つボイノリオの聞けば聞くほど

市川團十郎・新之助親子共演。春を告げる『二月御園座大歌舞伎』の見どころ

2月1日から17日まで、名古屋市中区の御園座では『二月御園座大歌舞伎』が開催されています。
この公演では市川團十郎、新之助親子が揃って出演しています。

2月1日放送のCBCラジオ『つボイノリオの聞けば聞くほど』では、その詳細を、歌舞伎ソムリエのおくだ健太郎さんに伺いました。

聞き手はつボイノリオと小高直子アナウンサーです。

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團十郎襲名披露

歌舞伎の大名跡、市川團十郎白猿を当時の海老蔵さんが襲名したのは2022年11月のこと。
御園座大歌舞伎は名古屋での襲名披露となります。また、息子の勸玄(かんげん)くんが新之助となり、今回、御園座初舞台となります。

おくだ「昼の最初の出し物が『こいつは春から縁起がいいわい』という有名なセリフがある『三人吉三』(さんにんきちさ)で、本当に縁起がいいです。
プロ野球のキャンプが始まり球春という感じですが、芝居も春が来たという感じです」

小高「コロナから抜けて、新たに始まったという気がしますね」

掛け声も復活

おくだ「團十郎さんは一昨年11月から東京の歌舞伎座で一連の襲名披露をスタートさせました。そのときにコロナでずっと禁止されていた、『○○屋!』という屋号の掛け声が、限定的ではあるけど、團十郎襲名にあわせて再スタートしました」

いま掛け声の際、マスクは要りますが、以前あった衝立はなくなりました。

おくだ「團十郎さんの襲名自体もコロナで延期になってのスタート。いざ、襲名が始まると芝居が一歩一歩もとの状態に戻っていくということのアイコンにもなっています。彼は節目節目の大きいものをもっている星の下の人なんでしょうね」

ういろううり

新之助さんの出し物である昼の部の『外郎売』(ういろううり)を開設するおくださん。

おくだ「小田原の街に『外郎』という薬の商いをする店があった。仁丹みたいですっとするから胃もたれがなくなるとか、喉がきれいになるとか、いい薬だから口に含めるとすらすらすらっと売り口上が立て板に水になるという実演販売で人気があった。
それをセリフに取り入れて、ずーっと早口を言うというものです」

小高「アナウンサーの滑舌練習で『外郎売』は定番中の定番です。大人でも難しいのに、これを新之助さんがやるんですか?」

おくだ「声変わりの前のみずみずしい男の子の声で披露するということです」

被災地に届け

一方、團十郎さんが登場する夜の部の『勧進帳』について。

おくだ「義経と弁慶らが東北に逃げてい時、安宅関で富樫という厳しい関守がにらみを利かせている。これは加賀の国、石川県です。

しかも義経の正体がばれる時、弁慶が機転をきかせて『お前が愚図でのろまだから、馬鹿野郎、俺たちまでも疑われて』と言う時に、『スムーズにいけば俺たちは今日のうちに能登の国までは到達しておきたかったんだ』ということも言います。

この舞台のパワーが被災の地へも届いて欲しいと思います」

小高「何かしら思うこともありながら役者さんたちもセリフを言っているかもしれませんね」

つボイ「最後、六方を踏みながら退場する姿がいいですね。團十郎の見せ場ですね」
(みず)
 
つボイノリオの聞けば聞くほど
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2024年02月01日11時14分~抜粋

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