つボイノリオの聞けば聞くほど

不便な便所で成長した。母と子の「昭和便所物語」

現代では当然のように清潔で快適な空間・トイレ。しかしその昔、そこは暗くて怖い場所でした。

4月8日放送の『つボイノリオの聞けば聞くほど』「トイレのコーナー」には、思わずホロリとさせられる母と子の「便所物語」が寄せられました。

つボイノリオと小高直子が、リスナーAさんの思い出を紐解きます。

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肥溜めMAXで便所制限

「我が家のトイレは後付けで設置されたものです。それまでは便所はなかったそうです。

そんな家に生まれ育った私は、覚えがある頃から、便所には明かりがない、便所の紙は古新聞、でっかいウンチをするとおつりがくる、夏場の便所にはでっかいハエがくる…」(Aさん)

このでっかいハエを「僕らは便所バチと言ってました」と、回想するつボイ。

「肥溜めがいっぱいになると、便所を制限される。肥を汲んで畑に運ぶということで、よく母ちゃんの手伝いをさせられました。

母ちゃんは肥カゴを2つ、担棒(いないぼう)の両端にひっかけたら、右手に杖を持って、急な坂道を畑に向かってのぼるんですが、そこで私が下の方の肥カゴを支えます。

もし母ちゃんが転げてしまうとシャレにならないので、小学生の私もニオイなど構っちゃいられません」(Aさん)
 

校門に「肥溜めを運ぶ母子」の銅像を

「『とにかくお母ちゃん転ばんようにせんと!』『真剣に運ぶ!』と、臨場感たっぷりに伝えるつボイと小高。

つボイ「やっぱりね、都会の人とは違う。『母と子が一体となる瞬間』いうのが実感できたわけですよ」
小高「銅像になりそうだね、学校の校門に。親孝行の図だわ」

「私的に一番困ったのは、夜中の便所でした。うんちがしたくなると、母ちゃんに頼んでろうそくに火をつけてもらいます」(Aさん)

昔のトイレは母屋ではなく庭の離れにあり、電気も通っていませんでした。

「そのろうそくの火を消さないように、勝手口から外に出て便所まで歩き、便所に入ればひと安心なんですが。それが台風シーズンや木枯らしの季節になると、話が違ってきます。

便所に入りがんばってる最中にビューと強い風が吹くと、あと付けの便所の板壁の隙間から風でろうそくがフーッと消えて真っ暗」(Aさん)

つボイ「途中やから、動かれへん。そこから」
小高「穴の位置とかもちゃんと把握してないと」
 

不便な便所で大きくさせてもらいました

「真っ暗になった便所で、私は恐怖のあまり叫ぶんです。『かーあちゃーん!ろうそく消えたー!点けにきてー!』。

母ちゃんから再びろうそくを点けてもらって用を足して、無事に寝床に帰るんですが、
ろうそくでも便所のメタンガスに引火しなかったのは、なにはともあれ安普請の便所だったから」(Aさん)

風通しのいい作りだったため、問題なかったというAさん。

「もちろん、古新聞は入るや否や両手でもみもみしておりました。台風で床下浸水すれば、すぐ肥溜めがオーバーフローした便所です。

私が中学を卒業するまで15年お世話になった便所。両親はこんな不便な家で3人の子どもを育てあげてくれました。

不便だけれどもなくてはならない便所。私はこの不便な便所で大きくさせてもらいました」(Aさん)
 

「便所物語」ドラマ化決定?

「ちょっと泣ける母子ばなしじゃない?」と、ホロリときた様子の小高に、「便所が一家をひとつにしたんですよ」とつボイ。

つボイ「今の子はお母さんを呼ばんでも普通に便所を出てこれるけど、『お母ちゃん!ろうそくつけて!』と。こういう母子のつながり」
小高「ドラマ化したら?」

便所にまつわる感動物語を、ドラマ化してはどうかと提案した小高。

しかし、提案した相手が悪かったようです。

「『便所物語』。毎回便所やわ。『さあ第一話、便所物語。すごいですよ、どっぽーん!毎週どうなる?これ、いう」

ノリノリで想像を膨らませるつボイを、「ごめん、もういい(笑)」と突き放す小高。

それでもつボイの語りは止まりません。

つボイ「今、ドラマ作りにくいですからね。こういうのもまた、少人数でできるんやないですか」
小高「やめてくださいよ(笑)もう早く『半沢直樹』帰ってきて」

うっかり提案したことを、即座に後悔した小高でした。
(minto)
 
つボイノリオの聞けば聞くほど
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2020年04月08日10時11分~抜粋

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