つボイノリオの聞けば聞くほど

地球温暖化への取り組みを評価する「SBT」認定とは

SDGsの普及により、企業が環境に配慮した取り組みを行うことをよく目にするようになりましたが、目に見える形で認定を受けている企業はまだまだ多くありません。

環境配慮に取り組んでいる企業の評価基準にどのようなものがあるか知っていますか?

6月22日に放送された『つボイノリオの聞けば聞くほど』の「SDGsのつボ」コーナーは、「企業が地球温暖化を食い止めるための基準」についての話題です。

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脱酸素への取り組み評価指標

SDGsの目標13「気候変動に具体的な対策を」について説明する小高直子アナウンサー。

この目標では、温室効果ガス排出の実質ゼロを目指す脱炭素の取り組みが重要とされています。他にも、気候変動による関連災害や自然災害に対する備えなども入ります。

企業の脱炭素の取り組みを評価する指標のひとつに“SBT”(Science Based Targets)があります。
各企業が出した二酸化炭素の排出量削減目標が、世界の平均気温上昇を抑えるための努力目標を定めたパリ協定に沿っているかどうかを科学的根拠に基づいて判定し、水準に達している企業が認定を受けられるというものです。

SBTは、CDP(企業の気候変動、⽔、森林に関する世界最⼤の情報開⽰プログラムを運営する英国で設⽴された国際NGO)・国連グローバルコンパクト(UNGC)・世界資源研究所(WRI)・世界⾃然保護基⾦(WWF)で運営されています。

既に認定を受けた日本企業は164社

企業が認定を受けるには、パリ協定の目標(4.2%/年以上の削減が目安)に基づいて5~10年後の削減目標を提出します。

サプライチェーン全体、具体的には原料の調達から消費までの一連の流れ全部の温室効果ガスの削減を行うことや、認定を受けた後も毎年排出量などの報告を行う必要があります。

2022年3月の環境省の資料では、SBTに認定されている企業の数を国別で見ると、73カ国から2,671社の参加があり、国別認定企業数では、アメリカ199社、イギリス195社に次いで⽇本は第3位で164社です。

そのうち、これからコミットしようとしている企業(2年以内のSBT設定を表明している企業)は、世界で1,434社。日本の企業は38社あります。詳しく見てみると、建設・運輸・印刷・食料品など多くの業種で受けているだけでなく、中小企業でも認定を受けている企業が。

東海地方では以前、このコーナーで紹介した羽毛の河⽥フェザーや、衣料生地の染色を行う艶⾦も既にSBT認定を受けています。

環境に配慮した製品を買おう

話を聞いていたつボイノリオも、こういった認定を受けている企業の製品を選ぶことで、我々も意識をもって生活しているというところにつながるのではないかとコメント。

この意見には小高も共感していました。

小高「SDGsやってみたいけど、何から始めていいかわからないって人も、いろいろな方法がありますが。こういった認定を受けている企業を探して」
つボイ「(認定を受けている企業の製品を)購入するのも大事なことやと思いますよ」

地球温暖化を食い止めるための基準、SBT。認定を受けている企業には、化粧品や医薬品・家電製品・スポーツ用品メーカーなど知っている企業も多く含まれています。環境に配慮している製品を購入して、企業を応援することもまたSDGsの取り組みとして有効であると締めくくりました。

「SDGs(エスディージーズ)」とは、「誰一人取り残さない」という考えに基づき、誰もが人間らしく生きる環境を作るため、国連で採択された17個の持続可能な開発目標のこと。
『つボイノリオの聞けば聞くほど』の「SDGsのつボ」コーナーは、小高直子アナウンサーが一見難しそうなSDGsについて、わかりやすく説明しています。
(葉月智世)
 
つボイノリオの聞けば聞くほど
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2022年06月22日11時34分~抜粋

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