北野誠のズバリ「カイシャのシュウカツ」

マッチングサイトで理想の事業承継者に出会った?

昨今少子高齢化により、中小企業や小規模事業者の後継者不足が大きな経営課題のひとつとなっています。
CBCラジオ『北野誠のズバリ』のコーナー「カイシャのシュウカツ」では、事業承継について、専門家をゲストに多方面から学びます。

10月25日の放送では「具体的なM&Aの成功事例」について、北野誠と松岡亜矢子が三井住友トラストグループ 株式会社経営承継支援・はじめ部長の藤原秀人さんに伺いました。

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音楽教室へのコロナ禍の影響

今回は、藤原さんが運営しているM&Aマッチングプラットフォーム『はじめチャット』のアドバイザーである税理士の都先生が手掛けた、関西の音楽教室の事例を紹介しました。

バイオリンやフルート等のクラシック系の音楽教室を経営するAさん。
2つの教室を営業していますが、支店のみ譲渡したとのこと。
講師は6人で、生徒は35人ほど。年間の営業利益は約120万円だったのですが、コロナ禍の影響で利益が減少していました。

藤原さん「この事例はまさにコロナ禍の案件。生徒さんが休会・退会したり、新規の生徒も入りづらかったと」

北野「人が集まるっていうのがダメでしたから。フルートなんか特にダメやろ?」

教室では、フルート等の「飛沫」が特に問題になっていて、思うような運営ができなかったそうです。

多額の原状回復費がチャラに

北野「支店の方を閉める、という発想はなかったんですか?」

Aさんは、教室を閉める予定でしたが、建物の原状回復費用に約700万円かかることが発覚。音楽教室のため内装に防音を施していたことから高額だったのです。

藤原さん「利益の6年分が吹っ飛ぶと」

北野「こういう案件って買い手がすぐ見つかるのかな?」

譲渡を選んだものの、当時は緊急事態宣言が出ている最中。
税理士の都先生も「見つからないのでは」と懸念していたところ、4者から連絡がありました。
具体的にはオーケストラ楽団関係やバンドマンなどの音楽関係者です。

藤原さん「最終的には、ちょうど関西で音楽教室を開こうとしていた個人の方と話がトントン拍子に進んで、ひと月半で成約」

事業譲渡という形で、Aさんには譲渡代金300万円が支払われることになりました。

北野「700万の原状回復費もチャラになって300万いただいた。よかったね」

藤原さんも、売り手も経営難で抱えていたストレスから解放され「非常にラッキーな案件だった」といいます。

理想の承継者と出会えるネット

ここで気になるのは、Aさんがどうやって買い手を見つけたのか、ということ。

実は藤原さんが運営する『はじめチャット』のようなM&Aのマッチングサイトに情報を掲載して、オンライン上で買い手とマッチングしたのだそう。

北野「生徒さんや講師の方はどうなったんですか?」

藤原さん「講師の方もそのまま働き続けて、生徒さんも継続できた」

買い手のメリットはどんなことがあったのでしょうか?

藤原さん「もし開業するとなると設備投資がいるとか、すぐに売り上げが立たないので赤字スタートになる」

北野「最初に生徒さんが集まるかって問題ですよね」

譲渡を受けることによって、講師も変わらず生徒は最初から35名いる状態でスタートできたので利益を見込めると藤原さん。

北野「イチからもう一度作るよりも、改善するだけですもんね」

藤原さんいわく、M&Aマッチングサイトでは多数の応募が望めるとのことで、「ネットの力ってすごいな」と感心する北野でした。
(野村)
 
北野誠のズバリ「カイシャのシュウカツ」
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2023年10月25日14時47分~抜粋

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