つボイノリオの聞けば聞くほど

あの「ブラックサンダー」が人権に配慮されたカカオを使用!深刻化する児童労働

チョコレートの原料はカカオですが、日本では植物園などを除きほとんど栽培されていません。
どこの誰がカカオを作っているのか、考えたことがありますか?

9月28日に放送された『つボイノリオの聞けば聞くほど』の「SDGsのつボ」コーナーでは、「児童労働に対する取り組み」についての話題です。

[この番組の画像一覧を見る]

児童労働ではない原材料

26日の月曜日、「ブラックサンダー」などで知られる有楽製菓の新聞報道について触れた小高直子アナウンサー。

小高「愛知県豊橋市にも工場があってね、親しまれております」
つボイノリオ「地元意識ありますよ!」

報道内容は、ブラックサンダーの原料であるカカオを、児童労働に頼らず収穫されたものに切り替えていくとの発表でした。

有楽製菓は「食べる人だけでなく、作る人も笑顔にしたい」という思いから、児童労働ではないカカオを使用する「スマイルカカオプロジェクト」に取り組んでおり、2025年までに自社製品で使うカカオのすべてを児童労働に頼らないものに替えるとのこと。

有楽製菓の公式サイトによると、カカオ産地の課題を改善する活動を支援しており「児童労働撤廃に向けた活動をしている、人権に配慮されたカカオ原料を使用」に切り替えているとのこと。

まずは、主力商品「ブラックサンダー」でこの発表内容を達成し、他の商品にも広げていくそうです。

コロナ禍で児童労働は増加傾向

そもそも児童労働とは、こどもを義務教育を受けさせずに大人と同じように労働させている状態のこと。お手伝い程度の労働ではなく、大きな問題になっています。

小高「親から勉強なんていいから稼ぎ手として働きなさい、と言われて働かされている状態ですね」

ユニセフによると、児童労働に従事する5歳~17歳のこどもは2020年で1億6千万人もいるとのこと。世界で見ると約10人に1人の割合です。

農作業だけではありません。中には命の危険を伴うような作業をさせられているこどももいます。

家の収入のために、義務教育も受けさせてもらえず働かされたこどもが大人になると、勉強の大切さを知らないままです。
そのままこどもを持つ立場になり、また同じように稼ぎ手としてこどもを働かせ、貧困の連鎖が世代を超えて受け継がれていくことになります。

まずは大人から意識改革

児童労働の一因には、それが習慣化している事情もあります。他にも貧困や差別・戦争や自然災害・教育機会の欠如など様々な原因があります。

近年は新型コロナウイルスの影響による経済的疲弊からこどもが働き手にされたり、学校が閉鎖されたことを機にこどもを労働に駆り出すようになっています。
新たに児童労働に従事するこどもが増加しているだけでなく、既に児童労働に従事しているこどもの労働環境も悪化していくことも懸念されているのです。

SDGsの目標8「働きがいも 経済成長も」という目標の中に、さらに細分化されたものがあり、「2025年までにあらゆる形の児童労働をなくす」という目標が掲げられています。

児童労働をなくすには、まず現地の大人の意識改革が必要です。経済的にこどもに頼らなくていい道のりを考えて実行している大変なもの。商品を買う側にも理解と行動が必要となってきます。

つボイ「こどもに教育を与えるってことは。その国の未来の国力につながってきますからね」
手軽に買えるお菓子メーカーがこうした取り組みをしてくれることで、わたしたちが考えるきっかけになると締めくくりました。

「SDGs(エスディージーズ)」とは、「誰一人取り残さない」という考えに基づき、誰もが人間らしく生きる環境を作るため、国連で採択された17個の持続可能な開発目標のこと。
『つボイノリオの聞けば聞くほど』の「SDGsのつボ」コーナーは、小高直子アナウンサーが一見難しそうなSDGsについて、わかりやすく説明しています。
(葉月智世)
 
つボイノリオの聞けば聞くほど
この記事をで聴く

2022年09月28日11時35分~抜粋

関連記事

あなたにオススメ

番組最新情報