つボイノリオの聞けば聞くほど

フェルメールは「逆・水木しげる」ってどういう意味?

巨匠フェルメール初期の作品『窓辺で手紙を読む女』が3年の月日を経て修復され、女性の背後の壁の中に、愛の天使・キューピットが復活しました。

9月13日放送の『つボイノリオの聞けば聞くほど』では、つボイノリオと小高直子アナウンサーが、このキューピットについて好き勝手に読み解きました。

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フェルメールの死後に消された

1979年に行われたX線分析で、『窓辺で手紙を読む女』の中に、キューピットの画中画があることが明らかとなっていました。

壁にキューピットを描くことで、女性が読んでいる「手紙」がラブレターであることを視覚的に表現したとされています。

このキューピットは、フェルメール自身が塗りつぶしたものだと思われていました。しかし2017年の調査で、フェルメールの死後、何者かによって上塗りされたものと判明しています。

「どうして消したのかが、まだ謎。消した方が絵的にいいと思ったかもしれないし、別の意図があったかもしれない。そこはわからない」と小高。

当時流行りだったレンブラントの絵により近づけるために、消したのではないかという説もあるそうです。
 

ラブレター?請求書?

「両方の絵を見ましたけれども。実物じゃないですよ(笑) 当たり前や」と、つボイ。そんなつボイの感想は、「消したほうがええんとちゃうかな」

つボイ「フェルメールには大変失礼な話ですけど。そんなことをちょっと思ってしまいました」
小高「暗い壁が一面広がるので、窓との対比ははっきりするし。ごちゃっとしたところが、すっきりするので、シンプルな美しさがあったりしますね」

「キューピットの絵がなくても、女性が読んでいる手紙がラブレターだと読み解く選択肢もある」とするつボイに対して、「『また請求書、高いな』と思って見てるかもしれないじゃないですか」と、なんとも現実的な見方をする小高。
 

フェルメールは「逆・水木しげる」

「フェルメールもフェルメールで、1枚の絵の中に絵を描かんでも。2枚にしたら2枚売れるやん!」

小高は、ますます夢もロマンもないことをのたまいます。

つボイ「(笑)あの掛けてある絵に意味があるんで」
小高「1個別の天使にしたら、『お安ぅしまっせ!』って売れるやん!」
つボイ「(笑)んなことは思わへん」

一方つボイは、「中心になる人物は一生懸命描くんです。背景はわりとぼんやり描く」というフェルメールの評論を読んで、「逆・水木しげるやな」と思ったといいます。

つボイが思い浮かべたのは、水木しげるさんの漫画によく登場する「メガネをかけたサラリーマン」

「ええ加減な顔やん!そのバック、めっちゃくちゃしっかり描いてあんのや!村の外れの墓地の絵はしっかり描いてあるけど、サラリーマンはペロって描いてある」と、声高に語るつボイ。

フェルメールは「逆・水木しげる」、水木しげるは「逆・フェルメール」だというのです。
 

推敲の跡から見えるもの

キューピットについては本人が塗りつぶしたものではないと判明しましたが、フェルメールは絵に幾度も絵を重ねることで知られていました。

「X線を通すことで、『こういう積み重ねでこの絵があるか。最初はこうだったけど消したんやな』という見方ができる」と、つボイ。

「今の、たとえばコンピューターグラフィックなんかで作った絵は、できた作品しか残ってなかったとしたら、それがもうわからへんやろうな」

つボイは、現代の方法では「推敲の跡」を通して「塗り重ねの向こう側にあった作者の気持ち」を味わうことができないと残念がります。
 

キリストのふんどし

「キリスト像にふんどしを描いた人がいるんですよ!」とつボイ。

「全裸で十字架に貼り付けになっているところに『これはいかん!ふんどしを描け』と命令された人がいて、『世界一の駄作』といわれてますが。フェルメールのこれを消した人はね、いいセンスしてると違うかなと(笑)」

つボイは、キリストにふんどしを足した人は非難されてしかりだが、フェルメールのキューピットを消した人は賞賛に値すると語ります。

「宗教的なものでしょうけど、美術的には余計なことをしてまうという。まさにフェルメールまで水木しげるまで、いろいろなことがわかるわけでございます」と締めたつボイでした。
(minto)
 
つボイノリオの聞けば聞くほど
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2021年09月13日10時47分~抜粋

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