CBCのスポーツアナ江田亮がスポーツの一口知識を伝える『多田しげおの気分爽快~朝からP•O•N』(CBCラジオ)の「江田亮のスポーツの小枝」。
5月24日のテーマは「消える学校のプール」。
最近水泳の授業をなくす学校が増えているそうです。その背景について江田アナが解説します。
22年で7,000のプールが消えた
江田「ちょっと早い怪談ではありません。実際に日本の小中学校からプールの存在がどんどん消えていってるという社会的なお話です」
新設学校の場合は最初からプールを作らない、またはプールを運営してた学校は運営を辞める方向なんだとか。
30年ほど前の1996年度は、およそ2万8千校の小中学校にプールがあったそうです。
それが4年前の2018年には、およそ2万1千校まで減少。
およそ7千校でプールがなくなったことになります。
新設学校の場合は最初からプールを作らない、またはプールを運営してた学校は運営を辞める方向なんだとか。
30年ほど前の1996年度は、およそ2万8千校の小中学校にプールがあったそうです。
それが4年前の2018年には、およそ2万1千校まで減少。
およそ7千校でプールがなくなったことになります。
水泳の授業はどこで?
現在は民間や自治体の屋内プール、スイミングスクールが各地に作られています。
水泳の授業はそういうプールを借りて行っているそうです。
生徒は、学校からバスで移動。さらに民間のインストラクターにお願いして水泳の授業をする形態。最近は珍しくないという江田。
多田「以前学校の部活がどんどん縮小されていって、『部活は地域でやります』という話があったけど、やり方としては何か似てません?」
江田「いろんなものが外に出ていっている、そういう流れですよね」
水泳の授業はそういうプールを借りて行っているそうです。
生徒は、学校からバスで移動。さらに民間のインストラクターにお願いして水泳の授業をする形態。最近は珍しくないという江田。
多田「以前学校の部活がどんどん縮小されていって、『部活は地域でやります』という話があったけど、やり方としては何か似てません?」
江田「いろんなものが外に出ていっている、そういう流れですよね」
温暖化の影響
江田「これは3つ理由があります。ひとつが気候変動です。プールは暑い夏の時期にやりますが、暑すぎるということです」
学校の屋外プールは日影がない上、紫外線の問題もあるそうです。学校のプールにパラソルを立てるわけにはいきません。
最近はゲリラ豪雨が多く、1時間前までは晴れていたのに、授業が始まったとたん大雨になるということも。
こういうことが多々あり、屋外プールでの授業時間が確保できない問題もあるそうです。
学校の屋外プールは日影がない上、紫外線の問題もあるそうです。学校のプールにパラソルを立てるわけにはいきません。
最近はゲリラ豪雨が多く、1時間前までは晴れていたのに、授業が始まったとたん大雨になるということも。
こういうことが多々あり、屋外プールでの授業時間が確保できない問題もあるそうです。
予算がない
プールが消えるふたつ目の要因は予算です。
江田「いまプールって消火栓の代わりに水を溜めておいたりするじゃないですか。ですから水道代だけで、だいたい年間150万円ぐらいかかるんです」
これに対して、外部に委託した場合は300万円。
一見そちらの方が高く見えますが、水道代だけではなく、設備の維持費、施設が劣化してきた時に伴う改修費、電気代など諸々を長期的にみると、学校で運営するより外部に委託した方が安いそうです。
江田「いまプールって消火栓の代わりに水を溜めておいたりするじゃないですか。ですから水道代だけで、だいたい年間150万円ぐらいかかるんです」
これに対して、外部に委託した場合は300万円。
一見そちらの方が高く見えますが、水道代だけではなく、設備の維持費、施設が劣化してきた時に伴う改修費、電気代など諸々を長期的にみると、学校で運営するより外部に委託した方が安いそうです。
教師に大きな負担
3つ目の要因は教師の負担です。
