北野誠のズバリ「カイシャのシュウカツ」

歴史や伝統を否定しない。地元密着の会社を引き継いだ新社長の言葉

昨今少子高齢化により、中小企業や小規模事業者の後継者不足が大きな経営課題のひとつとなっています。
CBCラジオ『北野誠のズバリ』のコーナー「カイシャのシュウカツ」では、事業承継について、専門家をゲストに多方面から学びます。

11月29日の放送では、岡山を代表する老舗の建設企業のN&A事例について、北野誠と松岡亜矢子が三井住友トラストグループ 株式会社経営承継支援・はじめ部長の藤原秀人さんに伺いました。

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創業100年、老舗建築会社の廃業を阻止

今回紹介するのは、1900年初期に創業した岡山を代表する老舗の建設企業の事例です。

創業100年を迎えたものの、5代目である社長には息子がおらず、親族内に後継者が不在であり、事業承継が最大の経営課題に。

当時、M&Aの仲介役として税理士法人が買い手を探していたのですが、なかなか見つからず、最終的にはその税理士法人が「歴史のある会社なので、廃業させてはいけない」と自ら買い手となったというのです。

藤原さん「ただ、税理士法人の中に建設会社の経営ができる人がいなく、急遽、経営手腕のある方をヘッドハンティングして見事に見つけました」

買い手は税理士法人でしたが、経営手腕のある新社長を送り込んだのです。

「意見を尊重していく」

新社長はどのような人なのでしょうか?

藤原さん「成長戦略をしっかり立案する方で、企業の成長のためには社員教育を強化する『内的成長』と、M&Aのように同業や異業種の会社を買収する『外的成長』を掲げて成長戦略を進めていました」

具体的に、どのようなM&Aを仕掛けたのでしょう?

新社長は就任後、岡山県内にある別の建設会社から「後継者がいない」との悩みを聞いて、早速その会社を引き継いだそうです。

北野「元の従業員とかどうされたのですか?」

藤原さんいわく、買い手によっては経営方針をガラッと変える人もいます。
しかし、この新社長は地域の仕事をするには、今まで地域と繫がってきた元社長を含め社員がいないと仕事が取れなくなる可能性がある、と考えていました。

藤原さん「現経営体制を変えることなく、意見を尊重して進めていく方」

北野は「そのM&Aの仕方はいい」と感心。急激にトップダウンで変えるのはきついといいます。

藤原さん「私も実際(過去のM&Aの案件で)そのやり方をしたら、売り上げが半減しました」

従業員が「ついていけない」とギブアップしたそうです。
取引先からも「方針が違うね」との意見もあったそうでリスクが高かったと振り返ります。

歴史のある会社の経営は「慎重に」進めること

新社長はM&Aでどんなことを大切にしていたのでしょう?

北野「新社長といえど歴史のある会社は、アプローチの仕方など気をつけなくちゃいけないのでは?」

この問いに「慎重にした方がいい」と答えた藤原さん。

この新社長も「会社の歴史とか伝統を含めてやり方があるので、それを否定しないことが重要」と話していたそうです。
もし、やり方を変えるとしてもすぐに変えるのではなく、徐々に話し合って変えていく、そうすることで役員や従業員の不安を取り除くことができるとのこと。

北野「あまりことを急がない方がいいんですね」

新社長は「会社を見に来てくれ」とか「どんな働き方しているのか検討してほしい」など公言するそうで、藤原さんから見ると「慎重」という印象が強いそう。

北野「利益が出ていて、創業何年で、鉄板やと思っていても、皆の不安を取り除くことから始めなくちゃあかん?」

経営者に就任すると、つい「すぐ結果を出さなくては」と成果を焦ることもあるでしょう。
「でも、それはあまりよくないんだなぁ」と北野。
「気持ちはわかる」と前置きする藤原さんですが、「じっくり見極めていくことが大事」と締めくくりました。
(野村)
 
北野誠のズバリ「カイシャのシュウカツ」
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2023年11月29日14時45分~抜粋

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