北野誠のズバリ「カイシャのシュウカツ」

相性のいいマッチング!廃業するパン店とスープ販売事業者

昨今少子高齢化により、中小企業や小規模事業者の後継者不足が大きな経営課題のひとつとなっています。CBCラジオ『北野誠のズバリ』のコーナー「カイシャのシュウカツ」では、事業承継について、専門家をゲストに多方面から学びます。

11月8日の放送では、広島県のパン屋がパン製造業へ業態転換するM&A事例について、北野誠と松岡亜矢子が三井住友トラストグループ 株式会社経営承継支援・はじめ部長の藤原秀人さんに伺いました。

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年商7千万円でも健康上の理由で閉店

今回紹介されたのは広島県のパン店の事例。

この店は年商7千万円以上もあり、商品も人気でした。高単価商品を取り扱い利益も出ていたのですが、閉店することになったのです。

北野「7千万はパン屋ですごいですよ!」

そんな人気店なのに閉店することになったのは「歳のせい?」と北野。
藤原さんは「年齢ではなく、経営者の健康上の理由だった」と答えます。

北野「健康上の理由でM&Aされる人は、まあまあいらっしゃるんですか?」

藤原さん「特にコロナであったり、コロナの後だと、気持ち的に疲れた、売り上げも全然戻ってこないなど、そういうのでも最近増えています」

異業種の買い手が見つかる

買い手はすぐに見つかったのでしょうか?

藤原さんによれば、しばらくの間は居抜きで買い手を探したものの、立地が必ずしも良いとは言えない場所のため、なかなか相手先が見つからなかったとのこと。
社長自ら、知り合いの同業者にも声をかけましたが、すべて断られました。

そんな状況もあって退去準備を始めたところ、仕入れ先の粉メーカーから「M&Aのマッチングサイトがあるよ」と教わりました。サイトに掲載してみると、すぐに兵庫県の買い手が見つかりました。

北野「それはパン屋さんとか?」

藤原さん「これが、パン屋と全く関係ない建設会社」

北野「どこでマッチングするかわからんな」

兵庫県の建築会社は新規事業として「テイクアウト型のスープ販売」をしていました。
そんな中、スープと相性のいいパン製造事業を西日本エリアで探していたところ、このパン店を見つけたのです。

その後の契約はトントン拍子に進んだのでしょうか?

藤原さん「会社を買いたい事業が、パンがほしい、パスタがいいなど、目的がはっきりしている人が現れると、今回のようにスムーズに行くケースが多い」

遠距離でも業態でマッチングも

北野「買い手さんは兵庫の会社とのことでしたが、広島だと少し遠い感じがしますが大丈夫?」

県をまたいでいるので遠いと感じる距離ですが、買い手が山口県のショッピングモールで、スープを販売する予定があったそうです。

藤原さん「ちょうど通過地点なんで、アリだということに」

山口県と兵庫県の中間地点にあたる広島県は候補地でした。さらに今後、広島でも店舗を拡大していこうという話も出ているそうです。

北野「スープとパンの相性もいいし、同時にできるっていうことですね」

1店舗からできるM&Aマッチング

今回の事例のような年商1億円以下の店舗でも、M&Aのケースは多いのでしょうか?

M&Aのマッチングサイトビジネスは約7年前からスタートしており、「小規模の企業をマッチングする場所として急拡大している」と藤原さん。

北野「ウチみたいな会社がM&Aなんて…みたいな発想じゃなくて、逆に出してみたら『いいよ!それやりますよ』って人が出てくるのがマッチングサイト」

藤原さん「1店舗からできるよっていうのが、だんだん知れ渡ってきています」

パン店からパン製造業への業態転換型のM&A、さらに「withスープ」がついてくるわけですから「面白いマッチングだ」と興味を持った北野でした。
(野村)
 
北野誠のズバリ「カイシャのシュウカツ」
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2023年11月08日14時49分~抜粋

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