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北野誠のズバリ「カイシャのシュウカツ」

二兎を追うより断ち切ろう。「判断力」が事業を左右する

2024年09月15日(日)

ライフ・ヘルスケア

昨今少子高齢化により、中小企業や小規模事業者の後継者不足などが大きな経営課題のひとつとなっています。承継する人がいない場合は廃業するしかないと考える経営者もいます。

CBCラジオ『北野誠のズバリ』のコーナー「カイシャのシュウカツ」では、事業承継について、専門家をゲストに多方面から学んでいます。

9月11日の放送では、電子部品の製造業の承継事例を北野誠と松岡亜矢子が、三井住友トラストグループ 株式会社経営承継支援・はじめ部長の藤原秀人さんに伺いました。

事業の一部「非中核事業」の売却とは

今回藤原さんが紹介したのは、電子部品の製造業の承継事例。

藤原「年商はおよそ7億円で、従業員さんは50名ほどでした。オーナーさんは50代後半で、もともとは複数の事業を展開していた」

数年前に新規事業として電子部品の製造業に進出していたそうです。
新規事業を始めているくらいなので「まだまだやる気があったんだね」と北野。
今回はどのようなM&Aだったんでしょうか?

藤原「会社自体の売却ではなく会社の一部門である非中核事業の売却、というM&A」

「非中核事業」というのはどのような事業なのでしょう?

複数の事業を展開する企業で中核となるコア事業ではない事業のことを言い、コア事業
ではないという意味で「ノンコア事業」と呼ばれたりもします。

複数の事業を展開している企業は、あるタイミングで赤字事業を見直し、将来成長が描きづらい事業を売却することがあります。

共倒れをしないために

今回のM&Aは、前述した数年前に始めた新規事業である電子部品の製造業が売却事例となりました。

北野「ということは、その新規事業はあまりうまくいっていなかった?」

藤原「成長分野ではあったのですが、想定した以上に、多額の設備投資がかかり、資金が枯渇してきて、本業にも影響してきた」

このままだと継続的な負担が重なり、他の事業ごと共倒れになるリスクがあると、最終的にオーナーの決断で事業を売却することにしたそうです。

買い手はどのような会社だったのでしょう?

藤原「東京にある同業の電子部品関連業をされている会社さんで、年商は200億円の大手企業さん」

この買い手会社も比較的早めに見つかったそうです。同業なのでスムーズに話は進んだのでしょうか?

藤原「やはり成長している分野の事業であり、買い手さんは資金も潤沢なので、成約もスムーズにいきました」

思い入れを断ち切る判断力

北野「非中核事業・ノンコア事業を売ることによって、他のところは大丈夫になる?」

藤原「はい。非中核事業を売却することで会社自体の財務状況、お金を垂れ流すことは止まったということで安定した」

一方で新規事業には経営者の思い入れが強く、経営悪化でもなかなか撤退・売却の決断がつかず、借金を重ねてでも進めようとすることが多いよう。

北野「ズルズルいくよね」

藤原「今回のオーナーさんのように、先を考えて売却という判断をしたのは、すごい決断だったなと思います」

これまで番組では会社自体の売却というM&Aを多く紹介してきましたが、このような会社の中の一部の事業だけを売却するという事例は初めてです。
北野はこのような決断をしたオーナーの「判断力」に感服したようです。
(野村)
 
北野誠のズバリ「カイシャのシュウカツ」
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2024年09月11日14時49分~抜粋
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