つボイノリオの聞けば聞くほど

災害情報の「避難勧告」が廃止!理由は言葉のせい?

5月16日頃、観測史上2番目の速さで梅雨入りした東海地方。

本格的に大雨が降る前に、命を守るためにぜひ知っておいてほしいことがあります。

5月20日放送『つボイノリオの聞けば聞くほど』では、気象予報士の沢朋宏アナウンサーが、例年とは異なる今年の梅雨について解説しました。

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「避難勧告」廃止 その理由は?

梅雨入りから梅雨明けまでの平均期間は約40日。

そのまま今年の梅雨に当てはめると、梅雨明けは6月28日ぐらいになることになり、7月は毎日ずっと暑い状態に……なんてことはほぼ考えられないそうで、今年はおそらく記録的な長い梅雨になりそうとのことです。

そうすると、今年は水害が心配になってきますが、そんな年に偶然、日本では災害情報に関する重要な法律が一部改正されました。

今まで災害が起きる際に「避難勧告」が出されるケースがありましたが、これが20日から廃止されました。

といっても、もちろん避難をせずに自力でがんばれ、あるいは自分で考えて避難しろという意味ではありません。

これまでは、「避難準備」が出された後に「避難勧告」が出て、「避難指示」という段階を踏んでいたのですが、今後は避難勧告がなくなり、いきなり避難指示が出ることになります。

なぜなら、避難勧告を出しても避難する人が多くなかったためで、「勧告」というのがお勧め程度と思われていたからかもしれません。

そして、今までは避難勧告レベルだった状態で、避難指示が出るようになるとのことです。

伝えていること自体はあまり変わらないのですが、言葉のイメージによって人のとらえ方は変わるという一例かもしれません。
 

避難の方法は1つではない

普段から避難指示を出されたらどうするのかを考えておく必要があり、避難所がどこにあるのか、どうやっていくのかを押さえておくのは大事なことです。

しかし、実は避難所に住民全員は入りきれません。

そのため、国としては、災害から身を守り切れる場所に逃げられれば、それが避難と定義しています。

沢「すなわち、(災害により)水が出そうな時だったら、私はマンションの3階より上に住んでるから何とかなるかなとか、それなら自宅にいることが避難なんです。

もしくは、ちょっと水に浸かっちゃいそうだなとなるなら、避難所に行くか友達親戚の家に行く、車などでちょっと高い所に停めて、そこの車の中で一夜を明かす。

また、ウチの家は拓けてるから水に浸かる可能性は高くない、ただ裏には山があるな、ならば今日は寝室は北側にあるけど、南側の客間で寝ようとか。

これも避難であるという形で、避難=避難所へ行けというわけではない」

災害の種類によっては、避難所に行くことがむしろ危険になるケースもありますので、さまざまな種類の災害に応じた対策を練っておく必要がありますし、実際に災害が起きたら、その時々の状況に応じた判断が必要になるというわけですね。
(岡本)
 
つボイノリオの聞けば聞くほど
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2021年05月20日11時11分~抜粋

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