北野誠のズバリ「カイシャのシュウカツ」

小規模会社の承継がうまくいく3つのポイントとは?

昨今少子高齢化により、中小企業や小規模事業者の後継者不足などが大きな経営課題のひとつとなっています。承継する人がいない場合は廃業するしかないと考える経営者もいます。

CBCラジオ『北野誠のズバリ』のコーナー「カイシャのシュウカツ」では、事業承継について、専門家をゲストに多方面から学びます。

3月13日の放送では、関西で特殊な商材を扱っている会社の承継事例を北野誠と松岡亜矢子が、三井住友トラストグループ 株式会社経営承継支援・はじめ部長の藤原秀人さんに伺いました。

[この番組の画像一覧を見る]

ポイント1)小規模人数のメリット

前回に続き、今回も関西で特殊な商材を扱われている食品卸売業の承継事例。
成功したポイント3つを藤原さんが紹介しました。

創業40年の老舗の会社で従業員は5人の小規模事業者。M&Aを希望した理由は社長の高齢のためでした。

長年付き合いのある会社が手を挙げて株式が譲渡されました。
しかし経営陣は送り込まれず、新社長も元従業員の中から選ばれ、事業運営はもとの従業員に委ねられました。

今回の成功事例ポイントのひとつ目を語る藤原さん。

藤原「今回の会社さんは従業員が5名の小規模事業者であったので、組織の変化に非常に対応しやすかった」

従業員5名の中から1名が社長になりましたが、残りの4名が納得すればすぐに新体制に移るが可能です。マネージメント経験のない従業員が社長になった会社としてはやりやすかったと説明する藤原さん。

北野「小規模事業者だとM&Aをしにくいと思ってる方も多い?」

藤原「最初からM&Aは無理と諦めている会社さんは多いです。今回みたいな5名であったり、私がやったのでいうと2名というところもあるので、まずは相談してほしいです」

ポイント2)無理しなくていい

2つ目のポイントについて「ここが大事!」と念押しする藤原さん。

藤原「一般的にM&Aとは成長戦略みたいなことを言うのだけど、譲り受けた会社の社長が『無理に新しく何かやらなくてもいいよ』と。これまでの延長戦上で無理をしないで運営をしていこう」

親心を持ったようなポジティブな考えが成功要因になっているそう。
ついつい頑張ってしまう人が多い中「自分の出来ることから始めて」と支えてくれたことが大きいようです。

ポイント3)信頼関係の構築の大切さ

3つ目のポイントは何でしょう?

藤原「信頼関係の構築。譲り受けた先の社長さんとの信頼関係ができて、残り4名の従業員さんとも人間関係が良好でした」

さらに、引退した元社長と従業員との仲も良かったようで、そもそも人間関係が非常によく築かれていたことが成功のポイントだと藤原さん。

北野「ついついM&Aというと、金額ばっかり目がいきますけど、そうでもない?」

藤原「やはり金額の大きい小さいというところに注目されるんですけど、M&Aの後を見ていくと、利害関係者との調整が非常に大事」

M&Aが進行している途中で反対されても大変です。これからM&Aを検討されている方は、スムーズに進めるためにも人間関係を整理しておくのが重要だと念を押す藤原さん。

この会社はM&Aの後、どうなっているのしょうか?

藤原「新しく入った従業員さんもいて利益も出されている。事業承継はうまくいっています」

さらに新社長が望むのなら、譲渡先の社長から少しずつ株式を譲り渡していく話もあるそうです。

北野「すごいですね!人間関係がよくできているからそういうことになるんですね」

「今回は、非常に人情味にあふれた案件だ」と胸を熱くする藤原さんと北野でした。
(野村)
 
北野誠のズバリ「カイシャのシュウカツ」
この記事をで聴く

2024年03月13日14時49分~抜粋

関連記事

あなたにオススメ

番組最新情報