つボイノリオの聞けば聞くほど

ゴミのリサイクル率8割以上、ゴミ収集車がない街ができた

ごみの分別と聞くと、正直「めんどくさいなぁ」と思うのが人間。もちろん、誰もが環境のためにある程度ごみの分別は日常的にしていますが、「できれば、楽したい」というのが本音だったりします。

5月26日に放送された『つボイノリオの聞けば聞くほど』「SDGsのつボ」コーナーでは、生ごみ以外を徹底分別している徳島県上勝町(かみかつちょう)が紹介されました。

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ごみゼロ宣言を行った町

小高直子アナウンサーが「徳島県上勝町では、生ごみ以外をなんと45種類に分別してリサイクルに役立てている」と紹介。

聞いていたつボイノリオが思わず「ちょっと待って…」と混乱してしまいました。

つボイ「今想像したんだけど、45種類に分けるの?」

聞いただけで、頭が痛くなってしまいそうな分別の数です。

上勝町は、人口約1500人の小さな町。
2003年に日本の自治体として初めてごみの焼却・埋め立て処分をなくす『ゼロ・ウェイスト(Zero=0、Waste=廃棄物)宣言』を行ったそうです。
現在では「エコ先進自治体」と呼ばれるまでになりました。
 

生ごみ以外は45種類に分別?!

ごみのリサイクルは、現在どの自治体や企業でも取り組んでいます。しかしリサイクル率はごみの種類にもよりますが、なかなか上がらないのも実情です。

前述の『ゼロ・ウェイスト宣言』を行った上勝町では、現在リサイクル率81%を達成。
「すごいですね」と感心する小高とつボイ。

生ごみは家庭や事業所でコンポストを利用してたい肥に。
それ以外のごみは、13種類45分別と細かく分別しているそうです。分別されたごみは、リサイクルはもちろん、リユースも積極的に活用。
譲ったり、再生させたりと、徹底しています。

徹底してリサイクルするためには、前述の通り分別が重要になってきます。
「え、めんどくさくないの?」と思ってしまいます。

2017年に上勝町が行ったアンケートでは、住民の約74%が「ごみの分別は、もう習慣です」と考えているという結果が出たんだとか。
町の住民たちは、面倒と思うどころか「分別は当たり前だし、大丈夫」と思っているようです。

わたしたちは、ごみ収集日に決められた場所にごみを出し、収集車が集めるのが日常です。しかし、上勝町には、ごみ収集車はありません。

住民たちは、生ごみ以外を自家用車などで町のごみステーション(上勝町ゼロ・ウェイストセンター)に持ち込みます。自分でごみの運版が難しい高齢者などは、町が無料で定期的に運んでくれる制度があるそうです。
 

建物の形の秘密

上勝町ゼロ・ウェイストセンターは複合施設。空から見下ろすと、建物が「?」の形になったユニークな形になっています。

「?」の形になっている理由は「なぜそれを買うのか?なぜそれを捨てるのか?なぜそれを作るのか?なぜそれを売るのか?」とわたしたち消費者や生産者に問いかけているから。

センターの一番下、ピリオドみたいな丸い建物には宿泊施設になっています。
「世界で最も美しいゴミ捨て場に咲く、一輪の花のようなホテル」と謳っているお洒落な建物をしたホテルです。
宿泊の際はチェックイン時にいくつかのごみ箱と、その日使う石鹸を切ってもらい、宿泊中に出たごみは、チェックアウトした後説明を受けて実際に分別するそう。

「めんどくさそう」と思っていたつボイも、体験してみたくなった様子。
考えるより、やってみることでわかることも多いかもしれません。

「SDGs(エスディージーズ)」とは、「誰一人取り残さない」という考えに基づき、誰もが人間らしく生きる環境を作るため、国連で採択された17個の持続可能な開発目標のこと。
『つボイノリオの聞けば聞くほど』の「SDGsのつボ」コーナーは、小高直子アナウンサーが一見難しそうなSDGsについて、わかりやすく説明しています。
(葉月智世)
 
つボイノリオの聞けば聞くほど
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2021年05月26日11時32分~抜粋

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