燃えよ!研究の志士たち

研究の志士たち!ノーベル賞候補熊本大学名誉教授が語る、今だからこそ、野菜の力

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研究者たちの個性が光ります

第28回 5月17日・24日
熊本大学名誉教授・東北大学特別招聘プロフェッサー 
前田浩(まえだ・ひろし)さん


 1938年、兵庫県生まれ。熊本大学名誉教授、大阪大学大学院医学系招聘教授、東北大学特任教授、バイオダイナミックス研究所理事長。

ドラッグ・デリバリー・システム(DDS *1)研究の世界的パイオニアで第一人者。
2016年、「がん治療における高分子薬物の血管透過性・滞留性亢進(EPR *2)効果の発見」で

トムソン・ロイター引用栄誉賞(*3)を受賞、世界のトップ5に選ばれ、ノーベル化学賞候補に挙がる。
日本がん予防学会会長、日本細菌学会会長、日本DDS学会会長、国際NO(一酸化窒素)学会会長なども歴任。

▼前田浩 (化学者)(Wikipedia)
▼産学官連携ジャーナル
▼研究論文と専門分野(科学研究費助成事業データベース)

※1 体内の薬物送達と放出を制御し、コントロールする薬剤システム。病気の局所のみに薬物を送達し、効果を高め、作用する。副作用の軽減、医療費の削減につながる。
※2 高分子薬剤が選択的にがんにとどまりやすい現象を発見し、「EPR効果」と命名・提唱。がんに薬剤をピンポイントで送れる。
※3 アメリカの調査会社トムソン・ロイターが、世界最高水準の学術文献データベースを用いて、学術論文の引用数などからノーベル賞クラスと目される研究者を選出し、卓越した研究業績をたたえる目的で物理学、化学、医学、生物学などの分野で引用栄誉賞として顕彰している。

 





研究者たちの頭脳で生まれる、幾千億のインスピレーションの種。
やがて、その種がこの地球の未来を創る。
 

ファイトケミカル=植物の力
(以下、https://tokusengai.com/_ct/17261256から引用)

活性酸素が体内で過剰に発生すると、遺伝子を傷つけ、正常細胞が突然変異を起こしてがん細胞になります。
活性酸素をうまく消去することが、がん予防に直結するのです。

私たちの体には、活性酸素を消去する物質を作る働きが備わっています。ところが年齢とともにこの働きは低下し、活性酸素を処理しきれなくなります。

そこで、役立つのが野菜スープです。野菜には活性酸素を消去するさまざまな抗酸化物質が含まれています。

代表がファイトケミカル(植物が紫外線や害虫などから身を守るために作り出す物質の総称。植物の色素や香り、苦味などを構成する成分)です。

トマトのリコピン、ホウレンソウのルテイン、ニンジンやカボチャのカロテノイドなど、ファイトケミカルは、身近な野菜に豊富に含まれています。

ファイトケミカルのがん予防に関する研究は欧米を中心に進み、発がん物質の解毒、がん細胞の成長・増殖抑制、がん細胞への攻撃力強化などの働きが認められています。野菜を十分に食べ、ファイトケミカルをとることががん予防の最善策といえましょう。

野菜は生よりもスープのほうが抗酸化力が強い

しかし、野菜を生でそのまま食べた場合、ファイトケミカルはわずかしか吸収できません。

ファイトケミカルの多くは、野菜の細胞の中にあります。ファイトケミカルを取り出すには、細胞壁のセルロースを壊さなくてなりませんが、
野菜を嚙んだり、包丁で刻んだりした程度では大半の細胞壁は壊れません。

また、人間の体内では、セルロースを消化できないので、細胞の中の有効成分を吸収できないのです。実際、生野菜を食べた後の便を観察すると、
野菜の細胞が未消化のまま、便に排泄されているのが確認できます。

細胞壁を壊すのにいちばん簡単な方法が、野菜を加熱し、スープにすることです。
野菜を10分も煮れば、細胞が破裂して、細胞内の有効成分は8割方スープに溶け出すからです。

野菜スープには、ビタミン類、ミネラル類など、ファイトケミカル以外の有効成分も丸ごと溶け出しています。野菜スープをとることで、生野菜のサラダとは比較にならない、強力な抗酸化パワーを得られます。


前田浩さんの詳しいプロフィールと、研究室の活動はこちらから↓↓




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