つボイノリオの聞けば聞くほど

緊急地震速報が発生!すぐにラジオが伝えなかった理由

7月30日午後9時36分、鳥島近海で発生した地震が元で、首都圏などに緊急地震速報が出され、スマホが急に鳴ってビックリしたという方も多かったかもしれません。

一方で、ラジオ番組では直ちにこの速報を伝えない地域もありました。

地震や災害に強いといわれるラジオで、なぜこの速報をすぐに伝えなかったのか、疑問に思ったリスナーの方もいらっしゃったようで、『つボイノリオの聞けば聞くほど』の放送中、早速おたよりが届きました。

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ラジオでは報じず

番組あてに届いたおたよりは、次のとおりです。

「スマホやテレビで緊急地震速報が出ているのに、ラジオでは何も言わなかったのはなぜでしょうか。特に何もなかったようで、良かったことは良かったんですけれども」(Aさん)

「先程、ラジオでこの番組を聴いていたら、スマホからもタブレットからもウワンウワンウワンウワンと音が鳴り響いて緊急地震速報だと出ていたのに、鳴った直後にこの番組では何のコメントもなし。(しばらくしてから)ようやく今、アナウンサーからの報告があって、遅いなと思いました。

そこで質問なんですが、地震速報が鳴った直後、なぜ即座に言わないのでしょうか?
ブースに入っているお二人(つボイノリオと小高直子アナウンサー)は、そんな音は聞こえないなら、ご存じないでしょうが、スタッフさんならわかってるのではないでしょうか?

ラジオというのは即時性があるかと思っていたので、ちょっと残念でした」(Bさん)

テレビとラジオの違い

緊急地震速報をすぐラジオ番組で報じなかったのはなぜなのかを取りあげる前に、そもそも緊急地震速報とは何かについて、小高アナが解説しました。

小高「緊急地震速報は、強い揺れが起こると予想された時に鳴るものなんですね。強い揺れには基準がありまして、ラジオの規定では震度5強が予想される時に緊急地震速報が鳴るんです。

今回は震度5強の揺れではなかった。なんでテレビやスマホが鳴ったのにというところだと思うんですけど、この強い揺れという規定が、テレビと民放ラジオではちょっと違うためにズレが起こるんです」

名古屋の民放局の場合、緊急地震速報が自動で送出される基準はテレビとラジオで異なります。
テレビの場合は「震度5弱以上」予想、ラジオの場合は「震度5強以上」予想となっており、基準が1ランク違います。

小高「なので、間に合わなかった、言えなかったということではないんです」

これはあくまでも予想時点に関する話であり、実際に地震が起きた際の報道は、当然震度5強より弱い場合でも行われることがあります。
 

放送エリアによっても違いが

名古屋エリアでは、テレビよりもラジオの方が、報道に関してハードルを高く設定していることになるのですが、これには何か理由があるのでしょうか?

小高アナ「(理由は1つではないが)ラジオは車を運転している人がいる場合が多いのでとか、聴いてる人の状況の違いをいろいろ鑑みて、(テレビと)差をつけている状態ではあるんですけど、今回は民放ラジオでは流れませんでした」

テレビは家で見てるケースが多いと思いますが、ラジオは車や店の中で流したり、歩きながら聴いたりと状況はさまざま。
場合によっては、急に大きな音が鳴ってビックリして運転を誤ったり、ケガを負ったりしてしまうということにもなりかねません。

特に高速道路で自動車を運転中、ラジオからの警報音によって急ブレーキを踏んでしまう事故が想定されるなど、二次被害が生じるおそれから、1つランクが上がっているのです。

ちなみに、この基準はエリアによって異なっています。
例えば関西エリアの民放ラジオ局では、2年前の大阪府北部地震以降、「震度5強」から「震度5弱」へ変更されています。
また北海道エリアでは、局によって基準が異なっています。

詳しくはお住まいのエリアの放送局公式サイトでご確認ください。
 

ラジオに対する信頼性

今回、緊急地震速報を流さなかったことについて、規定通りとはいえ、リスナーから指摘がありました。
つボイはあらためて、普段ラジオがどのように思われている存在なのか、を再認識したそうです。

つボイ「うれしかったのは、それだけラジオに対していろいろ思い入れがあって、『なんや、(緊急地震速報の報道が)ないやないか!』ということは、やっぱりラジオに対して頼ってますよということやと思うんですよね」

災害時に役に立つメディアとして注目されているラジオですが、緊急地震速報については、テレビやスマホとは報じる基準が異なるということですね。
(岡本)
 
つボイノリオの聞けば聞くほど
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2020年07月30日10時51分~抜粋

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