多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

ガイドブックには決して載らない、メジャーリーグへの行き方

CBCのスポーツアナウンサー江田亮が、スポーツにまつわる一口知識を紹介する『多田しげおの気分爽快~朝からP•O•N』「スポーツの小枝」のコーナー。
12月7日放送分では「メジャーリーグへの行き方」を案内します。

と言っても旅のガイドではありません。日本からアメリカのメジャーリーグへはどういう方法で入団するのか?という話です。

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海外FA権で行くアメリカ

「大きく分けて3つの方法があります。1つは海外FA権の行使。そしてポスティングシステムの利用。その他の方法もあります」と江田アナウンサー。

1つ目の海外FA権について。まずFA権とは、フリーエージェント権の略。どの球団とも選手が自由に契約をできる権利のことをいいます。

もちろん誰でも持てる権利ではありません。シーズンで一軍にいた日数、145日を1年とカウントして、大体7年から8年一軍にいると、国内FA権が取得できます。これは国内のチームと自由に契約できる権利です。

そして9年いると、今度は海外FA権。海外のチームと自由に交渉する権利を持つことができるんです。
 

もっと早く行く方法

海外FA権の場合はどんなに短くても9年です。
そのため高卒で18歳でプロ野球に入っても、27歳まではアメリカに行くチャンスはありません。しかし大谷翔平選手は23歳でアメリカに行っています。これはなぜでしょう。

江田「海外FA権を持っていなくても、球団が選手の意思を尊重して、アメリカに行くことを認めてくれさえすれば、アメリカのチームに行くことができるんですね」

例えば話題の広島カープの鈴木誠也を例にとってみましょう。

鈴木誠也選手にはアメリカでプレーしたいという意思があります。広島カープがそれを認めることにしました。そこから後はどうなるのでしょうか?

ここから鈴木誠也選手はポスティングシステムを使って、アメリカの球団と交渉することになります。
 

ポスティングシステムの仕組み

鈴木誠也選手が欲しいアメリカの球団はいますか?と聞いた時に、手を挙げる球団がいるとします。
例えばヤンキースなどその他にも何チームかいたとします。

その次には…。手を上げてくれた球団の皆さん、鈴木誠也選手と合意に至り移籍となった時に、広島カープに譲渡金としていくら払えますか?という話になります。

金額の上限は2000万ドル。日本円にして約20億円と決まっています。
その中で一番高い金額を払える球団と、広島カープは交渉を進めます。
手を挙げたチームが複数いても、鈴木誠也選手が自由に選んで交渉できるわけではありません。

すべての球団が上限の20億円まで出せる場合は、選手は複数の球団と交渉することができます。
 

ウインウインの関係

球団にも、契約がまとまった場合は最高20億円が入ります。
鈴木誠也選手を移籍させた見返りに20億円が入ってくるので、広島としては旨みもあるわけです。

そのお金で違う選手を取ることもできますし、いろんな使い方ができるので、最近はポスティングシステムを容認する球団も増えているそうです。

ちなみに2006年、松坂大輔投手が、西武ライオンズからボストン・レッドソックスへ移籍した際はなんと60億円でした。西武は、このお金で球場や選手寮を整備したそうです。

譲渡金の高騰を問題視したメジャーリーグにより、2013年オフに上限を2000万ドル、約20億円に見直しました。
 

獲る側はちょっとリスキー

そもそも日本の球団がドラフトで新人を獲る時に、いつかメジャー挑戦する場合は認めるという契約もあったりするそうです。

譲渡金は交渉がまとまった時に、アメリカの球団が広島に払うお金で、鈴木誠也選手に払うお金とは別です。
鈴木誠也選手には、また別に契約金を払わなければいけません。さらに年俸がいくら、複数年契約ならいくら、と契約年数の問題も出てきます。

ですからポスティングシステムは、獲る側からするとお金がかかるシステムです。
 

第三の方法

江田「今の2つは、日本のプロ野球選手の場合です。これが日本のアマチュア選手の場合は全く違いまして、アマチュア選手の場合はいつでも自由にアメリカの球団と契約することができます」

海外FA権とポスティングシステムは、日本のプロ野球球団とアメリカの球団との取り決めです。なので日本のプロ野球球団に入っていない、例えば大学生や社会人のアマチュアはそのルールには縛られません。

大学4年生の時に、就職活動でヤンキースと交渉してもいいわけです。

江田「ヤンキースは、その選手に実績がない分、安いお金で獲ることができます。選手にとっても、早い段階でアメリカで挑戦できるというメリットはありますよね」
 

直接行く方法

日本のプロ野球を経ずしてメジャーに行った例は田澤純一選手がいます。社会人野球のENEOSからボストン・レッドソックスに直接行きました。他にもマック鈴木選手などがいます。

今シーズン、大活躍をした大谷翔平選手も、花巻東高校を卒業して、直接、アメリカに行きたいと言ってました。それを日本ハムファイターズが「まず日本で」と口説き落としました。結果的にそれが花開いたわけです。

高校生では、まだ精神的に成熟していません。何より言葉の壁がある異国の地で、レベルの高い野球をするのは簡単なことではありません。
大谷選手は、日本での時間があったからこそ、あれだけの活躍ができているということも言えます。
これからも多くの選手が、いろんな形でアメリカ、メジャーリーグへ挑戦していきます。

江田「バスケットボールの八村塁選手みたいに、大学からドラフトで1位で行った人もいたわけですから、きっと野球でもそんな人が出てくる未来もあるんじゃないかなと思います」
(尾関)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2021年12月07日07時38分~抜粋

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