つボイノリオの聞けば聞くほど

ミツバチの哀しき一生。働き蜂、女王蜂、雄蜂の知られぜる生態

5月4日放送の『つボイノリオの聞けば聞くほど』、この日の休日特集は「種とミツバチ」。

ミツバチの群れは、働き蜂・女王蜂・雄蜂の3種類のミツバチの3種類で構成されていて、それぞれが異なる働きをしています。

知られざるミツバチの生態について、知多半島で自然農を営み、ミツバチの養蜂も行っている環境活動家の白金丈英さんにお話をうかがいました。

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仕事が変化する働き蜂

まずは働き蜂から。

その名の通り“働き者”の働き蜂は、羽化してからの日数によって、内勤・門番・外勤と仕事の分担が変化していきます。

「蜜を集めに行くハチは、人間では何歳ぐらいだと思いますか?」という白金さんの質問に、「外回りでは体力を使うから、一番働きざかり」「20~40歳くらい」と、若いハチであろうと想像する小高直子アナウンサーとつボイノリオ。

しかし、実は“蜜集め”という大切な外勤の担当は、なんと「おばあちゃん」なんだとか。

働き蜂は、メスのみ。羽化後は掃除係から始まり、子育て、熱払いと仕事が変化していきます。

熱払いとは、巣の中を冷やすために打ち水をする仕事。扇風機のように羽で空気を送る仕事です。

この後、巣を作る仕事、蜜を貯める仕事と続きます。ここまでが「内勤」の仕事です。
 

おばあちゃんが「外勤」の謎

蜜・花粉集めが「外勤」で、その中間が「門番」にあたります。

「内勤は若い子、門番はおばちゃん、外勤はおばあちゃんというイメージ」と白金さん。

「おばあちゃんはお掃除が上手やから、お家の中でお掃除やったら綺麗になるし。若い人が羽の力でバーンと遠くまで行ったら」と、人間の世界にあてはめてどうも納得ができない様子のつボイ。

しかし、これにはシビアで現実的な理由がありました。
外勤は外敵に遭う確立が高いため、おばあちゃんが犠牲になることで、種を維持しているというのです。

ミツバチの寿命は約1か月。このわずか1か月の間に、仕事がどんどん変わります。

「本当に働き蜂ですね、だから働き蜂っていうんですね」と納得の小高。
 

女王蜂の座をめぐる女の戦い

続いては女王蜂について。

女王蜂と働き蜂の違いは、幼虫の時に与えられる餌と、巣の大きさ。女王蜂になる蜂にはローヤルゼリーが与えられます。

しかし、女王蜂に育てるための部屋(王台)が巣の中に複数作られた場合、最初に生まれた女王が、後から生まれた女王を殺してしまうのです。

このように、巣には必ず最強の1匹が残るようになっています。

小高「どろどろな女の戦いドラマになりそうな感じですけど」
つボイ「中国やら韓国やらの王宮もの」

より強い種が残るシステムというわけです。
 

一生卵を産み続ける使命

2匹の女王が共存することはできないため、新たな女王蜂が生まれると、古い女王蜂は巣から出て行きます。

「これは、おばあちゃん蜂が外勤の仕事をすることと同じ」と白金さん。種の保存のため、新しい女王が優遇されるというわけです。

女王蜂は、ひたすら卵を産み続けることが仕事。女王蜂には精子を貯めておける精子嚢があるため、一度の交尾で一生卵を産み続けることができます。

働き蜂の寿命は1ヶ月ですが、女王蜂の寿命は2~3年。1匹の女王蜂が一生涯に生む卵は、5000~2万匹ともいわれています。

いい餌をもらい、大きな部屋に住み、悠々自適な生活を送っているように思える女王蜂ですが、一生卵を生み続けなければならないという過酷な使命があるのです。
 

かわいそうな雄蜂

一方、かわいそうなのは雄蜂です。

女王蜂は、分蜂の時期になるとコントロールして雄蜂をたくさん産みます。卵には無精卵と有精卵があり、有精卵からは働き蜂が、無精卵からは雄蜂が産まれます。

雄蜂の仕事は、交尾のみ。

「ええやん」と、うらやましく思ったつボイでしたが、これには落とし穴がありました。

実は、女王蜂と交尾できるのは、ほんの数匹のみ。しかも雄蜂の生殖器には“返し”がついているため、交尾に成功すると肉ごとちぎれて死んでしまう運命にあるのです。

「えっ! 交尾したら死なないかんのですか? さっき私『ええな』といったの取り消します」と慌てるつボイ。
 

交尾してもしなくても死ぬ運命

交尾ができなかった雄蜂たちは巣から追い出され、結果として餓死してしまいます。つまり交尾してもしなくても、最終的に死ぬ運命は変わらないということです。

「女王様には選ばれへんかったけど、今そこで掃除をしている若い子と交尾は……」と、働き蜂との交尾をもくろむつボイ蜂でしたが、これも却下。

雄蜂は働き蜂と交尾することはありません。それは女王蜂が、働き蜂に産卵させないフェロモンを出しているからです。

ツバメに食べられてしまうなど、何らかの原因で女王蜂が不在になると、働き蜂が一斉に産卵を始めます。

しかし交尾をせずに生むため、すべて無精卵。つまり雄蜂しか生まれません。

雄蜂しかいない巣は、最終的に崩壊してしまいます。

女王蜂、働き蜂、雄蜂。どう生まれたとしても過酷な現実が待ち受けているのが、ミツバチの世界です。

「働き蜂は生き甲斐があるけど、雄蜂の生き甲斐は全然感じられへんわ!」と、雄蜂にすっかり同情したつボイでした。
(minto)
 
つボイノリオの聞けば聞くほど
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2021年05月04日11時08分~抜粋

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