つボイノリオの聞けば聞くほど

3Dプリンターでステーキが作れる!?代用肉の現在

わたしたちが普段から口にしている肉。肉は、鳥・豚・牛などの動物を育て、処理して販売されますが、とても環境に負担がかかっています。
近い将来、本物の肉はキャビアやトリュフのような高級品になり、肉に似せた代用品が当たり前になるかもしれません。

7月14日に放送された『つボイノリオの聞けば聞くほど』の「SDGsのつボ」コーナーでは、代用肉について紹介しました。

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代用肉って何?

小高直子アナウンサーがつボイノリオに質問しました。

「代用肉って聞いたことありますか?」

わからないようで、答えられないつボイに代わり、説明を始めました。

小高「代用肉は、動物の肉以外の材料で作られたお肉っぽい食品のことです」

つボイも、とても興味を持ったようで「へぇ~!」と前のめりな様子。

近年、肉の生産で排出される温室効果ガスの量が問題視されています。例えば、牛のゲップに含まれるメタンなどが有名です。
研究の結果、現在地球から排出されている温室効果ガス全体のうち、約15%が畜産由来だとされているそうです。

最近では飼育管理・糞尿処理・餌となる穀物の生産・輸送の時などに出る温室効果ガスをひっくるめて計算する研究が各国で行われています。
 

地球環境を第一に考えると…

国連食糧農業機関(FAO)が「動物を育てて食料にすることが、世界的な環境問題の原因になっている」と指摘しています。

他にも、オックスフォード大学では「今世紀中に地球の気温上昇を2℃以内に抑えようとするなら、牛肉はこれまでの消費量の75%減、豚肉は90%減にしなければならない」という試算を発表しました。

あまりにも大きな減量幅に、つボイは「これは、ちょっとすごい数字ですね…」と絶句。

小高「環境のことだけを考えると、計算上ではこういう結果になるんですね」

確かに環境問題は大切ですが、肉好きにとっては由々しき事態。
そこで、最近注目されているのが代用肉というわけです。
 

代用肉の材料とは

代用肉と聞くと、一体何でできているのかよくわからず気になります。

小高「代用肉の材料としてよく知られているのは、植物由来のものですね。例えば大豆ミート。これは字の通り、畑のお肉である大豆ですね」

大豆を使ってお肉らしい食感を再現したもので、日本のハンバーガーチェーンなどでもメニューに取り入れる店が増えてきているそうです。

コメダ珈琲店は去年7月、銀座に動物性原料を使わないメニュー展開をする、新しい業態の「KOMEDA is」という店舗をオープンしています。

他にも、エンドウ豆を利用した代用肉や小麦のたんぱく質を使ったグルテンミートなんてものも出てきているそう。

動物由来の原料でできた代用肉もあり、バイオテクノロジーを利用して牛や豚から細胞の一部を取り出し、人工的に培養して作る培養肉。

さらにイスラエルではベンチャー企業が培養肉を材料に、3Dプリンターでステーキを再現することに成功したというニュースもあります。
 

増え続ける肉需要に応えるために

つボイ「培養肉が一番肉の味に近そうですね」

昆虫食も、今後はより肉に代わるタンパク源として出てきそうです。肉の需要が今後増え続けても応えられるように様々な研究が進んでいくと思われます。

小高「畜産業の省エネ化と同時に、代用肉の研究で世界の環境問題と食糧問題に対応できるといいですね」

ちなみに、肉の需要増は人口増加も理由のひとつですが、開発途上国等の経済発展で食生活の変化が起こり、肉食が増える傾向が強く出るためという理由も大きいのです。
近年は中国やインドなど人口大国の食肉需要が増大したという面も。

日本も振り返れば、太平洋戦争の後は高度経済成長と同時に肉食が大きく増えた歴史を辿っています。
近い将来、本物の牛肉や豚肉が超高級な食材に代わる日が来るのかもしれませんね。

「SDGs(エスディージーズ)」とは、「誰一人取り残さない」という考えに基づき、誰もが人間らしく生きる環境を作るため、国連で採択された17個の持続可能な開発目標のこと。
『つボイノリオの聞けば聞くほど』の「SDGsのつボ」コーナーは、小高直子アナウンサーが一見難しそうなSDGsについて、わかりやすく説明しています。
(葉月智世)
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つボイノリオの聞けば聞くほど
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2021年07月14日11時36分~抜粋

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