物学者になった人です。

3月13日放送のCBCラジオ『つボイノリオの聞けば聞くほど』では、つボイノリオと小高直子アナウンサーが、カーソンの『沈黙の春』について取り上げます。

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文学少女が生物学者兼作家に

カーソンはジョンズ・ホプキンス大学大学院で修士号を取った後、アメリカ連邦漁業局・鳥類野生生物局などで公務員として務めます。
この時期、政府の広報誌の編集や執筆、時には調査船に乗り込んで水中調査などにも従事していたそう。

小高「個人としての執筆活動もしていて、多くのベストセラーを生み出している方です」

つボイ「優秀な研究者でありながら、文学者になる勉強もしていた方ということで、たくさんの人が理解しやすい文章を書かれますよね。学者さんの文章ってわかりにくいのが多いけど」

一般の人にも読みやすい文章を書ける人、というのがつボイの印象だそう。

『沈黙の春』再評価の理由

彼女が再び見直されている理由は、1962年に出版された『沈黙の春』という作品に注目が集まっているから。

農薬が自然環境や人間の健康に及ぼす悪影響について調査し、科学的な裏付けを取った上で、誰にでもわかりやすい言葉で書かれた本です。

小高「このままでは、地球全体が汚染されて春が来ても小鳥は鳴かず、世界は沈黙に包まれるだろう…訴えた本ですよね。全米に大論争を巻き起こして、アメリカで農薬や化学物質の使用に関する制限が法律化されるきっかけになるくらい、大きな反響を呼んだんですよ」

つボイ「そうですね。この本は現在にもつながる内容ですよね」

彼女はいわば「人類で初めて地球環境の危機を訴えた人物」として、SDGsをはじめ環境保護に注目が集まる中、再評価されているのです。

日本でも注目のカーソン作品

カーソンは『沈黙の春』を発表した2年後の1964年にこの世を去っていますが、他にも、『センス・オブ・ワンダー』『潮風の下で』『われらをめぐる海』『海辺』など、多くのベストセラーを輩出しています。
これらはたびたび再版されており、今でも手軽に読むことが可能です。
特に『センス・オブ・ワンダー』は2001年に日本で映画化(監督:小泉修吉)されました。

2022年には絵本『レイチェル・カーソン物語 なぜ鳥は、なかなくなったの?』(西村書店)の日本語版が出版され、2023年にKADOKAWAから刊行された『角川まんが学習シリーズ まんが人物伝 』など、彼女の生き方そのものにも光が当たっているようです。

小高「つボイさん、この辺りの易しい作品から始めてみたらどうですか?」

つボイ「ありがとうございます。いいかもしれないですね」

もうすぐ春がやってきますが、小鳥が鳴くのが当たり前だと思わず、環境に対する影響について少し考えを巡らせてみるのもいいかもしれませんね。
(葉月智世)
 
つボイノリオの聞けば聞くほど
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2024年03月13日11時31分~抜粋

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