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北野誠のズバリ「カイシャのシュウカツ」

実は難しいタクシー会社の事業承継。成功を引き寄せたのは地元の縁

2024年07月07日(日)

ライフ・ヘルスケア

昨今少子高齢化により、中小企業や小規模事業者の後継者不足などが大きな経営課題のひとつとなっています。承継する人がいない場合は廃業するしかないと考える経営者もいます。

CBCラジオ『北野誠のズバリ』のコーナー「カイシャのシュウカツ」では、事業承継について、専門家をゲストに多方面から学んでいます。

7月3日の放送では、東北にあるインテリア企画販売会社の承継事例を北野誠と松岡亜矢子が、三井住友トラストグループ 株式会社経営承継支援・はじめ部長の藤原秀人さんに伺いました。

地元では必要なタクシー・バス

今回藤原さんが紹介したのは、東北のローカルタクシー&バス会社さんの承継事例です。

藤原「年商は4,000万円、資本金は400万円。東北の公共交通機関が整備されていないエリアで、お年寄りの交通手段や子供のスクールバス、役所から委託されて路線バスを運行などされていました」

この会社の社長は家業を継いだ2代目で、年齢は50代前半です。なぜM&Aをしたのでしょうか?

藤原「自分で違う事業をやりたいと思い譲渡されました。(今までは)ほぼ、毎日休みもなく社長と奥さんでやっていた」

北野「そんなに従業員も多くなかったのでしょうから、フロントに立っても大変だったんでしょうね」

社長と妻は常に電話番などをして忙しく働いていたそうですが、譲渡する決意をしたのは、妻が体調を崩したことがきっかけとのことです。

タクシー業界のM&Aは多いの?

タクシー業界のM&Aは多いのでしょうか?

藤原「十何年ほど前に1件やった経験があるんですけど、最近はあまり聞かないです」

タクシー業界では需給調整などにより、15~6年前に増車がきなくなった時期がありました。当時はM&Aで同業者を譲り受け、車両数を増やすことが活発に行われていたそうです。

藤原「直接大手会社に、引き取ってくれっていうの(やり取り)もあったらしい」

北野「今はタクシーのエリアも決められていますよね。僕らも遠いところに行った時にタクシーを呼ぼうと思ったら大変。『そのエリア入っていないですよね』って言われた」

タクシーには「特措法」というのがあり、特定地域に指定されたタクシー事業者はタクシー業界の事業適正を図るために、北野が話すように増車や範囲を広げるのに制約がかかるとのこと。そのため市場では数での勝負は、ではなくなってきているそうです。

北野「いまUberとか配車アプリとか進出してきていますもんね」

藤原「今後もライドシェアとか…」

「現実的には、騒ぐほどまだ進んではいないらしい」と藤原さん。とはいえ、今後はマーケットやタクシーの在り方もゆっくり変わっていくのかなと予測します。

偶然に「地元の縁」が繋ぐ

このような状況で買い手は見つかったのでしょうか?

藤原「大手タクシー会社は、最低でも30台くらい以上車両がないと採算がとれません。今回は10台も満たない規模なので買い手を見つけるのに苦労しました」

そんな中、北関東地区のタクシー&バス会社に提案がもちかけられます。
実は売り手のエリアである東北の地域が、この買い手社長の出身地だったのです。

北野「すごい偶然」

藤原「ここが日本の事業承継たるところなのですが…『これも何かのご縁、この事業は存続させなければならない』と前向きに検討しました」

売り上げが見込めないタクシー会社ですが、コストを見直せば利益も出るということが後押しとなり無事M&Aが成約しました。

北野「M&Aに登録すると、こういった偶然が重なることはあるの?」

藤原「はい」

今回は「地元の縁」によって成約にたどり着いた案件でした。
「M&Aはいろいろなところにアタリをつける方がいいね」と偶然に出会えた縁に感心しきりの北野でした。
(野村)
 
北野誠のズバリ「カイシャのシュウカツ」
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2024年07月03日14時53分~抜粋
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