つボイノリオの聞けば聞くほど

ウミガメが不織布マスクを誤飲!ポイ捨てが招く悲劇

コロナ禍で手放せなくなった不織布マスクですが、ごみ箱にきちんと捨てていますか?

3月9日に放送された『つボイノリオの聞けば聞くほど』の「SDGsのつボ」コーナーでは、「不織布マスクをウミガメが誤飲したニュース」について紹介されました。

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不織布マスクをポイ捨てした結果

つボイノリオと小高直子アナウンサーが投稿を読み上げます。

「岩手で捕獲されたウミガメが、不織布マスクを誤飲していると初確認されたそうです。
市販のマスクには内分泌かく乱物質(環境ホルモン)の紫外線吸収剤が含まれていると聞きます。ごみはごみ箱にきちんと処理してほしいと思います」(Aさん)

「自らの健康、そして命を守ってきた不織布マスクの後始末すらまともにできないのか、人類は…と嘆きたくなります」(Bさん)

生命を守るためと言っても、使った不織布マスクをきちんと捨てずポイ捨てすると、今度は動物たちに害を及ぼすことになります。

「不織布や金属線(マスクの鼻の部分に入っている金属)のハイブリッド製品の捨て方をSDGsコーナーでぜひ取り上げてください」(Cさん)

ごみの分類に関することを取り上げて欲しいという投稿も届きました。
 

ウミガメが不織布マスクを誤飲

投稿が寄せられたニュースをおさらいします。
昨年8月、岩手県沿岸で捕獲されたアオウミガメの排せつ物に不織布マスクが含まれていることが確認され、東京農工大学と東京大学のグループが発表しました。

過去15年に渡ってウミガメ類の生態調査が行われてきましたが、こういった例は今までなかったと言います。

研究グループは捕獲したウミガメにマスクを見せて、噛みつこうとしたところで取り上げて食べさせないという飼育実験(マスクを食べないように覚えさせる実験)を行った上で、10月に捕獲した場所の近くで放流したそうです。

さらに研究グループは、市販の不織布マスクから生物の内分泌系の働きに影響を与える環境ホルモンが含まれている場合があることも併せて確認しました。

5社のマスクでプラスティック添加剤ベンゾトリアゾール系と呼ばれる紫外線吸収剤の分析を行ったところ、うち4社のマスクから環境ホルモンと指摘されるUV329を含む6種類の添加剤も検出されました。
 

ポイ捨て厳禁!マスクはごみ箱へ

ウミガメから排泄されたマスクに、今回のような環境ホルモンが含まれていたかどうかはわかっていません。
しかし、海の生物たちがこうした環境ホルモンにさらされる可能性があることは間違いありません。

研究グループは「コロナ禍における社会様式の変化が海洋生物にも影響を与え始めていることを示すもの。廃棄物管理の徹底や安全な添加剤の変更といった対策が必要」と報告しています。

小高「マスクや使い捨て手袋は従来からありましたけど、コロナ禍でより日常的になったグッズってありますよね。
こうしたもののポイ捨てや不適切な処理などの流出が問題になってきています。
ごみを見つけたら拾って捨てる人でも、ポイ捨てされたマスクは感染リスクなどもあって…」

つボイ「ちょっと手を出しにくいですね」

不織布マスクの捨て方は、自治体によってルールがあるため一概には言えませんが、多くの自治体では可燃ごみ扱いです。
鼻の部分に入っている金属の分別が気になる場合は、お住まいの自治体の問い合わせ先を調べて聞いてみるのが早い解決につながりそうです。

「SDGs(エスディージーズ)」とは、「誰一人取り残さない」という考えに基づき、誰もが人間らしく生きる環境を作るため、国連で採択された17個の持続可能な開発目標のこと。
『つボイノリオの聞けば聞くほど』の「SDGsのつボ」コーナーは、小高直子アナウンサーが一見難しそうなSDGsについて、わかりやすく説明しています。
(葉月智世)
 
つボイノリオの聞けば聞くほど
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2022年03月09日11時32分~抜粋

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