つボイノリオの聞けば聞くほど

気にしなくてもいい便秘と気にした方がいい便秘。その違いは?

食べたものを消化する胃や腸は、私たちの健康と切っても切れない関係にあります。

『つボイノリオの聞けば聞くほど』のコーナー「健康のつボ」では、そんな胃腸の病気について取り上げています。

5月19日放送で取り上げたのは、「大腸の病気」について。

一宮西病院 胃腸科部長 消化器内視鏡副センター長の東 玲治(ひがし れいじ)先生にお話を伺いました。

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便が“おなじみの形”になるまで

大腸の主な仕事は、便を作ることです。

右側の「上行結腸」では、まだ便はどろどろの状態。
お尻に近くなるにつれて水分を吸収して、「S状結腸」から「直腸」にかけて便が硬くなります。

「ということは、上行結腸ではまだ“おなじみの形”になっていませんが、S状結腸まで来ると、僕らが慣れ親しんだ。ああいう形になっているわけですね」と、想像するつボイノリオ。

一方、小高直子アナウンサーが気になっているのは、腸の中に存在する菌について。

「腸の中には大腸菌や乳酸菌など、100種類以上の細菌が存在しています」と東先生。

胃や小腸で消化されない食物繊維をエネルギー源に分解したり、感染を予防したりという働きを腸内細菌が担っているそうです。
 

若者に激増!「炎症性腸疾患」

とても大切な器官である腸。そんな腸には、一体どんな病気があるのでしょうか。

一般的に多くみられる腸の病気は、感染性胃腸炎や大腸がんなど。
そして最近若い世代に増えているのが、「炎症性腸疾患」です。

血便、下痢、腹痛といった症状が現れるこの病気は、この20年間で約5倍に。
元々欧米に多かった病気ですが、日本でも最近急激に増えてきているといいます。

免疫の異常で起こる病気ですが、はっきりとした原因はまだ分かっていません。
食事や環境、遺伝的な要素も絡んでいるのではないかと言われているそうです。

根治療法はなく、現時点では一生付き合っていく病気とされています。
 

便秘の定義とは?

一般的に、最も多い腸のトラブルといえば便秘。

「便秘は病気なんですか?」と尋ねる小高に、「すごい難しい質問」と東先生。

東先生によると、医学的な便秘の定義は「本来体外に排出すべき糞便を、十分量かつ快適に排出できない状態」。

便が腸の中にない場合は出す便がないため快便とはなりませんが、これは便秘とはいえません。食べる量が少なければ、便も少ないのは当たり前のこと。

この場合、便が出なくても医学的には便秘ではないということです。

便秘の定義は「排便回数が週2回以下」。しかし実際は「毎日出るのが当たり前」と思っている方が多いんだとか。

東先生は患者さんに「毎日じゃなくても便秘じゃないんで、あまり気にされない方がいいですよ」と伝えているそうです。
 

気にした方がよい便秘

とはいえ、中にはもちろん「気にしたほうがよい便秘」もあります。

例えば腹痛などの症状が出てきた場合は、「便秘症」という病気の診断になります。

大腸がんが進むと大腸の道が細く狭くなるため、便が出にくくなり便秘になる方もいます。

このように、便秘には大きな病気が隠れている可能性もあるのです。

毎日出ないからといって即便秘、即病気ということではなく、問題は排便のときに苦しいかどうかということ。

食べていなければ便が出ないのは当然。

逆に「こんなに食べているのに出ないのはおかしい」という場合は、病気が隠れている可能性があるというわけです。
(minto)
 
つボイノリオの聞けば聞くほど
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2021年05月19日10時32分~抜粋

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