つボイノリオの聞けば聞くほど

物語として面白く読める SDGsがわかりやすく学べる本

『つボイノリオの聞けば聞くほど』の「SDGsのつボ」コーナーでは、新聞・テレビ・ラジオなどでよく見聞きする「SDGs(エスディージーズ)」について、小高直子アナウンサーがわかりやすく説明しています。

「SDGs」とは「誰一人取り残さない」という考えに基づいて、みんなが人間らしく生きられる環境を作るため、国連で採択された17個の持続可能な開発目標のこと。

国や企業、学校などに限らず、個人それぞれでも目標達成に向けた取り組みを始めています。

2月24日の放送では、物語を通じてSDGsをわかりやすく知ることができる本について、紹介しました。

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物語を通じて自然に学ぶ

その本とは、こども向けの書籍として講談社から販売されている「おはなしSDGs」シリーズ。

全10巻で、児童文学賞を受賞した作家や、現代を代表する児童文学作家が書き下ろした物語が収録されています。

SDGsの解説を目的にしているというよりも、あくまでも物語の楽しさを第1に描かれていますので、勉強っぽい内容というよりは、物語を読んでいて自然とSDGsの目標理念が理解できるしくみとなっています。

小中学生だけではなく高校生や、もちろん大人でも楽しめる内容で、巻末には物語の背景について、データやグラフによる解説も載っていますので、基本的な知識もきちんと身につけられます。
 

うちの家は貧乏なの?

今回、小高が紹介するのは10冊のうちの2冊で、1冊目は安田夏菜さん作で、黒須高嶺さん絵の『みんなはアイスをなめている』という作品。

SDGsの目標1「貧困をなくそう」をテーマにしています。

主人公は小学生で、給食費が払えないなどの状況を見ていて、自分の家は貧乏だと感じています。

一方で主人公の妹は、テレビで見るような病気になれば簡単に命を落としてしまう外国のこどもたちと比べると、貧乏ではないと言います。

だけど周りのこどもと比べると、自分たちはやっぱり貧乏なのではないかと感じてしまうというように、日本に住む小学生の目を通して「相対的貧困」の問題を取り上げています。

相対的貧困とは、外国の貧しい国と比べるのではなく、自分たちが住む国や地域の中で周りと比べてみて、貧しい状態のこと。

小高は「私が説明するよりも、この物語を読んだら本当に相対的貧困ってこういうことなんだってことが、しみじみわかる内容になってます」と薦めました。
 

職業で知るジェンダー平等

もう1冊紹介する本は戸森しるこさん作で、しんやゆう子さん絵の『すし屋のすてきな春原(すのはら)さん』という作品。

こちらはSDGsの目標5「ジェンダー平等を実現しよう」がテーマとなっています。

「お寿司屋さんになりたい」と言った小学生の女の子が、クラスの男の子たちから「それ無理じゃね?女の寿司屋って聞いたことない!」と批判を受けてしまいます。

このできごとをきっかけに、こどもたちが夢や職業を通してジェンダーについて考えていく内容となっています。

小高「この物語にオチがついてて、『その人物はアンタやったんか!』って、クスッと笑えるようなストーリーにもなってます」

その登場人物は誰のことで、物語にどんなしかけがあるのかは、実際に読んで確かめてみてください。

最後に小高はあらためて、「お子さん向けの本ということではありますが、大人が読んでも新しい価値観を確認できる作品。わかりづらい問題でもとってもわかりやすく描かれてるなと思いました」とまとめました。
(岡本)
 
つボイノリオの聞けば聞くほど
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2021年02月24日11時34分~抜粋

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