健康ライブラリー 2019年7月21日

健康ライブラリー / ライフ・ヘルスケア
●教えてドクター 
★7月のテーマ「地域医療と医学教育」

名古屋大学医学部 地域医療教育学講座
岡崎 研太郎 先生

若い医学生に対する現場に即した教育の手法として、当講座では演劇を上手に取り入れていこうという取り組みをしています。これまで実際に行ったものとしては、地域でデイサービスセンターに通っていらっしゃる要介護・要支援の高齢者の方々(70代、80代、90代の方々)に対しプロの俳優さんを2人ほど京都から呼び、学生さんも一緒になって劇を作り発表会まで行いました。高齢者は一般には「支援を受ける人」、「お世話をされる人」、「弱い人」(バルネラブルといった言葉で表現されます)であると捉えられています。しかし、実際に一緒に劇をやってみると、90代の方がセリフを完璧に覚えていらしたり、俳優さんとのアイコンタクトや間合いを上手にとったりというような、日常生活からはおよそ考えられないようなレベルの、高齢者の内に秘められた力に気づかされるという発見がありました。高齢者の方がもともと持っていた人柄や人生観を再発見する能力を磨く機会にもなりました。また、多職種連携教育、チーム医療に関する教育にも力を入れています。同僚の末松先生が中心となり、糖尿病の患者さんに病気や食事・運動・薬などについて学んでいただく「糖尿病教室」を、毎年学生主体で実施しています。ここでは医学生だけでなく看護、栄養、薬学、リハビリなど様々な専門の学生が混合チームで一緒に企画運営をしています。このような過程を通じて、他の職種への尊敬の念(リスペクト)が自然と生まれてきます。「看護の学生さんは自分達が思ってもみなかったような、患者さんの生活の視点に気づいているんだな。」とか、「さすが栄養士になろうとしている学生さんは食事について気を配るポイントが違うよね。」という発見があると言っています。卒業した後、それぞれ専門職として働くうえでも、非常に良い効果があると言われています。
 
 
●スマイルリポート ~地域の医療スタッフ探訪
紺野 佑衣 さん(「糖尿病・内分泌 内科クリニックTOSAKI」管理栄養士)

★力を入れて取り組んでいる事
糖尿病の患者さんで通院を中断される方は1年間に8.25%もいらっしゃいます。当院ではそういった患者さんを減らすために楽しんで通院していただける工夫をしています。その一つとして「糖尿病教室」があります。「糖尿病教室」は毎月第3土曜日の12時45分から開催しており、食事を食べながら医師・看護師・管理栄養士の話を聞いてもらいます。この食事は管理栄養士が考えたメニューで手作りの時もあり、患者さんからも好評です。私たち管理栄養士は患者さんに喜んでもらえるメニューを考えることにも力を入れています。もう一つの取り組みとして当院では診察の待ち時間を利用して、1分程度のミニ栄養指導を実施しています。こちらの1分栄養指導は月ごとにテーマが変わります。A4サイズの資料を使用し、要点をしぼって食事のワンポイントアドバイスをしています。1分栄養指導を開始して5年程たちまして、新たな試みとして今年から1分栄養指導の資料をクイズ形式にした、クイズリーフを作成しました。クイズ形式にすることで、「新鮮だね」と言ってくれる方もみえました。

★心に残るできごと
先程も申し上げましたが、当院では診療の待ち時間を利用して1分程度のミニ栄養指導を実施しています。1分栄養指導をしても、あまり反応が良くなく手ごたえを感じられない方がいたのですが、毎月行っていると、ある日「この時間は有意義だよ。」とおっしゃっていただいた時がありとても嬉しく印象に残っています。栄養指導を通じて良い方向に行動が変わっていく姿は、どれも心に残っています。

★心に残るできごと
糖尿病には3大合併症の一つである糖尿病腎症のために透析を導入される患者さんは年間1万6千人前後と言われています。合併症を含んだ糖尿病の医療費全体は年々増加傾向にあり、合併症予防が課題となっています。合併症の予防のためには血糖コントロールが優先となりますので、当院ではそれぞれのライフスタイルに合わせた無理のない治療方法を提案しています。また腎臓にダメージが出て来ている方には、尿検査から普段接種している塩分量がわかる検査を勧め減塩の指導にも取り組んでいます。
 
 

 
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