つボイノリオの聞けば聞くほど

「お前らやってみろ!」勝手に「底辺職」にされた保育士の怒り

新卒向け就職情報サイトが公開した「底辺の仕事ランキング一覧」という記事に対し、批判が相次いでいます。記事では、底辺職の特徴のひとつに「誰でもできる仕事である」とありました。

7月8日放送の『つボイノリオの聞けば聞くほど』には、この記事で底辺職として紹介されていた「保育士」の方からおたよりが寄せられました。

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一番腹立たしかったのは

「このたび最底辺の仕事として認定された、保育士として働くものであります。確かに給料は安い、休みは少ない、休憩が取れない、身体はキツいで大変です。みんなやりたくない仕事かもわかりません」(Aさん)

保育士という仕事は確かに大変な仕事だと語るAさん。しかし、Aさんはこの記事に対して許せないことがありました。

「一番腹立たしかったのは、『誰でもできる仕事』と言われていること。はーん?じゃあお前らやってみろ!」(Aさん)

泣きのドミノ倒し

国の基準では、12人の1歳児を保育士2人で担当することになっています。
「1歳児12人!1対1でも大変やで!」と、ぼやくつボイノリオ。

「12人を2人で世話してみろ!ご飯、おむつ替え、寝かしつけ、この時期は沐浴もあって、どろんこ遊び、ご飯のあとは床に散らばる残飯の掃除、どろんこの服を洗う、米粒がびっしりついた食事用のエプロンを洗うなんて仕事も、すべて保育士がやってるんですよ!」(Aさん)

とても休憩を取る暇はありません。

「ゲロやうんこで汚すのは日常茶飯事。やっと寝かしつけて『さあ書類』と思うと、ひとりが『ウギャー!』と泣き出す」(Aさん)

つボイ「こどもが寝てる間にやろうと思っても、起きる子がおるのや。ひとりが泣くと『ウワー!』『ウワーン!』『ウギャー!』みんなバーっとドミノ倒しやわ」

完全な修羅場です。

プロとしての誇り

「次々に起きて、再度の寝かしつけ。その上に書類、製作の下準備、手作りのおもちゃ、おもちゃの消毒、部屋の掃除、洗濯、保護者もいろいろな方がいるので…保護者対応も大変!」(Aさん)

つボイ「わかるな、これ。わかります。みなまで言わんでもわかる。『ウチの子はね!』とか言ってくるんでしょうか」

保護者対応、実はこれがなかなか大変そうです。

「そんな日常の中でも、ひとりひとりのこどもへの寄り添い。どうしたら良い育ちにつながるかを考えて、毎日ヘトヘトになりながらも、かわいいこどもたちのためにがんばっております。私たち専門職として、プロとしての誇りを持ってやっております」(Aさん)

ひとときも目を離せない1歳児の命を預かる、重要な仕事。そこにはプロとしての確かなプライドがあります。

1週間後には「はよ帰って」

「今回、底辺職に認定された他の職種の方々も、同じ思いだったと思います。『誰でもできる仕事』なんて、やったこともないやつらに言われたくもないと、本当に腹立たしい話でございます!」(Aさん)

この話題に、小高直子アナウンサーは「保育士さんが誰でもできる仕事っていうのは、誰が思ってるんですかね」と納得がいかない様子。

小高「激甘、ベタ甘な、血を分けた、たったひとりの孫を預かったおじいちゃん・おばあちゃんだって、1週間後には『はよ帰って』って帰すんですよ!」

育児の大変さを物語るエピソードです。

仕事のやりがいに差はない

「何をもってして“底辺”というのかは難しいと思うんですけど、たとえば仕事量のわりに賃金が安いとか、そういったバックグラウンドの中で『人が嫌がる仕事』ができてくるわけでしょ」と小高。「仕事そのもののやりがいには、あんまり差ってないと思う」と語りました。

小高「そこの部分がネックになってるんだとしたら、環境を変えないと。仕事量に見合った賃金っていうのをしっかりやらないと。保育士さんだってそうですよね」

つボイ「『底辺の仕事の報酬をもっと考えましょう』というのが裏に流れているなら、それは考えないかんことやな」

小高「保育士さんは、誰にでも絶対できないですよ!」

つボイ「『道によって尊し』と申します。いろんな仕事があって、それぞれの専門分野があるわけですよね」

保育士さんのお怒りはごもっとも。勝手に底辺職と書かれてしまった他の職業の方々も同じ思いだったことでしょう。
(minto)
 
つボイノリオの聞けば聞くほど
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2022年07月08日09時41分~抜粋

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