つボイノリオの聞けば聞くほど

pHの読みはペーハーかピーエッチか。時代で変わる教育の世界

アジサイがきれいな季節ですが、その花の色を決めるのは、土の性質が酸性かアルカリ性かが関係しているそう。
そこから溶液の性質をあらわす記号pHをペーハーと読むか、ピーエッチと読むか、以前この番組で意見が分かれました。

そこで6月4日の『つボイノリオの聞けば聞くほど』の「ニュースなつボ」では、小高直子アナウンサーがこれをマジメに解説しました。

[この番組の画像一覧を見る]

ペーハーか、ピーエッチか

つボイ「pHをペーハーと読むのは、『いい国(1192)作ろう鎌倉幕府』とか、『建武の中興』とか、最近はそんなこと言いませんが、そんな中のひとつかもしれませんね」と口火を切ります。

小高は「どっちも間違っているわけではないですが、時代によって言い方が変わっているんです。多くのリスナーさんたちはペーハーかなと思いますが、中高生のお子さんがいる方は子供はピーエッチと言っていましたよ、と言われます」

つボイ「吉岡直子アナウンサー(32歳)は同じ直子でもピーエッチと習いました、と言ってましたよ」
小高「なんかイヤな感じでしたね」

ピーエッチで統一されていた

小高の解説によるとpHはドイツ語読みで「ペーハー」、英語読みで「ピーエッチ」です。
pHは水素イオン指数のこと。酸、アルカリの度合いの強さを表すときに使う単位です。

この表し方を最初に発見したのはデンマーク人のソレン・ソーレンセンという科学者です。その頃はドイツが先進国だったのでドイツ語読みが主流でペーハー。
その後、pHがJIS化されるときに、国際単位系にあわせて、日本でも読み方をピーエッチに統一しました。

国際単位系とは、重さはキログラム、長さはメートル、電流はアンペアなど、各国が独自の単位を使う混乱を避けるために単位を揃えているものです。
実はピーエッチに統一されたのは1957年(昭和32年)と、かなり前のことでした。

つボイ「おやおや、統一されてかなり経ってから、私は学校でペーハーで習いましたよ」
小高「統一されてからもしばらくは、先生が授業でペーハーと言っていたからという説もあります。昭和はペーハーで、平成はピーエッチという感じがありますね」

今でもペーハーを使っているというおたよりも届きました。

「専門業者は今でもペーハーと呼んでいます。学校で習っても、現場ではそうではないということが多々ありますよ」(Aさん)

つボイ「どこの現場かわからないけど、ぺーハーは残っています」

昭和生まれには、どこかでペーハーが残っていて欲しいという気持ちがあるのかもしれません。

ミリバールからヘクトパスカル

他にも、教科書に載っている言葉が私たちの頃とはいろいろ違っているものがあります。
理科では気圧を表す記号ヘクトパスカル(hPa)、これは1992年に国際単位系にあわせて変更されました。

小高「すぐにテレビラジオの天気予報が『今日からはヘクトパスカルと表記します』と、ころっと変わりましたね」
つボイ「昔はミリバールでしたね」

ヘクトパスカルのパスカルはフランスの科学者のパスカルから来ています。「人間は考える葦である」や「パスカルの原理」の人です。

小高「パスカル、パスカルに会わせてくれて―それはラスカルや」
つボイ「あらいぐまラスカル?」

小高「洋菓子のパスカル」
つボイ「パルナスや。わけがわからん、あんたの言うことは」

小高は、ずっとまじめに解説していたので、急にボケ倒したくなった様子です。

教育は変化している

日本史では鎌倉幕府の成立した年について、最近はあまり口にされることがなくなりました。
最近の中学校の歴史では、頼朝が幕府の制度を整えたのは1185年とされており、1192年は源頼朝が征夷大将軍に就いた年と教えています。
また、日本最大の前方後円墳である仁徳天皇陵は「大仙陵古墳」または「大仙古墳」と呼ばれています。

国語では一部の漢字で書き順が変わっています。
親が書き直したら、今の教育では間違いということもあるのです。

地理ではその国の事情で名称あるいは読み方が変わったりします。
例えば大関に昇進した栃ノ心の出身は以前グルジアと呼ばれていましたが、今はジョージアとなっていますね。

高級車はベンベと呼べない

おたよりも届いています。

「メルセデスベンツAMGはアーマーゲーと思っていたら、エイエムジーなんですね」(Bさん)

つボイ「僕らBMWはベーエムベーと言っていましたよ」
小高「ベンベとか」
つボイ「あれも今は言わないらしい。今はビーエムダブリュー」

小高は「何気なく言った言葉に世代感が出てしまって、若者にくすっとされるみたいなことがあるので、いろいろ知っておくといいかもしれませんね」と解説を締めました。

つボイは「ホントですね、スパッツがレギンスだったり」と、こそっとぼやきました。

ファッションは一番変化が速いですね。昭和生まれは、一周回ってまた戻ってくるのを待ちましょうか。
(みず)
つボイノリオの聞けば聞くほど
この記事をで聴く

2018年06月04日11時10分~抜粋

関連記事

あなたにオススメ

番組最新情報