つボイノリオの聞けば聞くほど

「言えない」「買えない」…生理の貧困に関する背景と悩み

最近、目にすることの増えた「生理の貧困」という言葉。経済的な理由で生理用品を購入できないなどの問題を指します。なぜいま注目を集めるようになっているのか。その背景は。どんな支援がなされているのか?

4月13日に放送された『つボイノリオの聞けば聞くほど』の「SDGsのつボ」コーナーは、「生理の貧困」について紹介されました。

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生理の貧困って何?

最近「生理の貧困」という言葉をよく耳にするようになっていないか、と問いかける小高直子アナウンサー。

生理の貧困は、経済的な要因で生理用品が買えない状況や、知識や教育が充分ではないために適切な処置ができない状態。
また、羞恥心により購入に躊躇いがあることや、生理の辛さを家族に分かってもらえない状況などを総称したものです。

何となく、発展途上国の話かと思ってしまうかもしれませんが日本も他人事ではありません。

厚生労働省が全国の18歳から49歳の女性3,000人にインターネットを通じて調査したところ、「生理用品の購入に苦労したことがある」という人は全体では8.1%、10代~20代に絞ると12%を超える結果となりました。
 

金銭的な理由と恥ずかしいという気持ち

なぜ生理用品を買えないのでしょうか?

アンケートでは「収入が少ない」「自分のために使えるお金が少ない」「恥ずかしくて買えない」「保護者や同居者に欲しいと言えない・買ってもらえない」といった答えがありました。

「生理で困っている女性がいる」ということは近年問題になっていて、生活支援窓口や女性相談窓口などで積極的に生理用品の配布を知らせる取り組みや、学校のトイレや保健室で気軽に児童や生徒が生理用品を受け取れる仕組みを作った自治体も増えています。

内閣府が去年おこなった調査では、生理の貧困にかかる取り組みを実施している(実施した・実施を検討している)自治体は全体の約32%。

取り組みの内容は、処置に必要なナプキンなどを配布することや、「ここに行けばナプキンをもらえます」と周知すること、生理の悩みを相談できる人が身近にいない人を把握して必要な支援につなげるなどがありました。
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民間企業も支援に動き出す

つボイノリオ「確かに困ってしまう根本に、『相談できない』っていうのもあるんじゃないのかな?『貧困』もあるけど『相談できない環境』っていう2つ考えられますね」

民間企業が支援に乗り出した例もあります。

大手メーカーの大王製紙が、さまざまな理由から生理用品が手に入らなくて困っている児童や学生1000人に、生理用品「elis(エリス)」1年分を無償配布する「奨学ナプキン」と銘打ったプロジェクトをはじめました。

ナプキンを充分に用意できないことで学校生活に不安をかかえてしまう学生をサポートするためのプロジェクトで、インターネットの応募フォームにあるアンケートの回答内容をもとに1,000人を選んで生理用品を送付するとのこと。
応募期間は既に始まっていて、受付は5月20日までです。

つボイ「国や自治体、民間もいろいろ取り組みをしてるんですね。消費税を商品ごとに税率を変えるやつあるじゃないですか。8%にしたらどうかと」
小高「金額的にね、買えない人にはいいですね」

税率の面から支援できないのかという意見もあるとつボイが紹介。

悩んでいる年代層は思春期の10代や20代が多め。「生理用品が買えない、欲しいことが恥ずかしくて相談できない」ということを、これらの取り組みが広がることで少しでも減らしていくことはSDGsの目標3「すべての人に健康と福祉を」などにもつながります。

また、生理痛などの症状は人によって様々。理解し合えるようにしていくことも大切ではと小高が締めくくりました。

「SDGs(エスディージーズ)」とは、「誰一人取り残さない」という考えに基づき、誰もが人間らしく生きる環境を作るため、国連で採択された17個の持続可能な開発目標のこと。
『つボイノリオの聞けば聞くほど』の「SDGsのつボ」コーナーは、小高直子アナウンサーが一見難しそうなSDGsについて、わかりやすく説明しています。
(葉月智世)
 
つボイノリオの聞けば聞くほど
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2022年04月13日11時35分~抜粋

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