つボイノリオの聞けば聞くほど

カセットテープ発明者の逝去に思い出す「あの頃」

カセットテープを発明したオランダの技術者ルー・オッテンスさんが、2021年3月6日、94歳で亡くなられました。

3月15日放送の『つボイノリオの聞けば聞くほど』には、このニュースをきっかけに、リスナーからカセットテープを懐かしむ声が多く寄せられました。

知る人ぞ知る「ドラゴンズおやじ」の、呪文のようなカセット音源に乗せて、つボイノリオが語り始めます。

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特許無償公開で世界中へ

「独特な、SN比の悪い、ヒス音というんですけれども。カセットテープで録音されたサウンドを聴いていてただいております」と解説するつボイを、「念のために申しあげておきますが」を制する小高直子アナウンサー。

小高は「この音質=カセットテープの特性ではありませんので。そこのあたり、ご了承いただくようよろしくお願いしますよ(笑)」と、ドラゴンズおやじの曲は特に音質に味があると説明します。

趣深い歌声に乗せて、リスナーからのおたよりを読み進めるつボイ。

「カセットテープを発明したとされる、オランダ人技師のルー・オッテンスさんが、6日死去したことがわかりました。94歳でした」(Aさん)

オランダの電機メーカー・フィリップスで製品開発部門の責任者を務めていたオッテンスさん。

フィリップスは1963年にカセットテープを発表し、1965年に特許を無償公開しました。

その後カセットテープの技術は世界中に広がり、累計販売数は1000億本にものぼったのです。
 

一番残念なこと

Aさんのおたよりに戻ります。

「カセットテープを大きく分類すると、ノーマル・ハイポジション・メタルの3種類がありました。中でも、2000年頃に生産終了したメタルテープは、現在入手困難になっています。中には、中古未開封で数万円するものもあるらしいです」(Aさん)

「理想的な対応をして、ウォークマンを生み出すきっかけとなりました」(Bさん)

オッテンスさんは生前のインタビューで、「カセットテープのプレーヤーの象徴となるウォークマンを作ったのが、フィリップスではなく日本のソニーだったことが一番残念だ」と話していたそうです。

「ナチスドイツ占領下で、少年が1台のラジオを作りました」(Cさん)

オッテンスさんは10代の頃、母国の亡命政府による放送を家族に聞かせてあげるためにラジオを作りました。
 

折ったツメを再生する裏技

「近年、カセットテープとレコードが再評価されています」(Dさん)

「46分・60分・70分など、どれにしたら一番効率がいいか、よく計算しておりました」(Eさん)

ここで、つボイのひとり芝居が始まります。

「『このアルバムを録音したいけど、ちょっと曲の合計を計算してみよ。51分やから、60分テープでやらないかんわ』」

このように、アルバムの全曲がきちんとカセットテープに収まるように、少し長めのものを選んだものでした。

「よくツメを折り忘れて、上から録音してしまったこともあります」(Fさん)

ツメを折るとうっかり上書きしないで済むので、大切なテープは必ずツメを折る必要がありました。

「あれはね、セロテープを貼ったらまたできるんだよ。再生する」

懐かしの裏技を解説する小高。
 

翻弄される青春時代

「私もカセットテープにお世話になりました。小学校5年から深夜放送を聴き、洋楽に接することとなり、雑誌『FM fan』でチェックし、カセットテープに録音しました。『FM fan
』には、オンエアする曲目が書いてありました。カセットテープに録音し、繰り返し聞いていました。当時はTDK、マクセルなどを使用しておりました」(Gさん)

「『今シャラ(今夜もシャララ)』の最終回をカセットテープに録音して、永久保存にしました。でもカセットが使えなくなるかもしれないと思って、MDに録音し直したら、かえってMDの方が先に再生機がなくなってしまいました!」(Hさん)

つボイから「あんたんとこもレーザーディスクがぎょうさんあるらしいやん」と急に話を振られる小高。

「家ですか?デッキの方が壊れて。あれどうしようと思ってるけど」

再生機の生産が終了し、宝の持ち腐れに。なんとも残念な話です。

「移り変わりに翻弄されている僕らの青春時代。まっ、いろんなことがありました」と結んだつボイでした。
(minto)
 
つボイノリオの聞けば聞くほど
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2021年03月15日09時44分~抜粋

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