つボイノリオの聞けば聞くほど

昔話の主人公、実は男の子ばかりではなかった

夏休みは自由研究や読書感想文の課題図書など、こどもたちにとって本を読む機会が増える時期です。
本を読む際、物語の主人公に注目したことはありますか?

8月16日のCBCラジオ『つボイノリオの聞けば聞くほど』では、物語の主人公から見る多様性について、つボイノリオと小高直子アナウンサーが紹介します。

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昭和までの読書事情

夏休みに図鑑・伝記・詩を読むなんていう子もいるかもしれないと話す小高アナ。
マンガも悪くありませんが、想像を膨らませながらストーリーを追う物語を読むのも、この時期ならではの楽しみです。

小高「つボイさんは、最近本は読まないって言ってましたけど、こどもの頃はどうでしたか?」

つボイ「こどもの頃は保育園で『キンダーブック』(フレーベル館刊)っていうのを定期的に取ってて。あれで武井武雄さんとか、絵を見ていろいろ思っておりましたけど」

小高は、モーリス・ルブランの冒険小説「アルセーヌ・ルパンシリーズ」を読んでいたと振り返ります。

現代の物語は、主人公の性別やキャラクターが多様化していて、こども自身が共感しやすい話も探しやすくなっているよう、と時代の違いを感じている様子。

昔話の主人公は男の子ばかり?

一方で昔話となると、主人公が男の子のお話が圧倒的になります。
代表的なものは​​​​​​「桃太郎」「一寸法師」「浦島太郎」「金太郎」です。

女の子が主人公の物語がないことはありませんが、「かぐや姫」に代表されるような、美しくておしとやかな女の子という設定が多いのです。

そんな中で、女の子が主人公の昔話シリーズを見つけたという小高。

小高「偕成社の『女の子の昔話』シリーズや、たくさんのお話を一冊に詰め込んだ『世界の女の子の昔話』(中脇初枝著)といった本もありますよ」

中脇初枝さんは、映画化された『きみはいい子』や、『世界の果てのこどもたち』など多くの本を世に送り出している作家で、大学時代は民俗学を学んでいました。

こどもの頃から本が好きで昔話を楽しんでいた中脇さんは、自分と同じような女の子や女性・おばあさんが活躍するお話が少ないと不思議に感じていたそうです。

実は女の子が主人公の物語も多い

大学で民俗学を学んだ中脇さん。
研究を続けるうち、書籍化されている物語に男の子・男性が主人公になっているものが多かっただけで、女の子や女性が主人公の物語は各地に多数伝わっていることがわかったそう。

そして日本や世界各地で聞き取って集めた物語を集め、前述の本を作ったとのこ。

つボイ「私も見させていただきましたが、いろんな子のお話があって。力持ちの女の子のお話もありますね。3歳でお相撲さんより力持ちで、大きくなると殿様にも認められるほど。この子の人生がどうなっていくのかという」

小高「世界各地にも実はいろいろあるよってことでいくと…チリの『銀の手づなと魔法の投げなわ』、スペインの『くいしんぼうのなまけもの』とか。一体どんなお話なんでしょうね」

最近ではディズニー映画でもドレスを着たお姫様ではなく、活発で冒険をするタイプの女性主人公が増えてきている気がする話す小高です。

いつもと視点を変えて、物語を選んで読んでみるのも楽しいかもしれません。これは、SDGsの目標5「ジェンダー平等を実現しよう」にもつながっていきます。
物語を選ぶ際に、こうした視点を取り入れてみてもいいのではないかと締めくくりました。
(葉月智世)
 
つボイノリオの聞けば聞くほど
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2023年08月16日11時31分~抜粋

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