つボイノリオの聞けば聞くほど

薬を飲んだ後の包装シート、回収される日が来る?

高齢化社会で、ますます消費量が増えると予測されているもののひとつが薬です。
服薬は欠かせないという人も多いですが、錠剤やカプセルをプラスチックとアルミで挟んでいる包装シートの処理はどうされているでしょうか?

2月22日に放送された『つボイノリオの聞けば聞くほど』の「SDGsのつボ」コーナーでは、「服薬後の薬シートをリサイクル実証実験」に関する話題です。

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薬を飲んだ後のシートの行方

リサイクルされるものは近年、技術革新で徐々に増えてきています。反面、まだリサイクルできないものも存在します。
小高直子アナウンサーが挙げたのは、カプセルや錠剤の薬が包装されているシート。

小高「つボイさん、おなじみでしょ?」

つボイノリオ「はい。あのペコッと押して取り出すやつ」

この薬が包装されたシートの正式名称は「PTPシート」。PTPはPress Through Packageの略称だそうです。
材料はプラスチックとアルミニウムでできていて、プラスチックの部分を押すとアルミニウムが破れて薬を取り出す仕組みです。

プラスチックとアルミニウム、違う素材が組み合わさってできていますが、実はどちらもリサイクルできる素材。
ただ、ぴったりとくっついている複合材料なのでこれまではリサイクルされていませんでした。

PTPシートのリサイクル

本来は、プラスチックもアルミニウムどちらも適切なリサイクル方法が確立されています。リサイクルはできるものの、実際にぴったり密閉するために作られているPTPシートを剥がすのは大変です。

小高「このぴったりくっついていた素材を分離する技術が開発されて、それぞれ素材としてリサイクルできるようになってきているんだそうです」

衛生的で高品質が求められる医薬品を包むために使っているものなので、アルミニウム・プラスチックどちらも、とてもいい素材を使っていることが多いそう。

本格的にリサイクルできるようになれば原料価格が高騰している今、とても助かる上に焼却される際のCO2も削減、埋め立てるための土地も減らせることが期待できます。

実際に神奈川県横浜市で医薬品メーカーが中心となって回収が始まっている他、複数の製薬会社がPTPシートリサイクルに興味を持っているとのこと。

シート回収は服薬指導にも効果

このリサイクルについては、2023年1月5日の中日新聞にも紹介されました。

記事によると、薬のPTPシートは日本だけで年間およそ1万4千トンも生産・販売されており、高齢化によって薬の需要増にともなって生産・販売も増加傾向にあるのだそうです。

小高「1万4千トンって言われてもどれくらいか分からないので調べてみたら、大型の貨物船くらい。多いですね」

つボイ「私だって1日十数錠飲んでますから、それに伴って廃棄されるわけです」

薬の量が増えているつボイも、薬を飲んだ後のシートを何とかしてもらえるならありがたいと共感。

記事によれば、実証実験を名古屋市立大学薬学部が始めるとのこと。
実証実験がどのように始まっているのか名古屋市立大学に問い合わせてみると、患者さんが服用した薬シートの回収には行政機関などの許可が必要だそう。

現在、実証施設の薬局や病院内調剤といった自分たちが仕事をする中で排出されるPTPシートを集めて実験。
効果が実証されたら行政機関などに許可を取って広く実施したいとのことでした。

薬局や病院に服用後のPTPシートを持参することは服薬指導にも役立ちます。「薬局で回収されるようになれば持っていきたい!」と意気込むつボイ。プリンターのカートリッジを家電量販店で回収するように、ドラッグストアや薬局で服薬済シート回収が当たり前になる日も遠くないかもしれません。
(葉月智世)
 
つボイノリオの聞けば聞くほど
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2023年02月22日11時37分~抜粋

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