つボイノリオの聞けば聞くほど

羽毛は100年も使い続けられる!素材の再利用に向けた取り組み

『つボイノリオの聞けば聞くほど』の「SDGsのつボ」コーナーでは毎週、「SDGs(エスディージーズ)」に関する取り組みを紹介しています。

SDGsとは、「誰一人取り残さない」という考えに基づいて、誰もが人間らしく生きる環境を作るために、国連で採択された17の持続可能な開発目標のこと。

国や企業、学校などの組織だけではなく、個人単位でも目標達成に向けた活動が行われています。

3月31日の放送では、この時期ならではという冬物整理という身近な話題を元に、SDGsについて考えてみました。

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羽毛製品を捨てる前に

4月に入り、冬服を片付けたりコタツをしまったりと、冬物を整理する時期になりましたが、その中で羽毛の入ったふとんやダウンジャケットを古くなったため、捨てようと思ったことはないでしょうか。

実は羽毛は適切に洗って回復処理を施すと再利用が可能で、なんと100年以上も使い続けることができるそうです。

しかし現在、多くの羽毛がゴミとして捨てられ、焼却されています。

この羽毛をグリーンダウンとして再生し、製品にして利用する羽毛循環システムを構築する活動を行なっているのが一般社団法人Green Down Projectで、2015年(平成27年)に設立されました。

羽毛は食肉用に飼育された水鳥の副産物ですが、その供給量は世界的な食肉市場の変化や鳥インフルエンザの影響などによって大きく変動します。

そのため、羽毛を再利用することで安定的に供給し続けられるよう、日本国内で普及活動をしています。
 

回収から再生産までの工程

羽毛循環システムのしくみですが、まず古くなったふとんやコートをショッピングモールなどにある窓口で回収し、解体して羽毛を取り出します。

取り出した羽毛は、新毛と同じ手順でちりやほこりを取り除き、洗って乾燥し、厳しい基準で選別。

この回復工程を実際に担っているのは、三重県にある河田フェザー株式会社ですが、さらに一部の工程は、障がい者就労支援事業所に発注していて、障がいのある方々も社会に参加し、自立する機会を生み出しています。

これは、SDGsの目標8「働きがいも経済成長も」に関連しています。

このプロジェクトには、現在、147の企業や団体が参加していて、プロジェクトが開始された2014年(平成26年)は約5,000kgだった羽毛の回収量は、5年間で12倍ほどにまで伸びているなど、広がりを見せています。

そして、羽毛の再利用を促進することが、目標12「つくる責任 つかう責任者」にもつながります。
 

どこで回収できる?

これが循環せずにゴミとして捨てられ、羽毛を燃やしてしまうと、実は1.8倍近くの量の二酸化炭素を排出してしまいます。

そのため羽毛循環システムを進めると、地球温暖化への対策となり、目標13「気候変動に具体的な対策を」の達成につながります。

つボイはあらためて、「服を作るだけでも二酸化炭素を作るのはわかってたけど、処理する時にもまた二酸化炭素出すんやってことですよね。この活動からいろんなことを教えてもらってるんやなと思いますよ」と感心していました。

この話を聞いて、「私も回収してもらおうかな」と思われたかもしれませんが、一部の自治体ではすでに回収が始められています。

回収に協力しているお店や場所はどこにあるのか、インターネットで「羽毛 回収 会場」や、そこに自分が住んでいる所の地名などをキーワードに含めて検索すると、近くの回収場所が出ることがあります。

また、グリーンダウンを利用した製品にはタグが付けられていますので、新しいダウンジャケットなどを買う際に意識してみてはいかがでしょうか。
(岡本)
 
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2021年03月31日11時36分~抜粋

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