つボイノリオの聞けば聞くほど

座ってできる大腸内視鏡検査!?今年も日本人がイグ・ノーベル賞を受賞!

人々を笑わせ、考えさせた研究に贈られる「イグ・ノーベル賞」の発表が今月13日に行われ、長野県・昭和伊南総合病院の堀内朗医師が医学教育賞を受賞しました。

日本人の受賞はこれで12年連続です。

9/19放送の『つボイノリオの聞けば聞くほど』「ニュースなつボ」のコーナーでは、この「イグ・ノーベル賞」の話題を取り上げました。

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12年連続の快挙!

最近、注目を集めている「イグ・ノーベル賞」。

"不名誉な”または“恥ずかしい"という意味の英語、ignoble(イグノーブル)とノーベル賞の頭に"反対"を意味する接頭語、Ig(イグ)を合わせたダジャレで、ノーベル賞のパロディ的なネーミングです。

前述したように日本人の受賞がとても多く、なんと12年連続。

ちなみに昨年は雌雄の交接器が入れ替わった「トリカヘチャタテ」という昆虫の研究が生物学賞を受賞し、この番組でも話題となりました。(参照:日本人研究者が"性器の大発見"でイグノーベル賞を受賞!

今年の医学教育賞の受賞者は、昭和伊南総合病院の堀内朗内科診療部長・消化器病センター長。

受賞した研究は、「座位で行う大腸内視鏡検査―自ら試してわかった教訓」というもの。

これに「おもしろいねぇ」と、しみじみ呟くつボイノリオ。

堀内先生の病院では大腸の内視鏡検査にとても力を入れており、検査を受ける人が年間1万5,000人と地方の病院としてはかなり多く、全国的に注目を集めています。

堀内先生は「内視鏡検査で見つかった大腸ポリープを切除すれば、大腸がんの発症を9割抑えられる」と、検査の重要性についてこのように語っているということです。

イラスト付きで紹介

つボイも受けたことのあるという大腸の内視鏡検査。

横向きに寝て、肛門から内視鏡を入れるというのが一般的です。

この検査の痛みや不快感を減らす方法を探していた堀内先生は、「座ったままで受けたらどうだろう」と思いつきました。

椅子に座り、股を開き、内視鏡を自分の肛門にゆっくり入れてセルフ実験をしてみたところ「驚くほど簡単にできた」んだそう。

2006年、この体験談をアメリカの消化器内視鏡学会誌に発表。

その体験談では、右手で内視鏡の端をつまんで、肛門に挿入しながら、左手でカメラを動かすつまみを操作。モニターに映し出された自分の腸内を見つめる姿をイラスト付きで紹介しました。

「そのイラストいるんかっていう話もしますけどね」と笑う小高直子。

合計4回試して、内視鏡の入れにくさと感じる痛みや不快感がそのたびに異なることも発見したという驚きの実験結果です。

つボイの体当たりレポート?

授賞式では司会者がこの研究を紹介すると、会場は笑いの渦に包まれました。

堀内先生は「ありがとう、受賞できて光栄です。私のやり方をお見せしてもよいですか?」と、壇上で内視鏡を見せてさらに笑いを取ったということです。

この座った姿勢で内視鏡を入れる検査は、「誰も恥ずかしがってやってくれない」ということで、病院では採用されていません。

「イグ・ノーベル賞も取ったことだし、希望する患者さんがいるかもしれませんね」と想像する小高。

堀内先生が座位での検査を実演しようとしたその時、まるでコントのように女の子が止めに入ったのも、この授賞式のお約束だといいます。

「座ったまんまでこれできるということは、つボイさん。放送しながら内視鏡検査できそう」と、なにやらよからぬことを考え付いてしまった小高に、「いいですね、ましてやテレビ局もありますもんですから、そのまま放送できる。モニターにカメラ映しとけば」と、さらに斜め上の返事をするつボイ。

つボイの体当たりレポートによる座位での内視鏡検査が実現する日も近い?

