つボイノリオの聞けば聞くほど

炭素ビジネスが活発化の兆し、その内容と収入とは

地球温暖化の対策について話し合うCOP26(国連気候変動枠組条約第26回締約国会議)は、11月12日に閉幕しました。
会議では、二酸化炭素の排出と削減を取引するためのルールについても話し合われたようです。

11月17日に放送された『つボイノリオの聞けば聞くほど』の「SDGsのつボ」コーナーでは、「炭素ビジネス」について紹介されました。

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アメリカで炭素ビジネスが盛んに?

小高直子アナウンサーとつボイノリオが、先日まで開催されていたCOP26について振り返っています。

小高「会議で色々決まって、はい終わりじゃないですからね。地球温暖化への意識はしっかり持ち続けないと」
つボイ「これから実行していかなあかんね」

地球温暖化は地球上のわたしたち1人1人の問題。つボイも頷いています。

そんな中、農家の方からの投稿です。

「我が家のようなハウス農家では、重油を燃やして暖房を利用したり、灯油で二酸化炭素を発生させたりしております。最近の燃料高騰は大変です。

アメリカでは『炭素ビジネス』が盛んで、農家が炭素ビジネスで収入が増えたというニュースを聞きました。ハウス農家は炭素の発生分も払わないといけなくなるのかと思いますけど…」(Aさん)

ここで聞き慣れない「炭素ビジネス」という言葉が出てきました。
 

炭素ビジネスの仕組み

「炭素ビジネス」は、温暖化ガスをただ排出するだけではなく、ビジネスに活かしていこうという取り組みのこと。現在、その方法について模索されています。

例えば工場などで出た二酸化炭素(以下、CO2)をそのまま空気中に排出せず、回収してCO2を原料にしたり、製造過程で必要とする企業に売ったり、商品化するというものだそう。

確かに、何もせずただ空気中にCO2を放出すると温暖化が進んでいくだけ。
回収して再利用できれば、排出量を減らせる可能性も出てきそうです。

他には、農地で空気中のCO2を吸収する植物を育てた農家が、育てたことで得たCO2の削減分を「炭素クレジット」として、CO2を排出する企業に売却。
「炭素クレジット」を買った企業は、CO2を削減できたことにするというもの。

企業がお金を出して「炭素クレジット」を買うことによって、排出しているCO2を相殺することができるという考え方のようです。

この売買の仕組みを使い、アメリカでは4年間分で日本円にすると4,000万円の収入を得た農家があったことがニュースになりました。
 

温暖化ガス削減を分け合う制度

温暖化ガス排出の二国間クレジット制度(JCM)もあります。この二国間というのは主に新興国と先進国のことです。

例えば、先進国が優れた脱炭素技術を備えた工場システムを新興国に支援。支援したことで温暖化ガスが削減された場合は、その成果を両国で分け合う制度になっています。

新興国が自力で研究して温暖化ガスを削減していくよりも、もともと技術の発展している先進国が協力してお互いの努力で削減を促し、成果を分け合おうという試みのようです。

この二国間クレジット制度についてはCOP26でも議題に上がっています。

COP26では、削減プロジェクトをおこなった国と、クレジットを買った国とで削減実績を二重計上することを防ぐ仕組みの採用も決まりました。
実効性を持たせるため、具体的な仕組みの運用にも言及されたとのことでした。

つボイ「国内で削減の努力もしつつ、地球全体をひとつの目線で捉えて国際協力でも進んでいく形になればいいですね」

炭素ビジネスや二国間クレジット制度については、急拡大しているもののルールを模索している段階です。利益重視ではなく、地球に優しいルールになればいいですね。
「炭素ビジネス」についての紹介でした。

「SDGs(エスディージーズ)」とは、「誰一人取り残さない」という考えに基づき、誰もが人間らしく生きる環境を作るため、国連で採択された17個の持続可能な開発目標のこと。
『つボイノリオの聞けば聞くほど』の「SDGsのつボ」コーナーは、小高直子アナウンサーが一見難しそうなSDGsについて、わかりやすく説明しています。
(葉月智世)
 
つボイノリオの聞けば聞くほど
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2021年11月17日11時32分~抜粋

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