つボイノリオの聞けば聞くほど

男女平等に対し「家庭内では妻の方が強い」の声、実際どうなの?

森元首相の「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」発言や、男女平等ランキングが世界156か国中120位というジェンダーギャップリポートの結果など、日本の男女格差がいまだに問題となっています。

5月3日放送『つボイノリオの聞けば聞くほど』では、椙山女学園大学人間関係学部の吉田あけみ教授に、日本の男女格差の問題点についてお話を伺いました。

ここではその中から、夫婦間に潜む男女格差に関するお話について、取りあげます。

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家庭内の女性が強いって本当?

男女格差に関する話題が盛り上がっていた今年の3月、俳優で歌手の武田鉄矢さんが、ある番組で「日本は男性優位社会といわれますけど、そんなふうに感じたことはありません。日本で1番強いのはお母さんたちだと思いますよ」と発言。

ネットでは賛否両論の意見があがりました。

『聞けば聞くほど』でも、夫と妻それぞれに対する不満をぶつける「ムカつく相方」のコーナーが不定期に行われていますが、家庭内の力関係でいうと、基本的に妻の方が強いというおたよりも少なくありません。

この意見について、吉田先生はどう考えていらっしゃるのでしょうか。

吉田先生「どうなんでしょうね。家庭内のことだから良いでしょうみたいな感じでおっしゃってるかもしれないですけど、やっぱり影響力のある方ですし。

『個人的なことは政治的なこと』っていうようなフェミニズムのスローガンみたいなのもあったりして、こういった所から社会構造を考えていく必要があるし。

要は相互尊重ですよね。リスペクトをお互いにし合っていられれば良いんでしょうけれど、現実の問題で今パッと見は女性が強そうに見えても、例えば女性が離婚してすぐ仕事に就けるかというと、就けないということを考えてみると、そんなに女性が強いわけでもないと思うんですけど。

みんなその辺は表面的に見て、どっちがどうということなんだろうと思うんですけど、逆にいえば『女性を守らなければいけない』っていうふうに男性が思わされているようであれば、それはそれで男性たちにもしんどいなという状況があるかもしれないと思いますね」

男女平等は女性のためだけではなく、男性のためでもあるということです。
 

家計を握っているのは妻だが…

家庭内で妻が強いといわれる理由の1つが、家計を握っているということ。

特に共働きでない場合は、夫はお小遣い制でという家庭も多いと思われますが、吉田先生はこの点についても疑問を呈します。

吉田先生「日々の食事とかお惣菜を買うのは、女性陣の判断でいくらでもできるかもしれないけれど、いざお家とか大きなお金が動くようなものになると、結局男性が意思決定していくこともあったり。

しかも、それがたまたまそのカップルだけではなくて、女性陣が経済的に自立していないと、なかなか契約者になれないということが現実にあったりしますと、本当の意味で女性の力が家庭内で強いのかどうなのかっていうのも、ちょっとクエスチョンマークが付きますよね」
 

女性の間でも分断が

特に専業主婦の場合だと経済的な自立が難しいため、家庭内で強そうに見えても、社会全体としては弱いといえるのですが、さらに女性の間でも格差が起きているという状況も。

小高直子アナウンサー「専業主婦が、働いている女性から見下されている感を感じてしまって、女性の中で分断が起きちゃう問題が出てくる、非常に複雑でややこしい話になっていくんですけど」

吉田先生「それぞれ女性たちが専業主婦であれ、お仕事をされるのであれ、自分たちが本当に選びたくて選んでるのであれば、そこまでにはならないと思うんですけど。

選ばせている、それはパートナーの関係性だったり、社会構造の中で選ばさせているということだったりすると、あまり関係性が良くないとなかなか難しい問題ですね」

家庭内だけではなく、社会全体として見た時に、男女格差があるのかどうかというのを考える必要がありそうです。
(岡本)
 
つボイノリオの聞けば聞くほど
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2021年05月03日11時06分~抜粋

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