つボイノリオの聞けば聞くほど

東日本大震災から10年…国連で採択された「仙台防災枠組」とは?

『つボイノリオの聞けば聞くほど』の毎週水曜に放送されている「SDGsのつボ」コーナー。

「SDGs(エスディージーズ)」とは、「誰一人取り残さない」という考えに基づき、誰もが人間らしく生きられる環境を作るため、国連で採択された17の持続可能な開発目標のことを指します。

国や企業、学校などの組織だけではなく、個人それぞれでも目標達成に向けた活動が行われている中、このコーナーでは実際の取り組みなどについて、小高直子アナウンサーが紹介しています。

3月10日の放送では、翌日で10年となった東日本大震災から、SDGsについて考えてみました。

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「住み続けられるまちづくり」何を行う?

SDGsの目標11に「住み続けられるまちづくりを」というものがあります。

これはすべての人が安全に暮らせる街を整備するために設定された目標ですが、都市部のサービス向上やインフラ整備、環境や農村部への配慮など、さまざまな視点を元にした、さらに細かな10項目のターゲットを設定。

生活環境を整備する際に配慮すべきこと、環境に負荷をかけない都市整備などの目標もさることながら、災害に強い都市や人間が居住できる土地をつくるということも、このターゲットの中でうたわれています。

また、このターゲットの中には、「仙台防災枠組2015-2030に沿ってあらゆるレベルでの総合的な災害リスク管理の策定と実施を行う」という一文が含まれています。
 

「仙台防災枠組」とは?

「仙台防災枠組2015-2030」とは、2015年3月に宮城県で開催された第3回国連防災世界会議で採択された防災に関する指針で、2015年から15年間で4つの優先行動と7つのターゲットを実現しましょうというもの。

内容は災害による死者数や被災者数の減少、健康や教育などのインフラやライフラインなどのサービスが途絶えないようにすること。

また、災害に備えるのは当たり前ということを考えた上で街や建物を整備する段階からさらに進んで、災害を意識する防災への投資を行なうことなどが含まれています。

そして、災害から復興する場合は、災害前よりも強い状態を目指す、「より良い復興」を目指すということも掲げられています。
 

まちづくりに防災計画は不可欠

この他、防災戦略を持つ国を増やすことや、発展途上国の防災枠組参加について国際協力を強化するといった目標も含まれていて、災害対策について世界全体で取り組もうといった決意が表れています。

この3月で東日本大震災から今年で10年、仙台防災枠組が採択されてから6年。

この間だけでも日本ではさまざまな災害が起きてきました。

目標11「住み続けられるまちづくりを」を達成するためには、防災への意識を常に持って、個人それぞれが自分にできる備えをして、連携することも大切です。

災害が起きると、人命の被害はもちろんですが、経済や環境などにも大きな打撃を与えます。

SDGsは開発に関する目標として設定されていますが、実は守りとなる防災活動もSDGsにつながるというわけですね。
(岡本)
 
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2021年03月10日11時34分~抜粋

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