選考委員は超一流

「日本科学未来館」のHPによると、今回のイグ・ノーベル賞の医学賞は「ジェットコースターに乗って腎臓結石の排出を促す試み」。

化学賞は「ヒトの唾液が物の表面の汚れを落とすのに優れていることを計測で示した」。

文学賞は「ややこしい製品を使う際に、たいていの人は取り扱い説明書を読まないことについて」。

1991年に創設されたイグ・ノーベル賞。

笑いをもってインパクトのある方法で受賞することによって、脚光が当たりにくい分野の地道な研究に一般の人々の注目を集めさせて、科学の面白さを再認識させてくれるという立派な貢献をしています。

自薦・他薦を含めて5,000以上の業績や研究がノミネートされ、ノーベル賞受賞者を含む、ハーバード大学やマサチューセッツ工科大学の立派な教授たちによる書類選考が行われます。

10兆ジンバブエ・ドル札

面白い研究に贈られることも多いのですが、風刺や皮肉を込めて賞が授与されることもあります。

例えば「水爆の父」として知られるエドワード・テラーは、「我々が知る"平和"の意味を変えることに、生涯にわたって努力した」という理由で1991年にイグ・ノーベル平和賞を受賞。

1995年にはフランスのシラク大統領が「ヒロシマの50周年を記念し、太平洋上で核実験を行った」という理由で同じくイグ・ノーベル平和賞を受賞しました。

「まっイヤミですわな、これはね。イヤミで受賞」と小高が話すように、もちろん本人たちは授賞式に姿を現さなかったそうです。

「本人が来ても大したものももらえないんです」とつボイ。

賞状は選考委員のサインは入っているものの、コピー用紙にプリントされたもの。
賞金は基本的にゼロ。

2015年からは10兆ジンバブエ・ドル札が受賞者に手渡されていますが、ジンバブエ・ドルはハイパーインフレですでに廃止されており、結局価値はゼロとのこと。

8歳少女のお約束

授賞式の前に観客全員が紙飛行機を作って投げ続けるのが慣例となっていますが、その掃除のモップ係を例年務めているのは、ハーバード大学物理学教授であるロイ・グラウバーさん。

ところが2005年に、このグラウバーさんが本家のノーベル物理学賞を受賞したため、モップ係を欠席したという信じられないようなユニークな話もあります。

アメリカのハーバード大学で行われる授賞式の旅費と滞在費は自己負担。

受賞者のスピーチは60秒以内で、「観客から笑いを取る」というルールが存在します。

1999年から、この制限時間が過ぎると「ミス・スウィーティー・プー」という名の8歳の女の子が壇上に現れ「Please stop. I'm bored.(もうやめて、私は退屈なの)」と連呼するというお約束があるそうです。

毎年8歳の女の子が務めるのですが、受賞者からのワイロの贈り物に買収されこともあるんだとか。

優秀な科学者の全力の冗談

国立国際医療センター研究所の山本麻由さんが2007年に受賞したのは『牛の排泄物からバニラの香り成分『バニリン』を抽出する研究』。

この時はスピーチ中の会場に、有名なアイスクリームショップのお店がわざわざ作った「ヤマモトバニラツイスト」というアイスクリームが観客にふるまわれました。

「メチャクチャ優秀な科学者たちが全力で冗談をやっている」というイグ・ノーベル賞。

ですが、笑えるだけではなくて、とても考えさせられる内容やなるほどと唸る重要な研究もあります。

「しょうもない研究」というだけではなく、このイグ・ノーベル賞を受賞した研究の中には、その後実際に今の社会で使われている重要な研究も存在しているそうです。

今月22日から、東京ドームシティの「Gallery AaMo(ギャラリー アーモ)」で「イグ・ノーベル賞の世界展」が開催されます。

詳しく研究内容を知りたい方は是非足を運んでみてください。
(minto)
つボイノリオの聞けば聞くほど
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2018年09月19日11時05分~抜粋

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