つボイノリオの聞けば聞くほど

大雨で全国的に甚大な被害…雨がやんでも警戒し続けるべき理由

全国的な大雨の影響により至るところで水害が発生し、大変な被害に見舞われています。
東海エリアでも岐阜県下呂市において飛騨川の氾濫や土砂崩れなどが発生し、全国的にも注目されました。

7月8日の放送『つボイノリオの聞けば聞くほど』でも、水害に関する報道や被害を伝えるおたより一色となりましたが、実は大雨が一段落した後も注意が必要とのこと。

今後、私たちが気を付けなければならないことについて、気象予報士の桜沢信司(CBC報道部)が解説しました。

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晴れ間が見えても要注意!

東海地方では7月3日から大雨が降り続き、8日朝6時30分には名古屋地方気象台から岐阜県と長野県の一部に対し、大雨特別警報が発表されました。

その後、朝11時には三重県南部の一部以外で雨雲はあまり見られなくなりました。

「嘘のような青空で、道路も乾いてきました」(Aさん)といったように、天候が回復したというおたよりが届いています。

一難去ってようやくひと息つけると言いたいところですが、桜沢は「まだ安心は1つもできない」と注意を呼びかけました。

その理由の1つは、晴れ間が出てきたとしても、これまでに降った雨の量が相当多く、土の中に水分がかなりたまってしまい、土砂災害がいつ起きてもおかしくない状態になっているためです。

例えば岐阜県の飛騨地方、高山市船山では、降り始めからの雨量が600mmを超えています。

さらに下呂市萩原では740mm、しかも1日の間だけで414mmも降ったということで、この量は7月の平年に匹敵するそうですので、1ヶ月分の雨が1日にまとめて降ったということになります。

雨が落ち着いても、しばらくの間大雨特別警報が解除されないのは、土砂災害の危険が続くからだそうです。
 

特別警報「解除」とは言わなくなった理由

また、8日11時に気象庁が会見を開きましたが、そのポイントは「木曽川はあと2、3時間が川の増水のピーク」とのことです。

雨が降っている最中ではなく、雨があがってなぜ数時間後に増水のピークがやってくるのでしょうか。

桜沢「大きな川は時間差で、支流から流れ込んできた水が流れ混んでいる状態。あと、大きな川で氾濫しているところもあります。また危険情報や、氾濫注意情報というもうちょっとランクが下のものが発表されているところもあります。

ただ、かなりの増水でこの先雨量がどんどん増えていって、雨の水がたまってくるようになると、氾濫してもおかしくないところも発表されています」

ちなみに先程、「大雨特別警報が解除されないのは…」という話がありましたが、実は今年からは特別警報に対して「解除」という言葉は使わなくなったそうです。

昨年、台風19号により長野県にある千曲川が氾濫して大きな被害が出たのですが、当時、長野県で特別警報が解除された後、避難していた人が家に戻ってきたところに、千曲川に集まった水が氾濫してしまい、被害を受けてしまいました。

そのため、気象庁は大雨特別警報を解除するのではなく、「特別」の付かない警報に切り替えるという対応を行っています。

特別警報が終わったから、いきなり大丈夫になったと誤解をしてしまうことを避けるためということですね。

東海地方では、12日頃までは場所によっては大雨が降る可能性もあるそうで、引き続き警戒が必要とのことです。
(岡本)
 
つボイノリオの聞けば聞くほど
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2020年07月08日11時31分~抜粋

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