カトリーナの全部全力!

韓流ブームに終焉の兆し?原田曜平が読み解く「アジアミックス時代」の到来

CBCラジオ『カトリーナの全部全力!』、トレンド学園の生徒会長・カトリーナこと加藤里奈が、今流行りのモノやコトをわかりやすく伝える「はやり~な」のコーナー。

4月6日の放送には、マーケティングアナリストで芝浦工大デザイン工学部UXコース教授の原田曜平さんが登場。韓流ブームが落ち着きを見せるなか、新たに注目されている“アジアミックス”のトレンドを解説しました。

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韓流ドラマの凋落

「おそらく日本のメディアでは5年後か10年後に報じられることになるでしょう」と切り出す原田さん。これまで長年、メイクやファッションなど様々なトレンドの発祥地といえば韓国でしたが、この状況に変化が見られるといいます。

例えばドラマでは、かつては『冬のソナタ』が、近年では『イカゲーム』『愛の不時着』『梨泰院クラス』などが大ヒットしましたが、原田さんによると日本の若者の間では『涙の女王』以降、爆発的なヒットは元より、スマッシュヒットも減少傾向。

Netflixのランキングを見ると、少し前まではすべて韓流だったものの、今やアニメと日本のドラマが主流のようです。

K-POPにも変化の兆し

K-POPについても変化が見られます。IVEやNewJeansはもちろん人気ですが、原田さんは「その下の世代が日本であまり広がっていない」と指摘します。ちなみに原田さんの推しはNewJeansのミンジだそうです。

メイクに詳しい女性数人と前日まで韓国のZ世代調査に行っていた原田さんは、メイクから食品まで、全般的に「あまり新しいものが出なくなっている」状況を実感したといいます。この傾向は新大久保でも同様に見られるそうです。

「ここ10年、15年の韓国は本当にすごかったんですけど、もうちょっと、もうネタが出尽くしてる感が正直言うとあります」と原田さん。

この変化は「そのうち感度の高い女子高生や女子大生が気づき始め、その後の5~10年で上の世代まで届く」と予測します。

上海の「ぬい活」事情

今、日本で流行り始めているのは「上海とバンコク」と原田さんは指摘します。

たとえば上海は、「ぬい活(ぬいぐるみ活動)の聖地」として注目を集めています。「スターバックスのようなカフェにクマちゃんのぬいぐるみが張り付いている」「カーディガンのボタンが大きいぬいぐるみ」など、ぬいぐるみ文化が浸透しているといいます。

原田さんは実際にカーディガンを買ってみたものの、顔に当たったりとブラブラ邪魔で、結局ボタンである大きいぬいぐるみをとってしまったそうです。

「中国コスメも日本のドラッグストアの棚に並び始めている」と原田さん。「SHEIN」「Temu」などのE Cサイトでも、洋服や雑貨などがかなり購入されるようになってきていま
す。

流行りの「TikTok」も中国発のサービス。感度の高い女性の間では、中国版Instagramこと「RED(小紅書)」の閲覧がトレンド感度の高いZ世代女子には見られるようになっているとのこと。

中国発のファッション、ぬいぐるみ文化に加え、メイクの仕方や写真の撮り方など、若者の間で上海を中心としたさまざまな「華流」トレンドが静かに浸透し始めているのです。

バンコク発の文化も注目

タイ・バンコクからも新たなトレンドが流入しています。若者に人気の「バターベア」というクマのぬいぐるみもタイ発。「BLACKPINK」のリサもタイ出身で、彼女を通じてタイの文化が発信され、世界的に影響を与えているといいます。

タイのBLやGLドラマも注目を集め始めており、「すでに日本に来かけている」と原田さん。これらはYouTubeで無料視聴できるものもあるそうです。

また、興味深いことに、「タイで流行っているのはベトナムファッション」なのだとか。

原田さんは「何が言いたいかというと、決して韓流ブームがなくなるよと言っているわけではなくて、下火になって、日本も含めてアジアのいろんなところからトレンドが発信されて、“アジアミックスの時代”になり始めていますよという話」と説明します。

「アジアミックス」の可能性

この変化はビジネスにも大きな影響を与えると指摘する原田さん。これからの時代、アジア全体を視野に入れることで新たなビジネスチャンスが広がる可能性があるといいます。

原田さんによれば、日本で人気を集めた商品がアジア全域に広がる可能性も高まっているとのこと。中国は少子化が進んでいるとはいえ、10代と20代それぞれに2億人規模の市場があり、東南アジア全体では6億人というマーケットが広がっていることを指摘します。

注目すべきは、人口減少が進む日本市場だけを見るのではなく、「アジアミックスの時代」を意識すること。日本の若者をターゲットにした商品開発が、結果的に巨大なアジア市場への足がかりになる可能性があるというのです。

原田さんは「これを覚えておくと、5年後か10年後ぐらいに『これだったんだ』という風になると思います」と締めくくりました。

韓流から「アジアミックス時代」へ。変わりゆくトレンドの行方と、その中に広がるビジネスチャンス。原田さんの一歩先を行く視点に、次のトレンドを見つけるヒントが隠れているかも?
(minto)
カトリーナの全部全力!
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2025年04月05日14時29分~抜粋

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