つボイノリオの聞けば聞くほど

ペットボトルキャップの再資源化が、教育に役立っている実例

ペットボトルキャップを「油化」という形で再生する活動をしている有限会社壱武工業所(愛知県西尾市)。
実際にどんな活動をし、どこでその油を使っているのでしょうか?

10月4日のCBCラジオ『つボイノリオの聞けば聞くほど』では、「ペットボトルキャップの油化」について、つボイノリオと小高直子アナウンサーが紹介しました。

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自社発電機の燃料に

前回この番組では、西尾市の成型会社、壱武工業所が、岡崎市のグローバルアライアンスパートナーという会社の作った装置を使い、廃プラスチックを油化させる活動をしています。

つボイ「もともと油だったプラスチックを、また油に戻すっていう。理屈ではそういうこともできるんだなって思いますよね」

化合物を一度蒸発させ、後で再び凝縮させることで、沸点の異なる成分を分離・濃縮する蒸留の方法で油ができるそうです。

油ができる素材は、卓上油化装置でペットボトルのキャップ以外にも梱包に使われたビニールなど、数種類に限られています。

こうして作られた油が活用されているのは、自社の発電機の燃料とのこと。
イベントなどで普及活動にも取り組み、少しでもこの事実を知ってもらいたいと力を入れて活動しているそうです。

コマを作る出張授業などを実施

他にも大手総合商社の丸紅が全国の自治体と一緒に取り組んでいる、プラゴミ問題を考えるイベントに参加したり、愛知学泉短期大学と一緒にエコなイルミネーションとしてクリスマスツリーを飾ったりする等の活動をしています。

またこどもたちに直接教えることができる、出張授業にも積極的に取り組んでいるとか。
廃プラスチックから作った油で機械を動かし、おもちゃのコマを作るという授業を行っているといいます。

スタジオには実際に作ったコマが。

つボイ「このコマ、よく回りますわ。楽しい!」

コマに使われているプラスチック部分の材料は、海岸などの清掃活動で集められたペットボトルキャップを使用。プラスチック部分の金型は、豊川市で旋盤加工などを行っている山本製作所有限会社が行っているとのことでした。

つボイも「技術が高いからこそよく回るし、しっかりとした作りをしたコマは、きっと実際の金型もすごいんだろう」と推測します。

実用化へ向けてできることは?

このコマができる過程を見たこどもたちが、愛知県が誇る町工場の技術力を実感するのみならず、将来研究者が出てくるかもしれないと話すつボイ。とても夢がある出張授業です。

壱武工業所の社長・竹口達也さんは「こどもたちのほうが、大人よりも環境意識が高い。授業の感想などを書く振り返りシートで、我々大人が勉強させられることがとても多い」と話しています。
出張授業を受けたこどもたちが帰宅して大人を教育するくらいの認識で活動しているそうです。

また昨年は、西尾市のお寺とコラボして照明や機材の電源を廃プラから作ったエコな夏祭りを開催。まさに楽しみながらできる、持続可能な取り組みだと言えそうです。

つボイ「実用化が待ち遠しいですね」

様々な企業や自治体から問い合わせはありますが、プラは種類が多いため、まずは分別・回収のルートを作らなければいけないという課題もあるそうです。

すぐにビジネスにはないようですが、「プラスチックが悪だという風潮を少しでも変えたい」と語る竹口さんでした。
(葉月智世)
 
つボイノリオの聞けば聞くほど
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2023年10月04日11時34分~抜粋

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