つボイノリオの聞けば聞くほど

『進撃の巨人』が「東大生が選ぶ勉強になる漫画」に選ばれた理由

11年7か月に渡って連載された、諫山創(いさやまはじめ)さんの人気漫画『進撃の巨人』。最終巻となる34巻が9日に発売され、話題となりました。

6月16日放送の『つボイノリオの聞けば聞くほど』では、『進撃の巨人』が「東大生が選ぶ勉強になる漫画ランキング」で6位に選ばれた理由について、3巻まで読んだ“にわか”ファンの小高直子アナウンサーが解説しました。

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まだ3巻までですが

『進撃の巨人』は、人を捕食する謎めいた巨人が支配する世界を描いたダークファンタジー。

漫画を読んだことがなくても、「筋肉むき出しの顔をした巨人が、壁の向こうから街を覗く」という印象的なシーンを想像できる人が多いのではないでしょうか。

ストーリーを一言でいうと、「人を襲う巨人と戦う」というもの。これだけ聞くと荒唐無稽なファンタジー漫画に思えますが、実際は東大生が「勉強になる漫画」と評価している作品です。

このニュースで興味を持った小高は、早速購読を開始!しかし、まだ3巻までしか読んでいない「ピヨピヨピヨ子」だといいます。

「読んだ方からすると『何を浅いことを言っているんだ』と思われるかもしれませんが、そこはご容赦していただきながら」と解説を始めました。
 

「あいつらを駆逐してやる!」

今年5月に放送されたテレビ番組で、「東大生500人に聞いた勉強になる漫画」の第6位に選ばれた『進撃の巨人』。

ちなみに、1位~5位は『ドラえもん』『ドラゴン桜』『名探偵コナン』『ワンピース』『はたらく細胞』。

『進撃の巨人』が選ばれた理由として、「世界史の勉強になる」という意見がありました。

「漫画を読んでいない人からすると、巨人をやっつけて『やったー!勝った!』で終わるのかなと。そんな単純なお話じゃないんですね」と小高。

人類は、天敵である巨人から身を守るための巨大な3つの壁を築いて、100年の平和を手にしていました。しかし人類を守ってきたその3重の壁のひとつが、超大型巨人と鎧の巨人によって破壊され、その平和は壊れてしまいます。

母親を巨人に食べられてしまい、復讐を誓う主人公エレン。「あいつらを駆逐してやる! この世から……一匹残らず!」というセリフは、アニメファンの間で有名です。
 

「主人公=正義」ではなくなる

読者は最初、エレンに共感して、巨人を悪者として読み進めます。ところが物語が進むにつれ、謎に包まれていた巨人の姿が徐々に明らかになります。

壁の外にも人間の世界があったことがなどわかってくると、この話は「巨人 対 人間」という単純なストーリーではなくなり、巨人の存在とその謎、また巨人と利用することを巡る「人間 対 人間」の戦争の話になっていくのです。

「お互いに恨みを持ち続けていたことが明らかとなり、主人公=正義という簡単な図式ではなくなる。このあたりの流れが、世界史の勉強になると東大生は思ったということなんです」と説明する小高。

ストーリー全体を追うことで、「民族間の扮装はなぜ起こるのか。それがなぜ世界的な戦争につながっていくのか。なぜ歴史は繰り返されるのか」といった、大きな目線で見た歴史の生まれ方がこの漫画の中に見えてきます。

登場人物ひとりひとりの個人としてのストーリーと、集団や組織での立場を踏まえたストーリー、そして心の動きを見ていくことで、「戦争がなかなか止められないのはなぜか」ということもなんとなく想像することができるということです。
 

「エレンが大きくなっちゃった!」

「この漫画の試みは、冒頭で敵と被害者を単純化して見せ、読者に主人公の暴力を正当化させるように読ませることでした。そして主人公側に感情移入したまま、主人公が加害者として現れる。そこで読者によって感想が別れる。そんなものを描くことが理想でした。今回その部分こそを評価していただいた東大生の方々の感想に報われる思いがあります」

これは、『進撃の巨人』が「東大生が選ぶ勉強になる漫画6位」に選ばれた時の、作者・諫山さんのコメントです。

3巻までしか読んでいない小高は、まだ「あっ、エレンが大きくなっちゃった!」の状態。

それでも「これから先、ものすごい深い話になるんだろうなという片鱗は感じ取れはしました」と、続きを読むことを楽しみにしている小高でした。
(minto)
 
つボイノリオの聞けば聞くほど
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2021年06月17日11時09分~抜粋

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