多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

アウト、セーフはハッキリと。そんなプロ野球審判にある暗黙のルールとは?

スポーツの一口知識、こぼれ話などをCBCの江田亮アナウンサーが紹介する『多田しげおの気分爽快~朝からP•O•N』「スポーツの小枝」。
7月20日の放送ではプロ野球の審判について話題になりました。

どんなスポーツにも存在する審判ですが、プロ野球では、他のスポーツよりも存在感があります。
そのウンチクについて江田アナが紹介します。

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57人の審判

プロ野球の審判はNPB(日本野球機構)に所属しています。

よく試合で目にする一軍、二軍の現場でジャッジする審判は48人です。
その他に、全体をまとめる審判長が1名、公式戦のデビューを待っている育成審判員という人が5人います。

その他に、指導や手助けをするアドバイザリースタッフというOBがいます。
これらを全て合わせた57人いるということになります。
 

稼働する審判は1日あたり何人?

江田「大体一軍は5人1組で球場を動いていくんですね」

主審と塁審3人で4人。これに加えてアクシデントがあった時に交代できるように予備審判が1人。そういうことで一試合あたり合計5人の審判がいます。

一方、二軍の場合は3人とすこし少な目だそうです。

これらはひとつの試合(球場)での人数ですが、1日で最大何人の審判が動くのでしょう?

セ・パ両リーグの一軍で最大6試合、ということは30人の審判が必要です。

二軍は11チームあり、1日5試合です。
こちらは一試合3人の審判なので、5試合で15。一軍の審判30人を合わせると合計45人。
つまり最大で45人必要になるわけです。
 

審判への道

多田「昔は、もともとプロ野球の選手で、若くして辞めた選手が審判になっていたと思いますけども。そういう筋道が多いんですか?」

江田「昔はそうだったんです」

昔は野球の知識がある、体力がある、ということで引退した選手が務めることが多かったそうです。

江田「その他にも新聞の求人欄で審判募集、という時期が。アナウンサーもそんな時期がありましたもんね」

現在プロ野球の審判になる道は一つしかありません。
シーズンオフに毎年開催される 「NPBアンパイアスクール」という1週間の審判合宿に参加することなんだそうです。
 

人気職業?

「NPBアンパイアスクール」には定員があるので、入講するためには書類選考や面接があります。
合格すると1週間の合宿形式。NPBの審判がみっちり教えるんだとか。

1週間かけて教えつつ、センスを見つつの選考だそうで、採用される倍率は60~70倍と狭き門。

ただ人気職業かと言うと、そうでもないようです。

毎年、「NPBアンパイアスクール」への応募は、書類の段階で130人ほどしか来ないそうです。
採用されるのが1人か2人なので、結果的に高倍率になるということでした。
 

女性もなれる

「NPBアンパイアスクール」への応募規定は高卒以上で、性別も年齢も問いません。
男女同権の時代ですので、現在は女性へも門戸を開いています。
ちなみに、昔は男性のみ、身長175センチ以上などの規定があったそうです。

アメリカやメキシコのプロ野球では、女性審判が活躍しているそうです。
体力的に厳しく、休みも少ない審判。
野球選手と同じように動くため、なかなか男性には勝てないという面があります。
そのため、まだ日本ではプロ野球で活躍する女性審判は誕生していません。

しかし、ワールドカップや大学リーグでは、日本人の女性審判がいるので、プロ野球で女性の審判が誕生するのも、もうすぐかもしれません。
 

一軍までの長い道のり

「NPBアンパイアスクール」で採用されたら、どうなっていくのでしょうか?

江田「まず2年はグラウンドに立たない研修審判になります。そこから正式に採用されて、今度はNPBという肩書きがつき、NPB育成審判になります」

NPB育成審判になっても、すぐにはプロ野球のグラウンドには立てません。
独立リーグなどに研修として派遣され、そこからようやく二軍の審判へ。
一軍のグラウンドに立てるようになるのは、さらに3~4年かかるんだそうです。

江田「我々がテレビで見る人って、若い人もいますけども、あれでも7~8年ずっと、プロの世界で審判をやってきて、初めて一軍で審判できるようになるんです」
 

とにかくルールが多い

野球はスポーツの中でも最もルールが多いのではないでしょうか?そして、多い上に複雑です。

『公認野球規則』というルールブックがありますが、六法全書や国語辞典とは違い、試合中にわからないからといって引くわけにはいきません。

審判は、その現場で判断しなければならないので、この規則を全て頭に入れていないといけません。しかもルールは少しずつ変わり、更新されていきます。

江田「これがこうで、これこれがこうだって、あり得るプレーをずっと頭の中で復唱しながら、いつもイニング中に、ぶつぶつ言ってるベテラン審判もいるらしいですよ」
 

暗黙のルール

審判と言えば、アウトを宣告する時にポーズをとる姿を浮かべる方も多いでしょう。
しかし、このポーズは一軍の審判になれたとしても、4年間はやってはいけないのだとか。

これは規定ではなく、暗黙のルールだそうです。

江田「4年やって、自分のオリジナルの物が出来たら先輩審判に見せるんです。それならいいんじゃないかと言われて、初めてやれるんです」

そのため、キャンプやファームの試合でやっている若い審判は、まだ高校野球の審判のようなオーソドックスなスタイルなんだそうです。
 

気になる年収

そんな審判ですが、報酬はどれくらいあるのでしょうか?

江田「給与規定を見たわけじゃないので、ざっくりとしか言えませんが、最初の研修審判は年100万円ちょっと」

そこから育成審判になると約300万円。
ようやく一軍で審判できるようになると、手当などがついて1,000~1,500万円貰えるそうです。

しかし、審判は野球選手と同様に一年契約です。
辞めた後の退職金も、もちろん出ません。

江田「やっぱり、これは厳しい仕事ですよ」

野球が好きで、審判にロマンを感じてるからこそできるものなんですね。
 

人か?機械か?

近年はビデオ判定が導入されていますが、それでも疑問が残る判定があります。
将来は野球のジャッジをAIにやらせたら?という声もありますが…

江田「最近は映像が鮮明で、ミスジャッジや誤審がわかりやすくなりました。でも野球は人間同士が戦って人間が裁く。だから野球が野球らしくなる。いざAIに変えてみたら寂しいと思いますよ。

僕は、ジャッジミスも含めて野球だと思うので、そういう気持ちで、選手ともども審判も応援して、プロ野球を見て欲しいと思いますね」
(尾関)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2021年07月20日07時38分~抜粋

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