つボイノリオの聞けば聞くほど

不織布マスクが海に流出し、ゴミになっている現実

新型コロナ対策で大量に消費されるようになった不織布マスク。
しかし使用後にゴミ箱へ捨てるなどの正しい処置がとられず、河川や海洋に流出してプラスティックゴミとして、環境に悪影響を与えていることがあるそうです。

7月6日に放送された『つボイノリオの聞けば聞くほど』の「SDGsのつボ」コーナーでは、「環境にやさしい素材でできたマスク」について取り上げます。

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不織布マスクの原料

小高直子アナウンサーが、不織布マスクの消費量が激増したことに触れます。

つボイノリオ「これがいいと言ってましたからね」
小高「コロナ対策の中でも不織布のマスクがおすすめですよって」

不織布マスクは感染対策としては安価で非常に優秀です。その反面、使い捨てになるのでゴミの問題として考えるとマイナスに作用します。

一般的な不織布は、紙ではなくプラスティックが原料となっているものが多く、自然の中ではなかなか分解されません。

不織布マスクが大量に海へ流出

海洋保護団体「OCEANS ASIA」が発表した調査では2020年、世界の海に流出したマスクの数はおよそ15億6千トンにのぼると推定されました。
この流出量は、世界で製造されるマスクの約3%に相当します。

プラスティックは分解されず、いつまでも海洋を漂い続けることになります。
漂い続けるプラスティックゴミを魚介類などの海で生活する生物が食べてしまい、生態系に大きな影響が出ます。

こうした事態を少しでも改善するために、自然に還る植物由来の原料を使った不織布マスクを作る企業も出てきました。

もちろん、自然に還る素材で作られているマスクだからとポイ捨てしていいわけではありません。
まずはきちんと使ったマスクを処分することが大前提になりますが、こうした取り組みをする企業が出てきたことは心強いことです。

環境に配慮したマスクを購入するのもSDGs

不織布は、原料はプラスティックですがゴミとして出す時は可燃ゴミで処理されます。
植物由来の不織布なら、ゴミとして処理する時にカーボンニュートラル(製造や焼却で出る二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの「排出量」 から、植林、森林管理などによる「吸収量」 を相殺して、合計を実質的にゼロにすること)にもつながるのです。
これは、SDGsの目標13「気候変動に具体的な対策を」とリンクしています。

例えば、原料となる不織布の99%が自然分解可能なバイオマスプラスティックや、生分解性プラスティックといった有機資源から作っているサムライワークス、東海地方では岐阜県のエストマナイが口元側の不織布をコットンで作ったマスクもあります。

コットンは植物由来なだけでなく、敏感肌の人にとっても使いやすい素材。より多くの人に寄り添った優しいマスクがあるのは環境にも人にもうれしいものです。

「SDGs(エスディージーズ)」とは、「誰一人取り残さない」という考えに基づき、誰もが人間らしく生きる環境を作るため、国連で採択された17個の持続可能な開発目標のこと。
『つボイノリオの聞けば聞くほど』の「SDGsのつボ」コーナーは、小高直子アナウンサーが一見難しそうなSDGsについて、わかりやすく説明しています。
(葉月智世)
 
つボイノリオの聞けば聞くほど
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2022年07月06日11時31分~抜粋

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