つボイノリオの聞けば聞くほど

地球温暖化を抑える会議で日本が受賞した「化石賞」とは?

地球温暖化による気候変動は、日本だけでなく世界共通の緊急課題。
世界各国の首脳陣が集まって何とか温暖化を食い止めようと話し合う場で、日本は「化石賞」を受賞しました。

いったいどんな評価を受けたのでしょうか。

11月10日に放送された『つボイノリオの聞けば聞くほど』の「SDGsのつボ」コーナーでは、「COP26で日本が化石賞受賞」について紹介されました。

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地球温暖化を抑える会議

小高直子アナウンサーが「いまニュースでいろいろ入ってきてますよね」と現在イギリス北部のグラスゴーで開催されている国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)について話しはじめました。

10月31日に開幕したCOP26は11月12日まで開催されます。

会議の目的のひとつに、世界が力を合わせてパリ協定の時に決めた目標を実現しようという課題があります。
パリ協定は、2015年にパリで合意した2020年以降の気候変動問題に関する国際的な枠組みのこと。

日本で1997年に定められた京都議定書ですが、パリ協定は京都議定書の後継として制定されました。
世界の平均気温上昇を21世紀末時点で、産業革命以前に比べて1.5℃以内に抑える努力をするという内容になっています。
 

増え続ける温暖化ガス

COP26では、パリ協定の目標に対して各国の実施状況や目標達成度合いなどについて話し合われています。

パリ協定の目標は21世紀末を最終的なゴールにしていますが、期間が長いため中期的な目標を立てています。2030年時点の温暖化ガス排出量を2010年比で、45%削減しようという目標を立てていましたが、この目標の達成も危うい状況に陥っています。

小高「2021年10月25日時点での集計では、2030年の世界の温暖化ガス排出量は減るどころか16%も増えちゃってるんです」

つボイノリオも、具体的な達成状況を聞いて唸るしかありませんでした。
このままだと、21世紀末時点での目標達成は遠い夢になってしまいます。

つボイ「ちょっと心配やね」
小高「いま本気でやらなきゃ無理ですよ。だから若い人がデモしたり、各国が話し合ったりしているんです」
 

日本は不名誉な賞を受賞

COP26開催中の11月2日、日本は化石賞を受賞しました。

化石賞は、気候変動に取り組む世界130か国の1500を超えるNGOのネットーワーク「CANインターナショナル」が、その日の国際交渉の中で、温暖化対策に特に消極的だった国に贈る嬉しくない賞。受賞は不名誉なことです。

日本が受賞した理由は、首脳級会合に登壇した岸田総理大臣が、水素やアンモニアを利用した「火力発電のゼロ・エミッション化」の名の下に、石炭をはじめとした火力発電の維持を表明したから。
「ゼロ・エミッション」は、環境に影響を与える廃棄物をゼロにすることを言います。

日本の姿勢と反対に世界の主要国は、石炭火力廃止に傾いています。
特に、議長国イギリスのジョンソン首相は、120か国の首脳を集めてリーダーズサミットを開催。
「先進国は2030年まで、途上国は2040年までに石炭火力の廃止」と、明確な期限を設けて廃止を迫りました。
 

いまの日本の火力発電所

「日本の火力発電所は高効率と思ってたので、化石賞には違和感がありました。でも日本には発電効率が悪い古い火力発電所が数十基あり、今後対策を考えないといけないほどだそうです」(Aさん)

日本も、今年4月に経済産業省が規制を強化するなど対策は取っていますが、あくまでも火力発電維持が前提。
今後、日本が温暖化ガス削減にどのように向き合っていくのか正念場に差し掛かっていると言えそうです。

「COP26で日本が化石賞受賞」についての紹介でした。

「SDGs(エスディージーズ)」とは、「誰一人取り残さない」という考えに基づき、誰もが人間らしく生きる環境を作るため、国連で採択された17個の持続可能な開発目標のこと。
『つボイノリオの聞けば聞くほど』の「SDGsのつボ」コーナーは、小高直子アナウンサーが一見難しそうなSDGsについて、わかりやすく説明しています。
(葉月智世)
 
つボイノリオの聞けば聞くほど
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2021年11月10日11時33分~抜粋

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