つボイノリオの聞けば聞くほど

タイトルに「早く絶版になってほしい」?話題の「駄言辞典」

2021年12月19日(日)

カルチャー

誰かを心配したり、気遣ったりして言葉をかけることは珍しくありません。
でも、その言葉は本当に相手に届いているでしょうか?あなたに悪気がなくても、相手を傷つけているかもしれません。

12月15日放送のCBCラジオ『つボイノリオの聞けば聞くほど』では、タイトルに「早く絶版になってほしい」と書かれた話題の書籍を紹介します。

刺激的なタイトル

小高直子アナウンサーが、今日は目標5「ジェンダー平等を実現しよう」に関係した本を持参したようです。

その書籍は『早く絶版になってほしい #駄言辞典』(日経BP刊)なる意味深なタイトルで、今年の6月に出版されました。

聞いていたつボイノリオも頷きつつ、タイトルに首をかしげました。

つボイ「駄言(だげん)ってのが、ちょっと意味がようわからんですけどね」

小高「駄菓子の『駄』に、言葉の『言』ですね」

新刊本なのに「絶版になって欲しい」とは刺激的です。
このタイトルには、「早くこの世の中からなくなってほしい言葉」という願いが込められているとのこと。
 

寄せられた数々の「駄言」

発行元の日経BPと日本経済新聞社では、多様性を阻む古いステレオタイプを撲滅するために、新聞広告を通じて「NIKKEI UNSTEREOTYPE ACTION」を展開しているそうです。

アクションの一環として、2020年11月に世間に対しある呼びかけをしました。

「心を打つ『名言』があるように、心をくじく『駄言』もある。#駄言辞典をつけて、駄言にまつわるエピソードをつぶやいてください。まとめたものは絶版を目指して出版します」

つボイ「こんな言葉なんか早く消えてほしい、必要ないという意味での『絶版』なんですね」

小高「専門家が考えたものじゃなくて、広く自分の心がくじかれてしまった言葉を集めたわけですよ、呼びかけて」

募集が始まると、思い込みによる決めつけで言われて嫌だった言葉が続々と集まったそう。

本書では、集まった言葉をカテゴリ分けし、「女性らしさ」「キャリア・仕事能力」「生活能力・家事」「子育て」「恋愛・結婚」「男性らしさ」の6つに分け、集まった言葉を辞書のようにまとめています。
 

無意識にこそ注意を

実際に本書を読んでみた小高、「これは心をくじかれるようなひどい言葉だな」と感じるものが並んでいた反面、あることに気づきました。

小高「私がびっくりしたのは、『え、これダメなの?』『私、これ言ったことあるな』ってのが割とあったんです。ショックでした」

つボイ「私も同じです。『これ、かなり傷つけてるんやな』と思う言葉が幾つもありましたよ」

どんな言葉があるのか、小高が幾つか読み上げました。

「職場の花」「事務の女の子」「君が男だったらよかったのに」「家事手伝うよ」「男なのに育休取るの?」「旦那さんのお昼ご飯用意してきたの?」等々。

もともとハッシュタグをつけてツイートされた個人の体験をまとめたもの。
言葉によっては、自分は気にならないものもあるかもしれません。

しかし、逆の立場に立って考えると「この言葉に違和感を持ったり、傷ついたりする人がいるんだな」ということが分かります。

つボイが気になったのは「育児が大変なら、他の部署へ異動させてあげようか?」という言葉。
一見、相手を気遣っているようですが、裏には隠れたジェンダー差別感が混ざっています。

これらの言葉は、親切心や気遣いで無意識に言っていることも多いものです。自分の言葉に誰も傷つけていない自信があるという方も、ぜひご一読ください。

「SDGs(エスディージーズ)」とは、「誰一人取り残さない」という考えに基づき、誰もが人間らしく生きる環境を作るため、国連で採択された17個の持続可能な開発目標のこと。
『つボイノリオの聞けば聞くほど』の「SDGsのつボ」コーナーは、小高直子アナウンサーが一見難しそうなSDGsについて、わかりやすく説明しています。
(葉月智世)
 
つボイノリオの聞けば聞くほど
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2021年12月15日11時33分~抜粋
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