つボイノリオの聞けば聞くほど

こどもが予防接種を受けられない?新型コロナウイルスの深刻な影響

日本では、こどもが生まれると年齢に応じて計画的に予防接種を受けられるよう、国や自治体が促してくれたり、学校で集団予防接種を受けたりします。

その反面、世界には日本のように予防接種が受けられないこどもたちも多数います。

7月28日に放送された『つボイノリオの聞けば聞くほど』の「SDGsのつボ」コーナーでは、こどもたちが受ける定期予防接種の遅れについて紹介しました。

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子どもにしわ寄せが

小高直子アナウンサーがこの件を紹介します。

「新型コロナウイルス流行の影響で、こどもたちの定期予防接種に遅れが出ているそうなんです」

7月15日にユニセフ(国際連合児童基金)から、2020年度に基本的なワクチン接種を受けられなかったこどもは2,300万人だったことが明らかにされました。2019年度よりも370万人増えてしまったそうです。

紛争が発生していたり、政治的に不安定だったりする影響のある国・地域は、ワクチンへの対応が難しくなりがち。
結果的に、新型コロナウイルス流行でさらにワクチンの対応が後回しになり、特に東南アジア地域・東地中海地域が最も影響を受けたそうです。
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ワクチン接種を受けられない影響

昨年は、ワクチン支援を受ける必要のある国への輸送遅れが発生して支援が中断した、というニュースを記憶されている方も多いでしょう。

他にも、新型コロナウイルスのパンデミックへの対応やこどもたちへの基本的なサービスケアが中断してしまった国も多くありました。

ワクチンが行き届かないことによって、ジフテリア・破傷風・百日咳・はしかといった本来ならワクチンで予防可能な病気が復活するリスクが心配されています。

ユニセフをはじめ、WHO(世界保健機関)やギャビー・ワクチンアライアンスといった機関は、これまで地道に積み上げてきたワクチン普及の努力を無駄にせず、こどもたちを感染症から守る活動を実施。
予防接種キャンペーンの復旧・パンデミック中に予防接種を受けられなかった人々を特定するといった活動を支援しているそうです。
 

日本も他人事ではない?

実は、こどもたちへの予防接種が遅れているのは外国だけの話ではありません。

日本でも、新型コロナウイルスの流行でこどもを病院へ連れていくことをためらってしまう親が急増。予防接種の時期を遅らせるケースが増えているそうです。
親の気持ちもわかりますが、必要な予防接種や検診は受けさせなくてはいけません。

そこで厚生労働省が『遅らせないで!子どもの予防接種と乳幼児健診』というリーフレットを作り、親の判断で予防接種を中止することのないように呼び掛ける事態に。

予防接種や乳幼児健診はこどもが感染症にかかりやすい年齢などをもとに、一番必要な時期に受けられるよう市区町村が知らせています。

特に赤ちゃんへの予防接種を遅らせてしまうと、免疫がつくのが遅れ、重い感染症になるリスクが高くなる恐れもあるので危険です。
 

予防接種を予定通り受けるのは大変

もし、新型コロナウイルスの流行がなかったとしても、平時からスケジュール通り予防接種を受けていくのは大変なことです。

こどもは体調を崩しやすく、親も忙しかったり体調を崩したりするため、親子両方のタイミングを揃えるのは難しい面もあります。

赤ちゃんは予防接種の種類も多くて大変ですが健康に成長するためには必要なこと。小学校・中学校になっても追加で予防接種の案内が来ることもあるので、見逃さずに受けていきたいところです。

ずっと真剣に話を聞いていたつボイノリオ。

「今回の話と関連するかわからないけど、先日から不要になった服をまとめて送ってるんです。ワクチンを受けられなかった人へ向けた費用に充てられるみたいで」

この不要な服を送っている先がどういう活動をしているのか、改めて調べて後日報告したいと話しました。

定期ワクチン接種は、長い目で見ても感染症の予防など公衆衛生に不可欠なこと。ワクチン接種で少しでも、感染症で命を落とすこどもが減ってほしいものです。

「SDGs(エスディージーズ)」とは、「誰一人取り残さない」という考えに基づき、誰もが人間らしく生きる環境を作るため、国連で採択された17個の持続可能な開発目標のこと。
『つボイノリオの聞けば聞くほど』の「SDGsのつボ」コーナーは、小高直子アナウンサーが一見難しそうなSDGsについて、わかりやすく説明しています。
(葉月智世)
 
つボイノリオの聞けば聞くほど
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2021年07月28日11時32分~抜粋

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