江田「水泳を見るための先生ってほとんどいないと思うんですよね。でも水泳ってこどもたちの生命に関わるので、監視もすごく注意しなきゃいけない」
その他、水質のチェックや細かいことを含めると、教師の負担がとても大きいそうです。
負担軽減のために外部委託、というのは先に話に出た部活と同じ構造。
部活との違いは、部活は授業のプラスアルファの行事。水泳はあくまでも授業。
「本当は先生がしないといけないんじゃないの?と思いますが、いろんな仕事がたくさんあるのでしょうがないのかも…」と納得のいかない多田です。
江田「水泳を見るための先生ってほとんどいないと思うんですよね。でも水泳ってこどもたちの生命に関わるので、監視もすごく注意しなきゃいけない」
その他、水質のチェックや細かいことを含めると、教師の負担がとても大きいそうです。
負担軽減のために外部委託、というのは先に話に出た部活と同じ構造。
部活との違いは、部活は授業のプラスアルファの行事。水泳はあくまでも授業。
「本当は先生がしないといけないんじゃないの?と思いますが、いろんな仕事がたくさんあるのでしょうがないのかも…」と納得のいかない多田です。
海外を見てみよう
江田「世界的に見ると、学校にプールがあって水泳の授業があるのは非常に珍しいことだそうです」
中国や韓国は基本的に学校にプールがなく、アメリカには授業はあるものの、プールは校外。
先進国でプールがあるのは、日本とオランダだけだそうです。
なぜ、この違いがあるのかと言うと国土の問題。
日本は四方を海に囲まれ、かつ河川も多い国。
オランダは国土の大部分を埋め立てで、その30パーセントは海抜0メートル地帯です。
江田「日本もオランダも水害が多くて、昔は泳げないと生きていけなかったんです。そのために水泳の授業が当たり前にあって、今も残っているということです」
中国や韓国は基本的に学校にプールがなく、アメリカには授業はあるものの、プールは校外。
先進国でプールがあるのは、日本とオランダだけだそうです。
なぜ、この違いがあるのかと言うと国土の問題。
日本は四方を海に囲まれ、かつ河川も多い国。
オランダは国土の大部分を埋め立てで、その30パーセントは海抜0メートル地帯です。
江田「日本もオランダも水害が多くて、昔は泳げないと生きていけなかったんです。そのために水泳の授業が当たり前にあって、今も残っているということです」
じゃあ、どうしたらいいの?
多田「将来的に、絶対水泳の授業はなくしましょうという方向に行くでしょ?水泳の授業をなくしてしまっていいの?泳げないといけないんじゃない?」
最近は河川の堤防も整備されています。海のレジャーでは救命胴衣を着けるのが当たり前。しかし、現状の学校の状態を考えると、水泳の授業は選択制になっていくのでは?というのが江田の見解。
多田「私も一応泳げます。水難事故で命を救えるか?と言ったら難しい。授業で水泳をやったぐらいでは役に立たんのかねえ?」
江田「でも着衣泳とかやりましたよね?」
多田「そうや。となると必要」
江田「でも、施設のプール借りて、服で飛び込むわけにもいきません。どうしていいのか悪いのか」
部活然り、プールの授業然り。現在の体育はターニングポイントを迎えているのです。
(尾関)
最近は河川の堤防も整備されています。海のレジャーでは救命胴衣を着けるのが当たり前。しかし、現状の学校の状態を考えると、水泳の授業は選択制になっていくのでは?というのが江田の見解。
多田「私も一応泳げます。水難事故で命を救えるか?と言ったら難しい。授業で水泳をやったぐらいでは役に立たんのかねえ?」
江田「でも着衣泳とかやりましたよね?」
多田「そうや。となると必要」
江田「でも、施設のプール借りて、服で飛び込むわけにもいきません。どうしていいのか悪いのか」
部活然り、プールの授業然り。現在の体育はターニングポイントを迎えているのです。
(尾関)
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