つボイノリオの聞けば聞くほど

『名古屋天守物語』。コロナ禍の舞台は大変。異例尽くしの裏話を公開

長唄の杵屋六春さんが、1月1日放送の『つボイノリオの聞けば聞くほど お正月スペシャル』に出演しました。

六春さんが出演した創作舞踊劇『名古屋城天守物語』について、番組パーソナリティのつボイノリオと小高直子アナウンサーと語りました。

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コロナ禍で大変

コーナーは六春さんの長唄「吾妻八景」から入りました。

小高「これ聞くとお正月だな~って気がします」
つボイ「正月の歌ではないんですけどね。私が長唄で唯一知ってる曲や」
六春「つボイさんのテーマ曲みたいになっております」

以前にもこの番組にゲストで来た時に演奏したのが、やはりこの曲でした。

「今年は本当に舞台が少なくて、演奏の活動もとっても少なかったですし、大学もリモートの授業になったりしました」と六春さん。

六春さんは名古屋音楽大学の講師でもあります。6月ぐらいまではリモート授業。それ以降は、20人いるクラスを二つの教室に分けながらの授業だったそうです。

「やっぱり楽器は触ってもらって、弾いてもらわないと。大学の授業が一番大変だったかなという一年ではありましたね」と振り返りました。
 

チケットは自分でもぎる

昨年12月12日、13日と芸術創造センターで行われた六春さんが出演した『名古屋城天守物語』を観に行ったというつボイ。
このコロナ禍のため、通常公演とは異なる部分があったそうです。

つボイ「券は各自、自分でもぎりして渡してくださいって言うんですよ。昔は、ああいう半券ね、もう破ったるやないか、無効やないかってことがありました」

もぎった半券には、自分の連絡先を書いて主催者側に渡したんだそうです。
もし観客を含めた関係者の中で濃厚接触者がいた場合には、連絡がすぐ取れるようにと言う配慮です。もちろん席も一つおきです。
 

異例づくしの楽屋裏

小高「空ける席には、若草色の奇麗な布がすっと掛けてあるので、パッと見た時に、会場内の演出でやってるのかなあという感じの素敵な風景でした」

舞台から見ても、お客さんと一体感があったそうです。

ガチガチのコロナ対策ではなく、できるだけ自然に雰囲気になるような配慮がされていたようです。
しかし楽屋ではこんな厳しいことも。

つボイ「差し入れを受け取ってもらええへんかったんです」

他のイベントでも、差し入れは一切、受け付けないんだとか。もちろん出演者以外、楽屋を尋ねることもダメ。
通常なら、終演後に出演者がロビーに出て観客を見送りますが、あれもなし。

六春「換気のために楽屋中の窓が開けっぱなしで、まあ寒いったらこの上ないと言うか。お天気が悪いと、三味線が破れたりするので、窓を開けているのはよくないんですけれども、それでも感染対策を優先する異例の状態でした」
 

楽しくなる舞台

『名古屋城天守物語』は、日本舞踊あり、洋舞あり、バレーあり。音楽も常磐津に長唄、、筝曲など。楽器で言えば、鼓、太鼓の打ちものから、琴、尺八、三味線など。

六春「非常に賑やかでジャンルを超えたって感じでした」
つボイ「いろんな音、いろんな世界があるものですから楽しくなってくる」

もちろんストーリー性がある舞台。内容はサスペンス、ファンタジー、ロマンスの要素のある物語です。

 

邦楽でハモる

つボイ「和楽でバレーの人が踊ったりする異空間の融合。そういう面白さがあり、犯人捜しのサスペンスがあって、そんな中で、師匠が歌うんですよ」

六春さんは、この舞台では歌と作曲担当だったそうです。

つボイ「邦楽でハモりましたね。あれはびっくりした」
小高「邦楽でハモるってことはあんまりないの?」

大勢の合奏になっても、伝統的な邦楽では一つのメロディーを演奏します。南の果ての八重山までそれは同じ。

六春「昭和になってから、我々の東京芸術大学の教授の先生が、いろいろ挑戦して、だいぶ新しいものにはハーモニーがつくようにはなったんですけど、名古屋で長唄でやるのは珍しいかもしれないですね」
 

ロマンチックさを出すには

つボイ「例えばプッチーニのオペラ『蝶々夫人』。あっちで和物をやる時は音楽で分ける。西洋はハーモニー。東洋はハーモニーはないのでユニゾンでやる。そんなに東洋的なメロディーじゃなくても、そういう表し方をする。でも今回はそれを覆しましたね」

和楽でハモるシーンは、天守を守る守り姫たちの中に、人間の男女が迷い込んでしまう。そこで、以前見た流れ星を思い出す、というようなロマンチックなシーンだったそうです。
ここで面白さを出すために六春さんが考えたのが、和楽のハーモニーだったそうです。

六春「オクターブのユニゾンでやることはあるんですけれども、音楽的に言うと四度とか五度とかの本当のハーモニーってあんまりやらないんです。三味線の旋律にロマンチックさを合わせるは難しいのですが、そこだけ違う世界に行ければと思ってやりました」
 

例年通りのことが出来れば

その“流れ星”の部分を少しだけ演奏する六春さん。一人なのでハモれませんが美しい旋律でした。
最後に今年の予定を聞きました。

「去年は中止になりました親子会を、ぜひ今年はやりたいなと思っています。例年通りのことができる年になればいいなと思っています」

六春さんの母、杵屋六秋さんとは毎年11月に親子会を開いていました。今後開催された時には、ぜひ足をお運びください。 
(尾関)
 
つボイノリオの聞けば聞くほど
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2021年01月01日13時10分~抜粋

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