少子高齢化などにより、後継者難が中小企業や小規模事業者の大きな経営課題の一つとなっており、元気なうちに資産の管理や次世代へのスムーズな承継を考えるための資産の終活を専門家に聞いてみました。
10月23日放送の『北野誠のズバリ』「シサンのシュウカツ」では、東海地区の戸建て建築設計業の承継事例を北野誠と松岡亜矢子が、三井住友トラストグループ 株式会社経営承継支援・はじめ部長の藤原秀人さんに伺いました。
経営状況も安定なのに
今回藤原さんが紹介したのは、東海地区の戸建て建築設計業の事例。
藤原「年商10億円ほどで、従業員さんも10名ほどの、愛知県を中心に富裕層向けの高級住宅戸建て設計と販売を手掛けていた」
決算状況も良好でかなり安定していた企業だったそうです。
北野「良好なのになぜM&Aしたんですか?」
藤原「社長さんが70歳近くの高齢になられたのと、社内での承継候補者が退職されてしまったこと」
北野「辞めちゃったんですね」
スピード成約ができた2つの理由
買い手会社はどのような会社だったのでしょう?
藤原「関西で建築部品の卸業をされている会社さんで、年商は30億円ほど」
承継の話はスムーズに進んだのでしょうか?
藤原「売り手社長さんが70歳退任を目標に早期の譲渡を希望し準備していていたこともあり、業績も好調でしたので受託から約4ヶ月で成立となりました」
北野「早いな!なんでそんなに早いの?」
「スピード成約に至った理由は二つある」と説明する藤原さん。
ひとつ目は「買い手アドバイザーの提案力」がとてもよかったこと。
近年、M&A会社の中には、十分な調査もせずに、買い手に譲渡案件を提案しクレームになっている話もありますが、今回の買い手アドバイザーは、「なぜこの買い手なのか」「買い手が興味を示す明確な理由とシナジー効果」をあらかじめ把握した上でのマッチング提案だったため、トップ面談まで早く進めることができたそうです。
ふたつ目は「買い手社長の交渉力と調査力」が長けていたこと。
トップ面談の場面でも、買い手が対象会社をよく調べた上で「承継後にどうすればよくなるか」という考えをもって面談に望んだので、初手から意気投合した中でスムーズに話が進んだそうです。
北野「アドバイザーさんも、買い手の社長さんも優秀だったんですね」
当初評価額よりも高額で承継
買い手社長が明確なシナジーなどがあったため、さらに譲渡金額も「当初の評価額よりも高い金額で承継することになった」と藤原さん。
北野「そんなことあるんだ!売り手社長もめちゃ嬉しいね。売り手社長も安心して退任することができたでしょうね」
「買い手の社長さんが優秀に調べられたから」と感心しきりです。
藤原「一緒になったらもっと価値が出るぞって評価につながると」
事業承継の事前準備の大切さを伝えた藤原さんでした。
(野村)
北野誠のズバリ「カイシャのシュウカツ」
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2024年10月23日14時49分~抜粋