つボイノリオの聞けば聞くほど

上岡龍太郎さん「激怒で退席」は名古屋のラジオでも発生していた!

2023年06月17日(土)

エンタメ

テレビ番組の司会などで活躍し、5月19日に亡くなられた元タレントの上岡龍太郎さん。
実は漫画トリオが活動を停止した1968年(昭和43年)に、名古屋市のCBCラジオで20年近くレギュラー番組を担当していました。

6月15日放送の同局『つボイノリオの聞けば聞くほど』では、元ディレクターの弟子吉治郎さんが上岡さんの思い出や人となりを語りました。

聞き手はつボイノリオと小高直子アナウンサーです。

退席の元祖はCBCラジオ?

弟子吉治郎さん(本名:加藤吉次郎)は、昭和40年代から50年代にかけてCBCラジオでディレクターを担当していました。
お昼のワイド番組『ばつぐんジョッキー』で上岡龍太郎さんの担当となり、その後弟子入り。弟子吉治郎を名乗っています。

この番組で上岡さんが生放送中に激怒して帰り、あわや番組降板という危機に。

弟子吉治郎さんの後任を務めたディレクターと揉めたようで、上岡さんは「もう降りる、絶対行かない!」と宣言したそう。
弟子さんは当時の制作部長に呼ばれ「お前、今から京都へ行って、上岡さんを説得してこい」と、交通費1万円を渡されました。

実は上岡さんを怒らせた理由、それは上岡さんが大嫌いな「占いコーナー」を始めたからです。

後に『探偵!ナイトスクープ』(朝日放送テレビ)で超常現象を取り上げて退席した話は有名ですが、もちろんその事件よりもっと前のこと。
「退席の元祖はCBCです(笑)」と弟子さん。

占い師が嫌い

上岡さんが占いを嫌って激怒した理由は、「占い師は不幸な人からお金をとって、さらに不幸にする、それは許せない」という持論があるから、とのこと。

付き合いの長いディレクターなら、そのことを知っていましたが、後任のディレクターはそれを知らずに占い師をスタジオに入れてしまったそうです。

その占い師は姓名判断を行う人だったとか。
上岡さんは「ジョン・F・ケネディは何画?リンカーンは何画?」と聞きます。
もちろん2人ともすでに暗殺されていた人です。名前の画数にその不幸な結末が出ているのかと試したわけです。

しかも上岡さんは「漢字なら、日本で使っている漢字は漢字ではない。むかし中国の殷、漢の時代などいろいろな漢字がある。あんたはどれや?」と追い打ちをかけました。
当然ながら、その占い師はわからず言葉に詰まってしまいます。

そして「君は全部これから先のことが予見できるのか?できひんやろ。これはわかるか?」と、占い師の頬にマジックで×と描いた挙げ句、スタジオを出ることになったのです。
生放送の本番中のことです。

「特に、別に」

制作部長からの指示で京都へ向かった弟子さん、上岡さんと会います。

上岡「何しに来たん?」
弟子「いや、特に」
上岡「ふーん。…何しに来たん?」
弟子「別に」
上岡「…今日番組終わったから、京阪電車で家に帰るから(大阪まで)来るんか?」

それで京都から大阪までついて行くことになった弟子さん。

上岡「家、来る?」
弟子「はぁ」
上岡「なんやねんな」
弟子「特に、別に」

禅問答のような受け答えが続くだけです。

CBCの危機を救う?

このやりとりを聞いていたつボイ、しびれを切らします。

つボイ「CBCの命運がかかっている!切り出してよ」

弟子「そうなんですよ。当時『ばつぐんジョッキー』や『土曜天国』は聴取率が20%くらいあった。降りられたら大変です。その密命を受けているにしては曖昧です」

マンションに行くと、上岡さんは奥さんに「晩飯を」と一言。

上岡「もう遅いがな、泊るか?」
弟子「はぁ」

上岡さん宅で一泊した弟子さんですが、朝飯までいただいてしまいました。

弟子「ほな、帰ります。仕事ありますから」
上岡「は~ん」

この流れで、上岡さんは翌週から再びCBCラジオに出演しました。

弟子「どうや、腕や!CBCの危機を救ったのは私や(笑)」

こいつはまあまあいいな

弟子さんはこの時の真相を語ります。

弟子「もしも私が『このままで降りられると困ります』と具体的に言ったとしたら、余計に怒られますよね、たぶん。これは結局言わずじまいという手もあるなと思った」

小高「会社に言われて来たけど、よう言い出せんのやろ、くらいはわかってらっしゃったんでしょうね」

弟子「その頃、数年の付き合いですが、特に私の書くものを喜んでくださっていた。師匠に合うように番組を作っていました」

その例が、毎日1万円が当たる「1万円クイズ」。
応募に必要なキーワードは一文字ですが、弟子さんは一文字だけ言うのがイヤでした。
そこで、例えば「つ」であれば「杖をつきつき月見酒、つまんだ蕾が罪作り、つわりの女がつまずいて、着いたところが終の宿の"つ"」という流れるような文章でした。

弟子「そういうやり方を喜んでくださった。『基本的にこいつはまあまあいいな』という評価をしてもらっていた。それで『はぁ』『別に』で済んだんです」

最後に弟子さん、師匠である上岡さんをこう評しました。

「(上岡さんは)すぐにキレるとか言われますけど、理由があってキレられるので、とんでもない時にとんでもないキレ方をするわけではない。まぁええ人でした」
(みず)
 
つボイノリオの聞けば聞くほど
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2023年06月15日11時08分~抜粋
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