つボイノリオの聞けば聞くほど

金沢市がSDGsに取り組む観光業者認定、その中には金継ぎをするホテルも

石川県金沢市では、地元の観光資源やものを大切に使う観光業者に「金沢SDGsツーリズム推進業者」を認定しています。
その中には、日本が古来から大切にしてきた修理して使う「金継ぎ」を行っているホテルなども含まれているようです。

8月23日の『つボイノリオの聞けば聞くほど』の「SDGsのつボ」では、つボイノリオと小高直子アナウンサーが「金沢市SDGsに取り組む観光事業者を認定する制度」について紹介しました。

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SDGsに取り組む観光事業者認定制度

人気観光地のひとつ、石川県金沢市が中心になって、SDGsの達成に取り組む観光事業者を認定する制度を始めたとのことで、8月22日付けの日本経済新聞の記事にも取り上げられています。

金沢市で持続可能な観光を推進するために、SDGsの達成に取り組む市内の宿泊業者をはじめ、金沢市内を対象とした旅行商品を取り扱う事業者に対して、その取り組みに応じ「金沢SDGsツーリズム推進業者」として認定しています。

事務局は、SDGsツーリズムの目標を8項目挙げていて、「地球の資源を大切にしよう」「垣根を越えてパートナーシップを進めよう」の2つを達成することが必須項目となっています。

小高「8項目のうち、2つは絶対ですよと」

他には「地域コミュニティや自然に敬意を払おう」「居心地の良いまちを作ろう」「働きがいのある環境をつくろう」「地域の経済や文化を守ろう」「新たな可能性に挑戦しよう」「地域の魅力とともに、観光が金沢のまちに貢献していることを発信しよう」があります。

地元の資源や壊れたものを大切に使う業者

2023年4月から始まった制度で、現在10の事業者が認定を受けているそう。

そのうちの一つ、兼六園の近くにある「あかつき屋」というゲストハウスでは、決して観光名所とは言えない近所の寺院やお店を案内する活動や、額国人観光客向けの書道体験、伝統的工芸品の展示企画など以前から取り組んで来ました。

小高「今やろうというのではなくて、前からやってきてたんですね」

つボイノリオ「観光名所ではないお寺を地元の人が案内するのは興味深い。今は金沢市のお話ですけど、観光地ではないお寺が実は歴史的に…っていうのはいっぱいありますよね。こういうのはちょっとやってみたい」

この他、ホテルで使っている焼き物の器が割れたり欠けたりした時に、簡単に捨てるのではなく、修復する金継ぎという手法で修理して使っている「三井ガーデンホテル金沢」も認定を受けています。

金継ぎの魅力はエコと「味」

金沢には古くから「金継ぎ」という技術があります。
漆と金を使いますが、日本伝統の修理方法として長く受け継がれてきました。

つボイ「壊れたから修理するんですけど、修理した跡が見える。その跡が味となって。だから織部焼はわざと割ってから金継ぎする人もいるくらいで。
まあ織部は別として、物を大切にするということです。それが文化になって『金継ぎ』という技術と味わう心が日本社会の中にはあるということ」

小高も「金継ぎ」はSDGsの目標にいくつもつながっていくことだと話します。

外国人から見ると、金継ぎはとてもエコで物を大切に長く使うスタイルがとても評判で、日本に来た観光客も体験したいものの一つとして人気があります。

逆に、日本人は金継ぎせずに捨てて買い換える人が増えたのが今の社会です。
旅行の目的地や、旅館・鉄道を選ぶ時の選択肢の一つの指標ともなりそうな認定制度。
これからは、ただ楽しむために旅行するのではなく、その地域に住む人々や環境を尊重し、長く引き継いでいくための姿勢や行動が旅行者にも必要になるのかもしれません。
(葉月智世)
 
つボイノリオの聞けば聞くほど
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2023年08月23日11時32分~抜粋

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